冷静沈着が常のエリートイケメンで「大人オブ大人」な律と、超売れっ子小説家ながら「ずぼらオブずぼら」といわれる透は、合鍵を交換して5年、付き合って8年、同棲はしていないという関係だった。愛し合っているふたりだったが、ある雨の日のいき違いから誤解が生まれ、認識のズレはどんどん深まっていってしまう。思い込みで暴走する透に、律はずるずる引きずられ――。溺愛が生み出す、すれ違い恋物語。

『Cafe Amanda』で働く雪乃は、ギャップ萌えに弱いという性癖を持っている。そんな彼女は昼休憩時に店にやってくる、可愛らしいワンコ系男子・十四郎のことが気になっていた。ある時、雪乃は暴漢に襲われたところを、ワイルドで強い狼のような男子に助けられる。その正体は十四郎であり、彼が二重人格だということを知る雪乃。しかもそうなった原因は雪乃にあるらしく――？　ギャップにときめく、甘々ラブストーリー。

向坂樹里は、夫の健と結婚して10年目だが、子供ができずにいた。ある時夫が、浮気相手に「本当にできてたら、お前と一緒になるよ」と言ったのを聞いてしまう。そして夫は家を出たまま朝になっても帰らない。樹里は家にいることに耐えられなくなり旅にでた。そして旅先で、上江田優作という24歳の青年と出会い、恋に落ちる。旅が終わる時、樹里は家を選ぶのか、新しい恋を選ぶのか――。愛に悩む女性の切ない大人の物語。

関西人の佑弥と遠距離恋愛をしていた莉久。佑弥は口が悪く暴言を飛ばしてくるが、時々彼女をキュンとさせる、優しい言葉をストレートにぶつけてくる。莉久はそんな佑弥にどっぷり沼っていた。しかし、彼女には悩みがあった、佑弥は時々、学生時代の頃につきあっていた元カノ・リマの名前を口にするのだ。1年付き合ってもそれは変わらない。今は自分が一番愛されているとわかっているのだが――。不器用な者同士の遠距離恋愛譚。

本当はその時、死んでしまうはずだった人の前に現れるという不思議な妖精。妖精は魔法の力を持ったインク瓶とペンを渡し、それによって書かれた内容はその人の未来となっていく。しかしながら、未来を書かないと時間が止まり、そしてインクが尽きると生命も終わる。魔法を授かった亡くなる運命だった人々は、どんな一瓶分の未来を描き、いかなる結末を迎えるのか――。想いが綴り出す、生命の物語。

交通事故で脳に受けたダメージが原因で相貌失認となり、人の顔を覚えることができなくなってしまったミノル。ある日、姉が有名レスラーの覆面を被って現れた。覆面姿ならミノルも人の違いが認識できるからだと言い、それからは両親も覆面をして過ごすように。そんなミノルと家族は、日常の中で起きる問題や、時に善意から起こるような複雑な事件をも、絆の力で乗り越えていく――。大人の児童文学。

活字が苦手で本を読まなかった「わたし」は、作家になった娘の影響で、読書にはまり本の面白さが分かるようになった。ある時、図書館で見つけた、古い書体で作者名がわからない『深海の羽衣』という本に惹かれ、それを読み始めた。その内容はまるで自分のことが書かれているようだ、と思わせるもので、読み進めれば読み進めるほど物語の主人公は「わたし」とシンクロしていく。そして「わたし」は運命に出会うことになる――。自分の「羽衣」を探す人間ドラマ。

雇われ船長のマイルズは、航海中、暗礁の上にクジラのような生き物を発見する。それには銛が突き立てられていたので、助けてやると海中へと帰っていった。すると数時間後、不思議な美貌の青年が現れ、助けられた恩を返しに来たといった。どうやら彼は伝説の生物らしい。さらにマイルズは、漂流していた女の子を偶然にも救い、その子が訳有りの王女であったことから、国家間の争いへと巻き込まれていって――。海洋冒険ファンタジー。

ミモレヴィーテは、たった一人の家族である母親と暮らしていた。ある時彼女は、母が子爵家の娘で勘当を受けた身であり、自分は皇家の血を継いでいると知る。そしてミモレヴィーテには、妖精王さえも魅了する聖女の力があると伝えられた。それにより、母とともに侯爵家に迎え入れられ、ミモレヴィーテは聖女として生きることになる。そして人のために尽くす日々の中で、やがて彼女は運命に背く願いを持つことになる――。切ない恋物語。

この世界の人の身体に咲く“感情の花”は時に人を蝕み、時に救う。貧しい生活をしていた“僕”の母親は花に蝕まれ、燃やされてしまった。母を失い街を出た彼は、レイという美しい少女に出会う。レイは悲しみの花を詰むことで、幸せの花が咲くようにと願っていた。仲間と共にそれを実現しようとするが、しかし彼女自身の悲しみの花が、身体を蝕んでいく――。生きることについて語られるファンタジー。

高層ビル屋上のヘリポートで、ある会社の社長が首の骨を折られ、左腕を挙手している奇妙な姿で殺されていた。捜査一課所属の“女帝”こと櫛灘一姫が捜査を進めると、そのヘリポートは犯行時に誰も入れなかった、不可能犯罪だと判明する。捜査が思う様に進まぬまま実家に帰った彼女は、15歳になった妹・姫七と5年ぶりに再会。一姫も知らなかったが、姫七は天才であり、一姫は彼女の力を借りて謎に挑んでいく――。本格密室ミステリー。

異世界の日本人・桐沢美帆と心が入れ替わっていたクラティナが、元の身体に戻ってきた。クラティナも日本で運動能力を活かして活躍していたが、どうやら美帆もかなり自由にやっていたらしい。皇宮第二騎士団の団長になっていたのはまだしも、第一騎士団の団長にストーカーとして付き纏い、その結果、人望も名声も失っていた。彼女は一から信用を取り戻そうと行動に出るのだが――!?　異世界出戻りからの逆ハーレム愛されファンタジー。

