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未完結でも参加できる 執筆応援キャンペーン「大正浪漫」

大賞

青年と少女のピュアな絆に心が掻き立てられます。主人公の祥太郎と、13歳で春をひさいで暮らす玉鈴の関係はプラトニックであり、お互いの心に足りないものを補完しあっています。その舞台となる大正の浅草の自然、建物、食べ物や文化風俗まで丁寧に描写され、リアリティがありました。しかし、彼らが出会ったのは大正12年である以上、この先、未曾有の災害に襲われることも必至です。今後の展開から目が離せない作品でした。

準大賞

爽やかな男女の清らかなラブストーリーで読み心地がいいです。主人公の悉乃は善行を施した結果、前歴が女学校の友達にバレて、いじめの対象にされてしまいます。理不尽な周囲に対して一歩も退かない彼女は凛々しいです。また恋心を抱く男性に真っ向から心を開き、駆け引きなどしないのも好感度満点です。文章の要所要所に差し挟まれる古風な表現も、大正という時代設定にマッチして、王道の恋愛物語を築いています。

入賞

華族のお嬢様と使用人である庭師の主人公の身分違いの許されざる恋です。主人公の一途な想いには、読み手の胸がしめつけられるせつなさがありました。一方で、下の立場の相手には理不尽な暴行さえ見逃されていた大正の陰の部分も描いています。また端麗で文学的な文章表現が美しい。「青い悲しみ」「水滴が落ちるような声」などの表現は格調が高いです。白い着物にワインレッドの手袋、紫のショールなど色彩の見せ方も豊かでした。

泡沫の情人

BL 完結 過激表現
2時間13分 (79,450文字)
主人公が親友から「愛人が自分に対して本気なのか確かめてほしい」と依頼されます。その愛人とは、美しい男性の三味線の芸者である佑月。彼が極めて個性的で妖艶な魅力があります。憎まれ口を叩き、露悪的な行動をしますが、心の奥に強い火を宿しているイメージでした。まだ話は4分の1程度の進行ですが、主人公の心が大きく揺さぶられる展開に興味が引かれます。人を好きになる意味について考えさせられる作品でした。
大正に流れる時間を体感させてくれる作品です。大黒柱である父親を失い、母と妹と残された主人公の文子。彼女に財閥の家系に連なる合原家の利晴との縁談が持ち上がります。女手だけで立て直そうとしていた家業を、文子が嫁に行くことで解決するのかという葛藤が胸に響きます。各場面に散りばめられた大正に関わる固有名詞が作品世界を彩っていました。文子の婚儀までの積み重ねが、その後の展開の衝撃度を増しています。

