バカが付くほどの猫好き30代一般男性の皇なるは、猫喫茶へ向かう道中、交通事故に遭ってしまう。意識が薄れゆく中願ったのは、猫と暮らせる世界――。目を覚ますとそこにいたのは神様を名乗る人物。曰く、猫が暮らす世界に転生させてくれると言う。喜びに満ち満ちて転生を選ぶが！？異世界転生ニャンタジー！

クニオ共和国のスラム街・「九番街」で運び屋をしているハナコ・プランバーゴのもとに、ある日、謎の少女を反乱軍のもとまで護送するという依頼が入る。六番街からの脱落者である相棒・トキオと、護送屋ディックとともに、波乱万丈な道中が始まる――。きな臭いスラムでたくましく生きる少女たちの物語。

二十代後半の女性・亜衣は、お弁当を注文するだけの電話でさえ、怖くてできない。中学生時代のいじめがきっかけで、知らない人と関わるのが、極度に怖くなってしまったのだ。しかし、叔母に言われた一言がきっかけで大きく変わることになる。人間恐怖症に陥った彼女が、様々な人に出会い、成長し、人生に花が咲き始めるエッセイ。

日誌を書き今日の仕事を終えようとしている近本巡査長のもとに、出動要請が入る。それは、水木公園の公衆トイレに落書きしている男の子がいるというもの。あと少しで業務終了だったのにと嘆く半面、この呼び出しを心なしか楽しみにしている自分がいた――。非行少年と孤独な警察官の奇妙な友情ドラマ。

会社からのリストラをきっかけに、家族も家も何もかも失った主人公は、人生に絶望し富士山のふもと、樹海にやってきた。だが、首を吊るためのロープは切れ、見知らぬ男・立花に助けられる。自分と同じで何もないという立花に提案されるまま、「自由な町」に連れてこられた主人公は――。生と死の境界で紡がれるホラー。

美術教師からのセクハラに悩む中学三年生の美織は、下校途中、不思議な男性に声を掛けられた。瞬きの間に、見知らぬ店の中に移動していた美織は、男性から可愛いストラップをもらうのだが――。その宝飾店は、辛くて苦しくて、でもどうすることもできない人の前に現れる。人間の闇に迫るホラー。

時は大正。東京で『長瀬萬請負』を営む長瀬隼人は、紅い髪が特徴の混血で、西洋寄りの顔立ちをしている。ある日、彼の元を訪れたのは、大学時代の後輩・相馬有朋。彼は非常にあいまいな情報をもとに、自分の叔母を探してほしいと言った。だが、その翌日に、有朋の養父で雇い主の、高林義礼が襲われ――。過去に囚われて苦しむ男達。謎が謎を呼ぶミステリー。

小学校六年生の風間 雷一（らいち）は自分に自信が持てない男の子。二学期の修了式の帰り道、人気のない宝来神社に立ち寄った雷一は、そこでしゃべる子犬――狛犬と出会う。ありえない出来事に怯える雷一だが、狛犬は頼みがあると言ってきた。狛犬のお母さんを探す、一人と一匹の現代ファンタジー。

「へその丘町」の真ん中には、お臍のように小さな丘があり、そこには、子どものときだけ見つけることができる黄色いポストが立っている。どうやら、そのポストに知りたいことを書いた手紙を投函すると、返事が届くらしい。好きな男の子の好きな人が気になるゆみは、友人のはるかと黄色いポストを探して――。心暖まる現代ファンタジー。

千年以上も生きる魔女・カイは、五百年ほど前に拾った人間の少女・ジャンヌが死んで以来、魔女界に引きこもっていた。だが、魔女のシルヴィアに誘われ、巷で流行りの学生生活を送ることになる。そこで出会ったのは、邪気を一切まとわない人間の少女・侑希だった。傷ついた魔女が再び手を伸ばす、愛と絆を描く青春ファンタジー。

しがない蕎麦売りのしまきは、非公式の売春・いわゆる夜鷹に最近女でなく男がいるといううわさを聞く。ある日、売り切ることができなかった蕎麦を横目に店仕舞をしていると、件の男の夜鷹・ざらめに出会う。しまきはざらめをもののように扱う男たちに嫌気がさし、奉仕が終わった後のつかれた彼に声をかけた――。蕎麦売り×男娼BL。

拳銃を向けあう男女の緊迫感に息を飲む、美麗イラスト。

かわいらしいお家が目を引く、やわらかい風景画。

黄色と青色のコントラストが美しい、鮮やかな水彩画。