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三行から参加できる 超・妄想コンテスト 第211回「夫婦」
 これまでの価値観とは異なる、多様なパートナー関係が存在する現代。それを反映するように、物語においても様々な“夫婦”の様子が描かれていました。  とはいえやはり、一般的な結婚を果たした夫婦関係や実体験のような内容をベースとした、現実的な内容が多数派。ファンタジー的な要素を含んだ作品が少な目だったのは、少しもったいなかったかもしれません。

大賞

プロポーズを皮切りに、幾度も繰り返される些細な勝負を通して描かれる夫婦の人生が、じんわりと心に沁み入ります。妻に負け続けてきた夫が、最後にようやく勝ち取った1勝がなんともせつないです。ラストは作品を通して夫婦を見守ってきたアイテムが、これ以上ないほど上手く物語に組み込まれており、温かな気持ちで胸がいっぱいになりました。

準大賞

亡くなった姉、出家した兄の代わりとして結婚したセツと吉次郎。形ばかりの夫婦生活も20年が過ぎた頃、セツは吉次郎に女の影を感じて――。互いに不遇な状況で結婚をせざるを得なかった男女が、長いすれ違いを経て、本当の夫婦になっていく物語。不思議な妖狐の存在だけでなく、登場こそしないものの出家した兄も存在感を放っており、彼らを交えた続きも読んでみたいです。

入賞

成功率の低い手術を受けることになった主人公。弱気な彼女にクラスメイトの片須君は、ある待ち合わせ場所を指定して――? 有名な都市伝説である“きさらぎ駅”と、夫婦という相容れないキーワードを、こんな風に繋いでくるのかと膝を打ちました。言葉の真意も決して暗いものではなく、ロマンチストな夫の発言に、主人公と一緒にほっこり温かな気持ちで胸キュンできます。

佳作

アイドル好きなバーの常連客に、居合わせた男がお遊びでアイドルとの婚姻届を書かせると、男は大喜び。ところがそれ以降、男は店に姿を見せず――。終始もやもやとした薄気味の悪さが漂っており、ざらついた緊張感が先を読ませます。あえてラストを明言しないことで、より後味の悪さを加速させていました。
事故で半身不随となった美優は夫にわがままを言い、冷たく突き放す。しかしそんな彼女に、夫は献身的なほどに尽くしてくれて――。事故で後遺症を負ってしまった妻の心情描写がせつなく、胸が痛みます。何があっても妻を愛する覚悟を持った夫と、そんな彼の重荷になりたくない妻。その葛藤の折り合う先をハラハラしながら読み進め、ラストは夫の優しさに、こちらまで救われるようでした。
男同士と女同士のカップルがパートナーを交換して偽装結婚した。世間体のため、形だけの夫婦関係だったはずなのに――。似た者同士が寄り添うことで関係値が少しずつ変化していく様が、読んでいて微笑ましくもあり、ツラくもありました。偽装であっても、一緒にいる時間が長いほど情が芽生えてしまう。現代社会における“夫婦”という関係性について、様々なことを考えさせられる一作です。
息子が進学先を遠い北海道に決めたことで展開する、ドタバタ家族劇。ラブラブな両親と、その息子の巣立ちの前後が、ほっこりコメディテイストでおもしろくおかしく描かれています。きっとこの家族はこの先もこんな関係が続いていくのだろうと、読んでいて温かい気持ちになれました。
急遽参加した故郷の同窓会で、再会した元カレの家に転がり込んだナツ。「結婚しよう」と言う彼に、ナツは頷くことが出来ず――。お互いのことを想い合う2人と、そんな彼らを包み込む家族、登場する誰もが優しい温かなヒューマンドラマ。文章力が高いので安定して読見進められます。読み終えたとき、心がほっこりと温かくなりました。

超短編賞

互いにとっくに気持ちが冷めている夫婦。それぞれの理由から離婚できずにいる2人は、お試し感覚で相手に罠を仕掛けるが……? ビターなブラックコメディ超短編。心は離れているのに、ふたを開けてみれば似た者同士な2人の、切れ味するどい皮肉な結末が印象的でした。

続きが読みたい賞

該当なし

トンデモ賞

地味で退屈だが理想的な妻と、結婚したくはないが刺激的な愛人。2人の女を上手く手玉にとっていた男だが……? 日常の小さな違和感、その輪郭が少しずつあらわになっていくような、ミステリ的な構成に引き込まれました。歪な2つの歯車が見事に嚙み合ってしまうラストには、苦笑せざるをえません。

優秀作品

スケジュール
・応募期間:2023年11月22日(水) 12:00:00 ~ 2023年12月24日(日) 27:59:59 ・最終結果発表:2024年2月中旬頃予定
賞
大賞(賞金3万円+選評)1作品 準大賞(賞金2万円+選評)1作品 入賞(賞金1万円+選評)1作品 佳作(選評)数作品   超短編賞(選評)  続きが読みたい賞(選評)  トンデモ賞(選評) ※大賞、準大賞、入賞または佳作(以下、「受賞」という。)の作品はエブリスタの短編小説シリーズ「5分シリーズ」に収録される可能性があります。(収録を依頼する場合には、受賞者に別途、ご連絡させていただきます。) 短編小説シリーズ「5分シリーズ」 ※受賞作品はエブリスタ公式SNS等で配信・紹介等される可能性があります。  優秀作品(結果発表ページでご紹介)  ピックアップルーキー(結果発表ページでご紹介) ※大賞・準大賞・入賞作品を除く上位30作品を優秀作品として、結果発表ページでご紹介します。 ※上位30作品まであと一歩だった作品の中で応募期間終了日より3ヶ月以内に会員登録された新規作家の作品を、ピックアップルーキーとして数点、結果発表ページでご紹介させていただきます。
募集概要
新作限定!初心者大歓迎! たった100文字の妄想でも気軽に参加できちゃう短編コンテスト、第211弾です。 今回のテーマは、「夫婦」です。 どこかに必ず「夫婦」の要素が登場する妄想を投稿してください。
・定年を迎えた翌日、長年連れ添った妻から離婚届を渡された。理由を訊ねると……? ・“夫婦の魔法使いは魔力が強まる”という噂が広まり、魔法使いの大婚活ブームが巻き起こって!? ・男女で持つと必ず結ばれるという夫婦茶碗を手に入れた。早速想い人にプレゼントしたのだが……?
価値観が多様化した現代。“夫婦”という関係性もまた、人によって様々な側面を持つのではないでしょうか。 そんな「夫婦」にまつわるあなたの妄想をお待ちしています! 過去の妄想コンテストはこちら
応募要項
・本コンテストの応募期間内に新規公開された作品。 ・文字数は100文字(三行程度)~8000文字 ※制限文字数未満又は制限文字数を超えた作品は選考対象外となります。 ※非公開設定している作品は、選考対象外となります。 ※連載中の作品の場合、応募期間終了時点での作品の完成度も含めて選考いたします。 ※エブリスタ内の公式コンテストや他社サービス等への重複応募が確認された場合、応募取消しになる場合があります。
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応募の辞退について
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次回予告

次回、妄想コンテスト第212回のテーマは「あなたに会いたい」です。 本コンテストと平行する形で2023年12月13日(水)より開催予定です。 ※作品は次回の妄想コンテスト第212回の応募期間内に新規公開してください。応募期間前に公開した作品はご応募いただけませんので、ご注意ください。

コンテストの注意事項(必読)

超・妄想コンテスト