新作セレクション[23/01/12]

12月前半に投稿された作品の中から、現実と幻想が交差する夏のSF物語や、奇妙なグループワークの有様が語られるコメディ、東京の孤独の中で生きる女性の純文学ドラマなど、幅広くご紹介させていただいています。最後までじっくりとお楽しみください♪

イチオシ作品

シレア国は、今の学知には残らない設計理論で作られた狂うことのない時計により、時の巡りを知り生活している。ある時、その時計に異変が起きた。これは国を揺るがす大事に繋がりかねないと、シレア国の王女・アロウラは問題に対処するために動き始める。そしてアロウラは、何処からかこの世界に迷い込んだ少女・ウェスペルと邂逅する。時の標が止まった時、運命は大きく動き出す――。時をテーマにしたハイファンタジー。

SF

12歳の山本尊は、従妹の夏実たちと共に夢のように楽しい毎日を過ごしていた。しかしなぜか、この日々は現実ではないのでは?という疑いをもってしまう。すると周りで不可解なことが起こり始める。自分の字で書かれた書いた覚えのない江戸川乱歩の『うつし世はゆめ 夜の夢こそまこと』という言葉、夏実が放った「こんなことは予定になかったはずよ」という独り言……。その謎の先に、尊は命の意味を知っていく――。現実と幻想が交差する夏の物語。
かつて世界の中心だった米国のNシティ。今は富のある者は中東に移ってしまい、行き場を無くした者たちが世界中からやってくる荒んだ街になっていた。そこでは昼夜問わず銃声が鳴り響き、悪党たちが大手を振っている。そこで東洋のちっぽけな島国から流れ着いてきた少女・ケイは凄腕の殺し屋として生きていた。彼女は電脳ドラッグ絡みの事件に巻き込まれ、都市そのものに復讐するかのように戦う――。サイバーパンク・ガンアクション。

コメディ

5人目の学生が席につくと、面接官である中年の男が突然うめき声を上げて倒れた。佐藤可奈は目の前の足元で横たわった男を見てたじろいでいると、他の4人がそれぞれ行動を起こす。それを見た可奈は自分もなにかしなければと自己紹介を始め、協力を持ちかけ名前だけでも交換しませんかと提案する。そこから、5人はお互いの情報を交換し、状況への対応を模索するが――。奇妙なグループ・ワークの有様が語られるコメディ。

ヒューマンドラマ

梨沙は会社勤めをしていたが解雇され、25歳でフリーターとしてパチンコ屋で働いている。ある時、隣の部屋に住んでいる50歳ほどの男性・青木に、彼の設計事務所にスカウトされ、再就職が決まる。始めは不安だったものの、変ではあるが温かい人達に囲まれる。慣れない仕事に苦労しながら様々な人間関係を経験し、時に失踪した母とのことを思い出し、日常を続けていく――。流されながらも元気に生きる女性のヒューマンストーリー。
「僕」は、知人に勧められて長崎県の有明浜駅にやってきた。そこで撮影を楽しんでいると、若い女性の駅員・潮薫子に話しかけられる。「僕」が東京から来たと伝えると、彼女もちょっと前まで東京にいたといい、表情に翳りを見せる。彼女にあったことを「僕」が尋ねると、薫子は子供の頃から始まる物語を始めた。薫子の父親は有明浜駅で安全を守る仕事をしており、それが縁で彼女も駅を見ながら成長していく――。旅と海と駅の物語。
浜里は東京でOLとして働いており、社会の風景の一部となって生活していた。勤め先には、お笑いタレント志望やバンド活動をしている若者たちがおり、彼女は夢を追っている彼らを見て「私も数年前まではそちら側の人間だったのに」と、応援の気持ちと同時に嫉妬に似た感情を抱いていた。かつて失ったものを後悔し、自分の今に悩みながら、彼女は現在の自分に向き合っていく――。東京の孤独の中で生きる女性の純文学ドラマ。

