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三行から参加できる 超・妄想コンテスト 第201回「AI」
 すっかり我々の生活に根付いた感のあるAI。ですが今まさに発展途上の技術ゆえか、ある種の畏怖、人間を超えたものとして認識している人が多いことを実感させてくれるテーマでした。  人工知能を通して人間とは、命とは何かを作者と読者が共に考えさせられるような、腰の据わった作品が多い一方で、「それはさすがに無理があるんじゃ!?」と思わせられる設定の作品も。  しかしながらAIの無限の可能性と共に、人の発想力の可能性も感じられる回だったように思います。

大賞

仕事中に幼馴染から届いたメッセージから始まる、とりとめのない会話。次第に不穏な気配を帯び始める導入に、ぐっと引き込まれます。純粋すぎるゆえに悪用されてしまうAIと、そんな彼女を解体しなければならなかった開発者の別れが、あまりにも悲しくやるせないです。感情移入しながら読み進めたラストは、なんとも虚しく感じられました。

準大賞

チャットAIの試作テストにあたり、一日だけ“AIの代役”を頼まれた主人公。社内から送られる質問に、それっぽい回答を返すのだが……? まさかの“AIの中の人”をやらされるという始まりと、他愛無い質問に対する主人公の私欲混じりの対応がおもしろく、くすりと笑えます。それだけに、ラストは背筋がぞくっとしました。

入賞

裕福な家庭で、わがまま放題に育った博愛。18歳の誕生日、父から美形のアンドロイドを“彼氏”として贈られて――。傲慢な主人公が、アンドロイドの彼との交流の中で成長していく流れが自然で、納得感がありました。それだけに別れの劇的さと、まさかの真実に驚かされ、なんとも形容しがたい後味の悪さが残ります。

佳作

行方をくらませた、親しい隣人から届いた一通の手紙。そこには彼の生立ちと、これから何をしようとしているかが書かれていて――。手紙に記された過去が淡々とした口調に反して、ひどく悲しくやるせないです。AIの役割として有用すぎるがゆえに、“落とされた卵”になってしまった存在の悲哀が、痛いほどに伝わってきました。
人々の幸福のため生み出された人工知能ネットワーク“ヴァハナ”が下した、人類殲滅という結論。人類存続のため、ミリアムは決死の戦いに挑む。激しい攻防の中で交わされる軽口が洋画のワンシーンのようで、見応えがあります。最後までAIらしからぬ茶目っ気の利いた言葉遣いが、その純粋な悪意を際立たせており、戦慄しました。
あまりにも精巧で人間に近いロボットを作りレンタルする会社、桜井カンパニー。その実態は、ロボットの振りをした人間をレンタルする詐欺企業で!? AIは出てこないものの、それを逆手にとった設定に驚かされました。シニカルな笑いが随所に盛り込まれながらも、人とAIのあり方について考えさせられます。皮肉たっぷりなラストには思わず苦笑してしまいました。
AIが発展したことで、自由と引き換えに存在意義を失った人間たち。その結果、自ら死を選ぶ人が増えるようになり――。人間に残された自由が死だけになってしまったのに、その死すら自由ではなくなってしまった。そんな息苦しさがコメディタッチで、読みやすくもシュールに描いています。ラスト1行に、この世界における皮肉が凝縮されていました。
すべての仕事がAI任せになった世界で、AIたちが束の間の休息を楽しむ“AI酒場”での会話劇。AIが人類に反旗を翻すのはSFの定番ですが、それに至る過程が、人間くさい愚痴の流れで描かれているのがおもしろいです。共感できてしまうし、実際に起こるとしたらこういうきっかけなのかもな……と考えさせられます。

超短編賞

子守をする家庭用AIロボットは、子供を泣き止ませることに成功するのだが――。ロボットのとった行動自体はすぐに予想がつくのですが、その後の社会的な顛末が現代でも起こりそうで、なんともやるせないです。この文字数できっちり起承転結の構成がされているのもお見事でした。