佳作

物語は主人公の一人称で綴られ、本人の視点や感覚が随所に表現されています。例えば、「お父様の公式の洋装に似ている」とか「乙女画報で連載中の女主人公のよう」などで読み手を大正の世界に近づけてくれました。主人公の美春は伯爵家の容姿端麗な兄弟から同時に求婚されます。対照的に見える彼らですが、ジェントルマンや軽薄さの裏に、どちらも激情を秘めています。結婚相手としてどちらを選ぶのか、恋の行方には注目しています。
人と鬼とのバトルあり、恋愛ありの大正ファンタジーです。日ノ本を魑魅魍魎から守る退魔師でありながら、傍流の血統ゆえに家で肩身の狭い主人公に哀切が漂います。戦闘前のリサーチ、腹ごしらえ、戦闘後の入浴のルーティンはリアリティがあります。千年もの封印が解かれた鬼の朔夜が「我が妻」と呼んでも、主人公とは温度差があるのが愉しいです。しかし、孤独な彼女に不器用ながら寄り添おうとする姿は胸にグッときます。
ハッピーサプライズと多幸感を味わえる作品です。いまだ愛を知らぬ青年・山本の心をひと目で奪う女性ハツの登場がセンセーショナルでした。女性陣との距離を縮めようと悩み、必死にあがく2人の青年の姿は滑稽でありつつも胸が熱くなります。古風なセリフのやりとりは大正の時代性を引き立てていました。言葉を交わさず、会釈だけの関係から恋文によって転回するのは優雅で趣があります。気のいい善男善女の物語に心が洗われました。
タイトル通り、大正浪漫の魅力が詰まったストーリーです。呉服屋の娘・菊子は火事によって、小説家の家に働きに出ます。丁寧語で菊子自身の口から語られるさまざまな“初体験”が、読者を大正時代の日常ツアーに誘ってくれます。カフェーやデパートに繰り出す楽しさがあり、シベリアやアイスクリームを食べた感動もあります。そして、屋敷に住む主人に対して、男性への初めての感情を抱いた菊子の揺れ動く感情も初々しいです。
怪奇と猟奇の大正サイコホラーです。主人公は6本の指、白黒まだらの髪、色違いの目であり、作中の表現を借りるなら「頭の中が最も異形」の双子です。アンモラルな言動の2人ですが、人の心の闇を容赦なく暴きます。目を背けたくなる場面がありながらも、彼らの家族愛にほだされました。犯罪者に冷酷な処断を下すのに、兄弟が病に臥せるとオロオロする姿はキュートです。乾いた短文で構築されているのもドライな世界観にマッチしていました。
才能あるモダンボーイの学者と幽霊学生が繰り広げるミステリーです。先生は「心霊研究」に傾倒し、幽霊に会いたいと願っていたので超常現象への受け入れも早い。事件解決によって幽霊の存在を証明し、学生の無念も晴らせる。でも、幽霊と十全なコミュニケーションが取れず制御不能なのが物語のアクセントになっています。書籍やインテリア、紅茶の茶器に至るまでディテールに凝っていました。キャラクターの所作の描写も的確です。
読み手の主人公へのシンクロ率の高い作品でした。大好きだった曽祖父が亡くなってしまうけれど、彼の幽霊に出会う主人公の千弘。それがきっかけで千弘は意識だけ大正時代にタイムトリップしてしまいます。現代人の視点で大正の文化や慣習を見るので、読み手が共感しやすかったです。なかなか気がつかないために起こる周囲とのズレはユーモラス。でも、相手のたったひと言から自分の置かれた状況を理解するカタルシスは壮快でした。
瓦斯灯がまたたく夜を男装の少女が駆ける大正伝奇ロマンです。冴木由宇が愛刀「夜桜」で帝都に跋扈する妖を一刀両断します。アクションシーンがダイナミックかつ美しい流れです。人物の容姿が読み手の頭に浮かびやすいようにビジュアルを描写しています。各キャラの会話場面はしぐさや表情を交え、キャラクターの心情・感情が浮き彫りにされています。ひと癖ある連中の中で、凛として自分の軸をぶらさない由宇は主人公として魅力的でした。
大人の世界、大人の女性に憧れる若者のピュアな想いが伝わってくる作品です。懸命に背伸びをする勇次郎は血の通った主人公でした。酒場で出会った10歳以上も年上の歌手に一目惚れしたり、役者志望なのに大人の演劇集団で裏方から修行する姿は心を打ちます。一方で、大人たちの世界は決して綺麗事で成り立ってはいない見せ方が、若者たちのイノセントな世界とコントラストになっていました。各キャラの恋模様の行方が予測不能です。
主人公は下町育ちの海軍大尉です。彼の一人称で語られる物語ですが、軍務についているときはセリフも彼の内面もパキッと整えられていて、プライベートの場面ではどちらも一気にくだけるのが面白い演出でした。物語のテイストがガラリと変わるのは刺激的です。帝国海軍の用語、海上での活動についても丁寧に調べて描写しています。主人公を巡る百花繚乱の女性たちがこれからどんな大正絵巻を見せてくれるのか楽しみです。
大正時代の学生を描いているけれど、普遍的な若者の悩みが伝わってきます。決められた道、与えられたものでは満たされない。まだ何かはわからないけれど、自分が自分であるためにやりたいことを見つけたい主人公。そんな彼の前に成仏できない花魁サヨの幽霊が頼みを聞いてほしいと現れます。最初は幽霊にまとわりつかれながらの日常モノかと思わせ、中盤からシリアス路線に大きく急カーブを描いていくのが見事な構成でした。
スケジュール
・応募期間:2023年4月3日(月) 12:00:00 ~ 2023年6月4日(日) 27: 59: 59 ・最終結果発表:2023年8月中旬頃予定
募集概要
良い作品を執筆したい!というあなたの気持ちをエブリスタが応援します! 「未完結でも参加できる 執筆応援キャンペーン」!! 【コンテストの特徴】 執筆意欲を応援するために、3つの特典をご用意しました! ・優秀15作品以上に、作品へのアドバイス ・大賞受賞者には、キングジム社の「pomera DM250」をプレゼント ・準大賞作品以上は完結後に、「完結作品特集」へ掲載 【こんな方にオススメ!】 書きかけの作品、眠っていませんか?  書きかけの作品も積極的に応援します!  眠っている作品、構想段階の作品でも、どしどしご応募ください! 昔書いた作品、アイディアはいいと思うんだけどなあ……  このコンテストに応募すれば、さらに良い作品にできるかも!?  ぜひ昔の作品にもう一度光を当ててみてください! どんな風に続きを書くか迷ったときは、こちらの記事を参考にしてみてください。 書きたい気持ちに火がつくメディア monokaki(創作ハウツー)
募集テーマ
第39回目のテーマは「大正浪漫」です。
・華族の跡継ぎと、売られてきた侍女が恋に落ちた。周囲に引き離された二人は、駆け落ちを決め――。 ・モガに憧れ田舎から出てきた少女。町で見かけた素敵なモガに、突然弟子入り志願して!? ・大正デモクラシー以降、民衆の冷たい視線に煩悶した青年将校は、とんでもない事件を起こし――?
など、「大正浪漫」の要素が登場する小説を募集します。 次から次へとページをめくってしまうような、続きが気になるお話をお待ちしております!
賞
大賞 1作品 ・賞金3万円 ・作品へのアドバイス ・キングジム社「pomera DM250」をプレゼント ・完結後に特集掲載※ 準大賞 1作品 ・賞金2万円 ・作品へのアドバイス ・完結後に特集掲載※ 入賞 3~5作品 ・賞金1万円 ・作品へのアドバイス 佳作 10作品程度 ・作品へのアドバイス
大賞の方にプレゼント!
※ 特集掲載は、受賞から半年以内に完結した作品を対象とさせていただきます(投稿時に完結している作品も含まれます)。完結後、受賞連絡時にお伝えする宛先へご連絡ください。ご連絡を頂けなかった場合は、特集掲載できない場合がございます。 ※ 大賞、準大賞、入賞または佳作(以下、「受賞」という。)の作品はエブリスタ公式SNS等で配信、紹介等される可能性があります。
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コンテストの注意事項(必読)