250歳の若きエルフのクアリタ・グランフォレと彼の養い子であるハーフエルフのソアン。彼女が150歳の成人を迎えると、突然クアリタに一緒に家出をしようと言い出した。1年ほど前から魔法が使えなくなっていたクアリタはソアンの提案を受け入れてオラシオン国に行くことになる。二人は吟遊詩人と大剣使いとして冒険者登録をして、パーティを組んでダンジョンを探索したりし始めるのだが――。エルフの家出冒険ファンタジー。

この世界には、多くの『ダンジョン』が存在する。多種多様のモンスターが湧き続ける処にもかかわらず、眠れるお宝を夢見て冒険者たちは足を踏み入れる。そんなダンジョンは、訳あって神を怒らせたエルフと魔族の尽力により運営されていたのだ。ヒト族が違和感を覚えないようにひっそりと、エルフは汚れたエリアの原状回復に勤め、魔族はモンスターとしての役目を担っていた。そんな中、エルフのシャルは始まりの街のダンジョンを管理していて――。お仕事ファンタジー。

“大地の女神”を崇め奉るサンベルク帝国は、遥か昔より、皇女が祈ることにより栄華を築いてきた。16歳になるまで離宮に閉ざされていた帝国の第13代皇女・エレノアは、辺境の町で乗馬中に不思議な森へと迷い込む。そこで出会ったのは、黒い翼を持つ異種族の王だった。酷い怪我をして人間への怨嗟を募らせる彼を、エレノアは放っておけず治療する。この邂逅が世界を大きく揺るがすことに――。運命のロマンスファンタジー。

父親が悪魔という秘密を持つマーシャは、あらゆる悪魔から逃げつつ精霊たちの守護のもとドルイダスとして生きることを決めた。そんなある日、彼女はログレスという国の青年王・アーサーに捕縛される。三年前、マーシャはカンタベリー寺院の石に突き刺さった剣を抜けと言い、それをきっかけにアーサーは王となったのだ。「ずっと捜していた」と彼に告白されたマーシャは、自由を望みつつも離れ難くなっていき……。ブルターニュファンタジー。

黄泉の国のごつごつとした岩山の裂け目で、門番をしている真っ黒毛皮の獣。彼らは真っ白毛皮に『お前は鬼に拾われて貢ぎ物になる』と告げられ外の世界に棄てられたのだ。それから三頭闇獣(ケルベロス)と名乗り、人間の男の子・てるの迎えをずっと待っている。ある日、初めての夏休みをもらったケルベロスは八咫烏に頼んで呪いをかけてもらう。一結、二汰、三千とみっつに分かれて人化けし、下界へ会いにいくことに――。ほのぼの現代ファンタジー。

異世界で樹木に転生したクチキ・シゲルはクッキーという名前で生活していた。木製躯体として行動できるようなった彼は、精霊のアディと妖精のユーリと自作の森で暮らしていたところ、キャラバンから「ビキニアーマー」というものがあることを耳にする。それがカーキ・ツバタ王国の親衛隊と関係があると知って見学に行くことに。しかし、「100年後の災厄」に彼らは巻き込まれてしまう――。異世界転生冒険ファンタジー。

人魚と龍と人間が互いに深く関わっていた遥か昔、人魚の月李は人に恋をして子供を産む時期になっていた。人魚が生んだ子が男子なら天鱗宮の龍族に、女子なら海鱗宮の人魚族へとなり、二つの鱗族の血脈を繋いできた。月李とその守り龍である陽光は互いに特別な想いを抱いていた。彼らと人間の樹令を含めた三つの種族それぞれの願いを叶えるために、三人は禁断の秘儀に身を投じようとしていた。せつない恋愛ファンタジー。

あの世で転生するまでの順番待ちをしていた主人公。渡されたアンケートで「異世界でチート能力が欲しい、ついでに恋人も。」と願うと、目が覚めた先は卵の中だった。ヒースという少年に話しかけられながら孵化する日を楽しみに待っていると、ついにその時がやって来る。ヒースに孵され産声を上げると、想像を絶する美形の王子だった彼に一目ぼれ。ヒースを支えられるような立派なドラゴンを目指す日々が始まる――。第三王子×転生ドラゴンの溺愛ファンタジーBL。