人類に残された最後の生存圏・第9地底都市で、ヴィクトルは滅びを待っていた。その都市でも緊急事態が起こり、ヴィクトルは脱出ポッドへ入り、陸地へ向かった。そして目を覚ましたところには、碧い海があり、人間を食べるという〝捕食者〟である、人魚の少女がいた。少女はアリアと名のり、ヴィクトルを家に連れてきてくれた。その出会いによって二人の運命は大きく変化し、共に旅にでることになる――。終末世界のボーイ・ミーツ・ガール。

王女付きの次女・ヴィヴィアンは、氷の騎士と異名を取るランスロットの推し活に励んでいた。ある時たまたま彼女は、推しが「妖精姫」への恋に悩んでいることを聞く。妖精姫というのが、自分が仕えるイゾルデ王女だと理解した彼女は、推しの幸せのために、その恋を全力でサポートしようと決心する。しかし、どうも彼の様子がおかしい。実は、ランスロットが本当に慕っているのは――。限界オタクの一途な推し活ラブストーリー。

橘祐輔は甲子園出場をかけて投げた県大会決勝で、逆転負けを喫した後悔から、野球を辞めようと考えていた。その矢先、通学中の電車で事故に巻き込まれ、意識不明の重体となってしまう。ある事件をきっかけに会わなくなった祐輔の幼馴染・安藤三夏もまた、同じ電車で頭を強く打ち昏睡状態だった。ところが三夏が目を覚ますと、その精神は祐輔の身体の中に入り込んでいた上、祐輔は彼女にしか見えない存在に。それから二人にとっての“最後の夏”が始まる――。入れ替わり青春SF。

押しに弱い青年・タスクは、浮世離れした掴みどころのない生活破綻者・アヤのことが好きで、彼の世話を焼きながら一緒に暮らしている。幸せな日常が続く中、突然に世界が割れ、光の向こうから丸く巨大で無機質なフォルムをしたものが現れる。アヤはそれを見て笑い、タスクを破壊するように命じた。アヤによってタスクは殺されるが、目を覚ますとタイムリープ能力を持っていた。一体何が起きたのか、世界の真実とは――。愛を証明するまでのSFブロマンス！

親の主拠点変更に伴い、山手線沿線から地方都市へ引っ越した汐緒は、穏やかな高校生活を送っていた。そんな中、彼女が16歳になった時、不思議な少年・ネオンと出会う。ネオンは汐緒と幼馴染であり、結婚する約束をしたというがピンとこない。彼は悪魔と人間の混血で、約束を果たすため人間界へと戻ってきたという。そしてネオンは汐緒の家に居候することになり、訳有りな二人のおかしな高校生活が始まった――。日常ラブファンタジー。

現在、視世陽木が所長代理を務めている〝坂本心霊相談所〟の所長・坂本朔は、5年前に「後は任せた」とだけ書かれた紙切れを残して、失踪した。視世は証拠こそないものの、その失踪が心霊がらみであることを確信していた。日本の法律では、7年間生死が明らかでない場合、死亡したことになる。期限はあと2年、視世は坂本の消息を求め、様々な心霊事件の中で彼の現在を知るための糸口を探していく――。心霊サスペンス＆ホラー。

高校2年生のアキトは、夢で聞いた女の子の声について考えていた。その声は知らないはずなのに、まるで自分の奥底に昔から存在していたかのように、彼の記憶の一部として溶け込んでいた。そして新学期、アキトのクラスに転校してきたのは、その声の持ち主である冬野未羅だった。夢と彼女に何かの関係があるのかと、アキトが未羅に触れていくうちに、彼女の秘密が明らかになる――。少年少女が経験する、選択と青春の物語。

引きこもりの高校生・雫の住む町で、魚が空を泳ぐという現象が起きていた。そんな中、彼女はマンションの屋上で、隣の部屋に引っ越してきた少女・琥珀と出会う。つまらない駄洒落ばかりいう彼女は、自分は魔法使いで、魚が空を泳ぐ現象を解決しに来たのだと言った。最初は真に受けなかった雫だが、ある時琥珀が不思議な力で魚たちを捕らえるのを見て信じざるを得なくなる。雫は琥珀と共に事件を追うことになって――。少女の友情ファンタジー。

七年前、オメガの榎下和馬は不意のヒートで、恋焦がれていたアルファの先輩・大瀬良咲夜と番ってしまった。それ以降、”榎下和馬”は死んだ者として自ら姿を消し、名を変えて暮らしている。――二人の出会いは高校時代、貧しい生活を送っていた和馬は、バイトのミスをきっかけに絶対的権力者であった咲也に目をつけられる。彼の影響で和馬はいじめに遭い、心身ともに追い込まれる。だが、咲也は当時からある想いを抱えていた――。胸を打つBL物語。

高校2年生の優斗は、慎ましい日常を送っていた。そんなある日、律という少年が転校してきた。彼はなぜか優斗に執着するように馴れ馴れしくつきまとう。律の誘いで馴染みのある神社に連れてこられると、そこは違う気配に満ちており、化け物が現れた。優斗は律から一代に一人しか抜けないという妖刀・共切童子を渡され、化け物を斬らされる。戦いに身を投じる非日常の中で、二人は徐々に暗い思惑に飲み込まれていく――。BL狂愛ファンタジー。

鋭き眼差しに囚われる――。大正の文豪を描いた、麗しき人物画！

ちょうど読み終えたところで、動物さんをひと指し。ほのぼのとした日常イラスト！