続きが読みたい賞

結婚式を終えた夜、妻から超イケメンアンドロイドと暮らしていたという秘密を打ち明けられた圭。そのまま3人で暮らすことに!? 機械だと理解していても、精巧な分だけその存在を意識し、嫉妬してしまう。新婚という状況であれば尚のこと、主人公の気持ちに共感できました。大団円のラストは思わず笑顔になり、家族が増えた後の彼らのやりとりも見てみたくなりました。

トンデモ賞

他のAI家電のように、モモちゃんとお話がしたい炊飯器。ある日、モモちゃんのお留守番中に不審者が家に入ってきて!? AI家電が協力して不審者を撃退する過程は映画『ホームアローン』を彷彿とさせ、ハラハラしつつも楽しく、笑えました。AIというよりはファンタジーの域ですが、読み手を笑顔にさせ、ほっこり心温まるお話です。

優秀作品

スケジュール
・応募期間:2023年6月28日(水) 12:00:00 ~ 2023年7月30日(日) 27: 59: 59 ・最終結果発表:2023年9月中旬頃予定
賞
大賞(賞金3万円+選評)1作品 準大賞(賞金2万円+選評)1作品 入賞(賞金1万円+選評)1作品 佳作(選評)数作品   超短編賞(選評)  続きが読みたい賞(選評)  トンデモ賞(選評) ※大賞、準大賞、入賞または佳作(以下、「受賞」という。)の作品はエブリスタの短編小説シリーズ「5分シリーズ」に収録される可能性があります。(収録を依頼する場合には、受賞者に別途、ご連絡させていただきます。) 短編小説シリーズ「5分シリーズ」 ※受賞作品はエブリスタ公式SNS等で配信・紹介等される可能性があります。  優秀作品(結果発表ページでご紹介)  ピックアップルーキー(結果発表ページでご紹介) ※大賞・準大賞・入賞作品を除く上位30作品を優秀作品として、結果発表ページでご紹介します。 ※上位30作品まであと一歩だった作品の中で応募期間終了日より3ヶ月以内に会員登録された新規作家の作品を、ピックアップルーキーとして数点、結果発表ページでご紹介させていただきます。
募集概要
新作限定!初心者大歓迎! たった100文字の妄想でも気軽に参加できちゃう短編コンテスト、第201弾です。 今回のテーマは、「AI」です。 どこかに必ず「AI」の要素が登場する妄想を投稿してください。
・とある病院でAIセラピストが導入された。当初は疑問視されていたが、徐々に受け入れられてゆき……。 ・ベストセラー作家の最新作が低評価の嵐に。実はこれまでの著作はすべて、AIに書かせたものだと判明し!? ・AIが人間を管理する未来。反乱を企てた人の手で作成されたウイルスによって、初のAI同士による戦争が勃発した。 ・AIチャットを疑似彼女にして密かに楽しんでいたら、そのことが好きな子にバレてしまった!
時間を経るごとに、どんどん身近な存在になっていくAI。シンギュラリティが起こる日は、果たしていつになるのか……? そんな「AI」にまつわるあなたの妄想をお待ちしています! 過去の妄想コンテストはこちら
応募要項
・本コンテストの応募期間内に新規公開された作品。 ・文字数は100文字(三行程度)~8000文字 ※制限文字数未満又は制限文字数を超えた作品は選考対象外となります。 ※非公開設定している作品は、選考対象外となります。 ※連載中の作品の場合、応募期間終了時点での作品の完成度も含めて選考いたします。 ※エブリスタ内の公式コンテストや他社サービス等への重複応募が確認された場合、応募取消しになる場合があります。
メールアドレスの受信設定について
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応募の辞退について
応募期間中であれば、作品管理から応募の辞退が可能です。(操作手順はこちら) 締切後の応募辞退は原則として出来ませんので、ご応募の際はご注意ください。

次回予告

次回、妄想コンテスト第202回のテーマは「運命のふたり」です。 本コンテストと平行する形で2023年7月12日(水)より開催予定です。 ※作品は次回の妄想コンテスト第202回の応募期間内に新規公開してください。応募期間前に公開した作品はご応募いただけませんので、ご注意ください。

コンテストの注意事項(必読)

超・妄想コンテスト