落ちぶれた伯爵家の令嬢・アイリスは、“吸血鬼”とまことしやかに噂されるブラッドレー卿に嫁ぐことになる。艶のある黒髪に血のように妖しい深紅の瞳を持つ、浮世離れした美貌の公爵・シエルは本物の吸血鬼だった。彼女に餌になってもらうと告げ、皇女殿下の騎士であるが故に愛せないし愛する気も無いという。落ち込むアイリスは、様々な愛と思惑、秘密が絡み合う世界に巻き込まれていく――。ダークファンタジー。

ギルド支援庁南方面支部局に務めるヤマジロは、20年以上教官として指導している。通常三年目以降に受けられる卒業試験だが、2年少ししか在籍していない教え子の猫獣人・フィーフィーを受験候補者に推薦する。堅実派と名高いヤマジロだが、半年後に行われる王立歌劇団の公演に関わりたいという彼女の願いを叶えてあげたいと思ったのだ。そして、英雄も魔王もいるような異世界で生きる二人には、ある共通点があって――。ドワーフと猫獣人が紡ぐファンタジー。

ブラック企業に勤める雪島千尋は、ある夜に忽然と現れた『喫茶レクイエム』に迷い込んでしまう。そこで千尋を迎えたのは、ハチワレ猫の獣人であるタマだった。皮肉屋で意地っ張りな彼との会話や、彼が淹れる温かな飲み物と音楽で心身ともに疲れていた千尋は回復する。仕事を辞めて失っていた時間を取り戻そうとした矢先、タマの行方がわからなくなって……。猫は9つの魂を持っており、9回生まれ変わる。様々な猫たちの想いを綴る群像ファンタジー。

千年の時を超えて種族間の争いが繰り返されてきた世界。ゴブリンの王国にて政務の一端を担うルノは、大変な苦労の果てに「ヒト」を除く全種族が一同に会した歴史的な会合を開く。ヒトへの危機感を煽り、種族間の諍いを乗り越え、ヒトを共通の敵とみなすことで異種族の想いを纏めようとしていた。かつての地獄のような敗走や亡き最愛の友の存在を心に刻み付け、戦術家ゴブリンは動き出す――。シリアス戦記ファンタジー。

神奈川に暮らす大学生の荒木誠。ゴールデンウィークのある日、誠は深紅髪の美少女・佐柳琴音と出会う。彼女は人間の姿形をしながら、人間とは決定的に異なった体質や性質をもつ異端の存在である異人だった。そして、琴音は「吸血鬼の異人」であり、誠と彼女はある一件を境にそれぞれの人間と異人の部分を半分ずつ分け合うことになる。半分異人となった誠は様々な異人たちと出会うことになるのだが――。青春現代ファンタジー。

道に迷ったジョン・ドゥは気が付くとモンスターたちが住むリバースタウンに足を踏み入れていた。途方に暮れているとシーツ姿のゴーストが現れ、彼が店主であるハッチポッチというダイナーで働かないかと提案される。ジョンはシーツをかぶってゴーストのふりをしながら、町に住むモンスターたちと交流をしていく。記憶喪失のジョン・ドゥは自分が何者だったのかを思い出すことができるのか？　異世界ほのぼのファンタジー。

一見クールな青年のレイトはある目的のために人を殺そうと考えていた。強力な力を持つドラゴンであるディアンに協力を仰ごうとやってきたが、彼のアホな発言のせいで嫌気をさされてしまう。さらにレイトを追ってきた魔物たちも登場。レイトはディアンたちをなんとか味方につけるが全員が個性的すぎて手を焼くばかり。逆境の中、めげずに殺人を企てるレイト、その殺人の本当の目的とは――。破滅系ファンタジーコメディ。

200年ほど前、山の麓の城で暮らしていた少年・菰野は戴冠式を控えていた。藩主の実姉の子である彼は、微妙な立場ながら従者の久居と藩主に見守られ過ごす。そして戴冠式の朝、神が住むと言われる山で、菰野は天真爛漫な妖精の少女・フリーと出会う。互いにひと目見た姿が忘れられないうち、引き合うように再会する二人。少しずつ心通わせてゆく二人の傍で、運命は静かに動き出す……。切ない異種間ラブコメ。