ミステリー

身体が弱いエリックは、空気の綺麗な郊外の屋敷に家族と共に引っ越した。そこには家政婦のモーリーと猫のルーがおり、共に暮らすことになった。ある時エリックはルーに話しかけられる。実はモーリーは魔女でルーも不思議な力をもっていたのだ。エリックとルーは友達になっていく。そしてクリスマスのある日、プレゼントが一つ行方不明になる。エリックとルーは力を合わせて犯人を探す――。少し前の英国を舞台にしたミステリー。

ホラー

書生の小鳥遊は作家の垣谷から厳しい批判を受けながら文豪への道を目指していた。ある時垣谷が、小鳥遊の小説には期待しておらず、彼の持つ幽霊が見られる能力を利用しているだけだといったのを聞き、家を飛び出した。そして、習慣のまま知人のお守り売りの椿のところへ向かうと、そこで権力者に絡まれ、ある蔵で一晩を過ごす、10年に1度の儀式に参加させられる。小鳥遊はそこで、恐ろしい一夜を迎えることになる――。心霊怪異譚。

歴史・時代

カナは、天狗によって攫われた幼い妹のミナを探し求めて山に入った。一方で、失敗をすると罰金をとられる単純作業を続けていた小役人のマヒコは、そんな日々に我慢が効かなくなり飛び出した。そのままではマヒコは斬首となってしまうと、友人のハセは彼を探して山に向かう。また全ての知識を求めて天狗に会いに来た、チハヤという男も山に入っていた。彼らの出会いがそれぞれの運命を変えていく――。奈良時代を舞台にした幻想譚。

青春

パリの演劇学校に通うエイヴェリーとロマンは、血の繋がらない姉妹で、エイヴェリーは姉に恋心を抱いていた。彼女は姉の後をひたすら追い、努力し続けていたが、ある時ロマンがクラスメイトの女性とキスをしているのを目撃してしまう。ショックで崩れ落ちて泣く彼女を、クレアという既に大物女優と評されている級友が支えた。エイヴェリーは彼女らの力を借りながら、姉の気を引こうとするが――。熱いGLミュージカル物語!

ファンタジー

どちらを向いても墨のような真っ暗闇の中で「実浦くん」は、暗闇と自分との境目をなくしていた。その中で、小さな光の手形が光り、実浦くんに輪郭を与えた。実浦くんが礼をいうと、フィラメントのように赤々と光る羽をもった小さな女の子が現れた。そして実浦くんは羽がちぎれて落ちてしまいそうだという彼女を運んで、どこかへ向かう旅をはじめ、その先で様々な出会いをする――。クリスマスまでの旅路を綴った不思議な物語。
シレア国は、今の学知には残らない設計理論で作られた狂うことのない時計により、時の巡りを知り生活している。ある時、その時計に異変が起きた。これは国を揺るがす大事に繋がりかねないと、シレア国の王女・アロウラは問題に対処するために動き始める。そしてアロウラは、何処からかこの世界に迷い込んだ少女・ウェスペルと邂逅する。時の標が止まった時、運命は大きく動き出す――。時をテーマにしたハイファンタジー。

詩・童話・絵本

冷たい風に吹かれて今にも落ちそうな桜の葉は、隣に立つ憎たらしいほど青々としたクリスマスツリーとなっている樅の木を羨んでいた。桜の葉は、桜の木ではなく樅の木の葉になりたかったと思いながら、はらはらと落ちていく……。その一方で樅の木は、桜のことを羨ましく思っていた。その樅の木は、実は本物でない人造物で、それゆえに樅の木も、桜についてある思いを抱いていた――。冬の日を舞台に語られる大人の童話。

現代ファンタジー

高校生になる雪見は、天狗が棲む伝説のある村に引っ越した。その初日に鼻の高いお面を着け、背中に大きな黒い羽があり、紺色のスーツを着た天狗を目撃する。それから一週間経った登校日に、雪見はまた天狗に出会う。天狗は若葉という名前で、彼女のクラスの担任だという。周りの人々が天狗の存在を自然に受け入れている不思議な空間で、雪見は青春の日々を過ごしながら、天狗先生のことを次第に知っていく――。あやかしと恋と謎の物語。

恋愛

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BL

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イラスト

寄り添い合う双子の少女たち――。魅了される美麗イラスト!
攻撃がくるまであと、〇秒――。臨場感たっぷりなイラスト!

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