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三行から参加できる 超・妄想コンテスト 第154回「夕立」
 なにかが起きる予感をさせる「夕立」というテーマ。出会いと別れのシーンが鮮やかに、あるいは恐ろしく描かれており、作者の好みが色濃く反映されていたように思います。読後感のよいものと悪いものがはっきり分かれている印象でした。  青春系は定番から少しひねったものが目立ち、また雨や水をホラーやミステリー、少し不思議な物語に発展させたりと、今回も多種多様な作品が集まりました。  全体的に短編として上手くまとまったものが多く、過去のテーマも含め、雨というシチュエーションと短編との相性の良さを感じる回となりました。

大賞(賞金3万円+選評)

物語は観覧車の中で展開されますが、ジェットコースターのように一気に読ませられました。底が抜けているゴンドラ、20年前に行方不明になった同級生と、精神・物理の両面から恐怖が迫ってきます。テーマの使い方や、後味の悪い結末とさわやかな景色のコントラストも印象的でした。

準大賞(賞金2万円+選評)

新米教師が早朝のクラスで生き物好きの生徒・樋口と交流を深めていたある日、多数の生徒や教師の傘と靴が消失。樋口が容疑者にされてしまうのだが…….。ホワイダニットのミステリーが興味を引きます。明かされた優しくも少し不思議な真実に、心が温かくなりました。

入賞(賞金1万円+選評)

特別な関係になる前の軽口を叩きあって、素直に笑えた2人は友達で居たときが1番幸せだった。終わってしまった恋のほろ苦さと後悔が響いてきます。かつての青春の一ページが蘇ってくるような、せつなさに感情を揺さぶられる作品でした。

佳作

雨宿りで立ち寄った神社。そこで不思議な少女に声をかけられて――。夕立の社と正体不明の少女がシナジーを生み、冒頭から不気味さを演出できています。他愛ないやり取りから次第に不穏になっていく会話も、じわじわと迫るような怖さがありました。
「逆立ちに気をつけろ」。亡くなった祖父が日記に書き残していた謎の言葉。祖父と幼馴染の少女を亡くしてひとりぼっちになってしまった主人公。彼がワンダーランドへ至る展開はビジュアル的にも発想的にも面白い。心を閉じていた主人公が世界と自分の可能性に気づくストーリーが刺さります。
夕立の間、悪霊に憑かれて罪を重ねる男。その妹が兄を助けるために除霊師に依頼するが、彼と死神とは因縁があって……。冒頭でしっかり読者の興味を掴み、最後まで放しません。ハラハラしながら読み進められました。
バスケ部キャプテンの朝香と、難病で入院している美南が、夕立の間だけ入れ替わってしまう。設定としてはありきたりですが、まったく異なる人生を歩む2人の交流や、それによって起こった変化を丁寧に描けています。ラストの涙の表現が印象的で、重い読後感を残してくれました。
イタリア・ミラノを舞台に夕立の後、現れる「雨上がりの怪人」。興味深く、ロマン溢れる設定です。ヒロインも怪人も悲しい運命を背負っていて、2人が出会うことでお互いが救われる展開も素晴らしかったです。

超短編賞

「人間だけを溶かす白い雨が降る」という設定がおもしろい。そんな世界観とは反対の気楽な友人同士の会話かと思いきや、急転直下のラストにぞっとしました。何気ない会話で自然に2人の関係や結末への布石を盛り込めていたのも好印象です。

続きが読みたい賞

恩返しに来た喋るカエルと主人公のやりとりがコミカルで、最初から最後まで楽しく読めました。雨の察知や意中の相手の好感度を上げるなど見事に役に立って、主人公に助けてもらった恩返しを果たすカエル。一日だけの話で起承転結がついていますが、これからどんな風に恩返しをしてくれるのかも読んでみたいです。

トンデモ賞

該当なし

優秀作品

スケジュール
・応募期間:2021年7月14日(水) 12:00:00 ~ 2021年8月15日(日) 27: 59: 59 ・最終結果発表:2021年10月上旬頃予定
賞
大賞(賞金3万円+選評)1作品 準大賞(賞金2万円+選評)1作品 入賞(賞金1万円+選評)1作品 佳作(選評)数作品   超短編賞(選評)  続きが読みたい賞(選評)  トンデモ賞(選評) ※大賞、準大賞、入賞または佳作(以下、「受賞」という。)の作品はエブリスタの短編小説シリーズ「5分シリーズ」に収録される可能性があります。(収録を依頼する場合には、受賞者に別途、ご連絡させていただきます。) 短編小説シリーズ「5分シリーズ」 ※受賞作品はエブリスタ公式SNS等で配信・紹介等される可能性があります。  優秀作品(結果発表ページでご紹介)  ピックアップルーキー(結果発表ページでご紹介) ※大賞・準大賞・入賞作品を除く上位30作品を優秀作品として、結果発表ページでご紹介します。 ※上位30作品まであと一歩だった作品の中で応募期間終了日より3ヶ月以内に会員登録された新規作家の作品を、ピックアップルーキーとして数点、結果発表ページでご紹介させていただきます。
募集概要
新作限定!初心者大歓迎! たった100文字の妄想でも気軽に参加できちゃう短編コンテスト、第154弾です。 今回のテーマは、「夕立」です。 どこかに必ず「夕立」のシチュエーションが登場する妄想を投稿してください。
・下校時間に降り出した雨と雷。止むのを待っていると、無口で近寄りがたいクラスメイトがこっそりおへそを隠していて……。 ・「夏の決まった時間だけ、雨を降らせることができるの」。そう言って彼女が空を指さすと、青い空がみるみるうちに曇り出した。 ・夕立で濡れてしまった洗濯物を取り込んでいたら、「遅い!」と抗議の声。誰かと思ったら……え、洗濯物!?
雨を指す日本語は多く、夕立は夏の午後に降る急な雨。近年はゲリラ豪雨の方が耳にしますが、前者の方が趣を感じますよね。 そんな「夕立」にまつわるあなたの妄想をお待ちしています! 過去の妄想コンテストはこちら
応募要項
・本コンテストの応募期間内に新規投稿された作品。 ・文字数は100文字(三行程度)~8000文字 ※制限文字数未満又は制限文字数を超えた作品は選考対象外となります。 ※非公開設定している作品は、選考対象外となります。 ※連載中の作品の場合、応募期間終了時点での作品の完成度も含めて選考いたします。 ※エブリスタ内の公式コンテストや他サービス等に応募中の作品はご応募いただけません。
注意事項
選評の送付や書籍化の打診は、エブリスタに登録されたメールアドレス宛にご連絡いたします。迷惑メール防止の為にドメイン指定受信の設定をされている場合、メールが正しく届かないことがございますので、「@estar.jp」を受信できるよう設定して下さい。

次回予告

次回、妄想コンテスト第155回のテーマは「子どもの頃の友達」です。 本コンテストと平行する形で2021年7月28日(水)より開催予定です。 ※作品は次回の妄想コンテスト第155回の応募期間内に新規投稿してください。応募期間前に投稿した作品はご応募いただけませんので、ご注意ください。

コンテストの注意事項(必読)

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