森本

若さを失うということ

身につまされました。 若い頃には恋愛が最重要事項というか、ヒエラルキーのてっぺんにある人であっても、年齢を重ねるにつれて守るべき存在ができたり、年ごとに重くなる社会的責任に追われたりして、心から思う
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森本

優しい狙撃手

感想をお伝えするのが大変遅くなり申し訳ありません。 今回の作品も、自分の人生を精一杯生きている人たちがたくさん出てきて心が安らぎました。自分自身を愛せない人は他人を愛せない。そう断言したくなるほど千
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森本

夢見がちな男VS世慣れした桜

作者さま初のコメディと聞いて、わくわくしながら読みにうかがいました。 地に足の着いていない男と、妙に世慣れした桜の木との攻防がテンポよく描かれています。 中盤のやり取りで爆笑し、ラストに驚愕する。
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森本

これぞ青春ですね

あらすじがミスリードになっていますね。私は心地よく引っかかりました。読書の楽しみをありがとうございます(^ー^)。 登場人物の誰もが気持ちの良い子で、拝読していてホッとします。五分神のいい加減さも妙
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森本

愛しあうという幸せ

実里は潔いほど愛情のない家庭に育ち、聡介は一見愛情に似た所有欲の犠牲になりながら成人しました。 競いあったり値踏みしたり奪ったりできるものを総じて愛とは呼べません。 実里も聡介も愛を知らないから、
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森本

戦後にこんな国策があったなんて

お恥ずかしながら、終戦直後にこのような国策があったとは知りませんでした。怒りと口惜しさで手が震えます。いったい女性を何だと思っているのでしょうね……。 わたしの言いたいことを幸子がことごとく代弁して
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森本

闇に差し込む一筋の光

まずタイトルと本文が見事に響きあっています。学生時代に恋人をトカゲの尻尾切りした藤原が、時を経て今度は自分が会社からトカゲの尻尾切りをされる。心憎いばかりの構成ですね。 藤原は器の小さい愛のない男で
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森本

観察眼とは何か

山下修司は、限りなくブラックに近いグレーな会社で働くサラリーマン。しかし修司の本当の仕事は決して表沙汰にできないものだった。 冒頭を読んで、結末を予測できる人はいないのではないか……と思うほど精密に
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森本

女神ではなく悪魔が現れた

十年もの間、モニカは内戦の終結を女神に祈りました。しかし、願いを叶えるべくして現れたのは、罰ゲームのようにふざけた格好をした悪魔でした。 悪魔アマクサ・シローラモとその部下チャッキー・ノリスたちが、
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森本

オバケが見えるということ

若菜を抱きしめて、「あなたはおかしくないし、間違ってもいない。ただ他の人よりほんの少し敏感なだけです」と言いたい気持ちになりました。 「あーちゃんがあなたに向けた感情は、やきもちというのですよ」とも
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森本

それぞれの幸せ

ロミナとライム、そしてバロンの三人家族が揃うのは夕食時だけーー実は三人には、それぞれに事情があった……。 胸が痛くなるほどささやかで愛おしい掌編です。ライムとバロンは夫婦ではなく、したがって二人とロ
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森本

尊厳

いつ『とける』が開発され服用を勧められても不思議ではないーー作者さまは私たちが生きている時代を活写されました。 同時に、いつの世も変わらない生の尊さと死の厳かさがひしひしと伝わってきます。 振り絞
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森本

どんでん返しにびっくり

事故により十年もの間昏睡状態だったのに、筋力・身体能力ともに少しも衰えていなかった主人公。 その秘密は異世界での過酷なサバイバルにあったーー。 いきなりぶっとんだ設定でリアルなサバイバルライフが
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この作品は非公開になりました

森本

家というガラスの密室

主人公の直美が、母の悪意に気がついて、少しずつ腹黒い「女」に変容してゆく様子が丁寧かつ克明に描かれています。その筆さばきはどこまでも流麗なので読んでいてゾッとしました。 ことにクライマックスで、直美
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森本

上品なフェチズム

女の足に執着する主人公を谷崎ばりの流れるような文章でしたためておられます。猥雑なところがないせいか、神聖なものを感じてしまいました……。 エロスに負けた気がします……。 物語のラストに大きな爆弾
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森本

母を亡くした子と、子を亡くした母と

ささいな面倒臭さから母を死なせてしまった隆一と、教育熱心だったがゆえに息子を死なせてしまった裕美ーーかけがえのない大切な者を亡くした二人が、もし出会ったら……。 昨今の世情からして、いつ自分が当事
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この作品は非公開になりました

森本

青い鳥

漆黒のノワールにして、人間を真っ正面から描いた作品だと思いました。どんでん返しが複数回あるのでミステリーが好きな読み手にも愛されるでしょう。 とくに、語り手を務めていた人物に関する叙述トリックには
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森本

三方良し

まさかこういう展開が来るとは思っていませんでした。作者さまの懐の深さというか、引き出しの多さに驚き、あぜんとするばかりです。 しかしよく考えたら、環境を変えてから主人公の健一の周りは「三方良し」なん
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森本

マスク警察(バット付き)

暑さとウィルスのせいと、甲子園という心のよりどころを失ったがために、行くところまで行ってしまった少年の話です。 思考のねじれと「我こそは正義」という態度で即物的に悪事を重ねるため、読み手は、「実はこ
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森本

猫の居候

心の中でツッコミながら楽しく読みました。ガンダムやドラえもん、ターミネーターのパロディですが、元ネタをここまで軽妙に調理できる作者さまの腕前に敬服してしまいます。 オススメは、全長2メートルの猫型
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森本

いつかは必ず通る道

子どものたあいない疑問から、語り手を変えて浮き彫りになる「認知症の家族」の問題。 身につまされました。いつ自分の身に起こっても不思議ではありません。 名前を忘れられてしまう。別の誰かと存在をす
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森本

何の肉かと勘繰り、ヒヤリとしました

作者さまには珍しい中華風物語、しかも良くできた叙述ミステリーです。 食欲の失くなった父王のために、王女が機知を用いてある肉を料理させるが、果たしてそれは何の肉なのかーー。 父王と王女の親子愛、善政
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森本

幸せの記憶

亡くなったパパと一緒に食べる「ママの卵焼き」、剛にとって最高の誕生日プレゼントですね。 『銀河鉄道の夜』『貝の火』と宮沢賢治作品が出てくるのも楽しく美しいところです。 命は失くなっても魂と愛は
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森本

優しさの連なり

主人公と男の子のさりげない優しさが、作中の雨とともに胸に染み込みます。 行きずりの他人に何の見返りもなく傘を貸す。そんな小さな心遣いさえ、わたしたちの大半は持ち合わせていないのではないでしょうか。
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森本

手のひらの幸せ

主人公も川島さんも、自分の身の丈や世間との折り合い、手に入る幸せの量を知っている年齢です。 そんな二人の純愛だからこそ切なく寂しく、やりきれない思いを感じました。 そこそこ幸せだけれど満たされな
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森本

最期の場所は自分で決められる

この掌編は水晶みたいな純文学ですが、ラストに仕掛けが施してあるので、ネタバレはなしでいきます。 道に迷って途方に暮れていた和子を人里まで送り届けてくれたのは、数百年生きているといい化け猫ミーコでし
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森本

目には目を、歯には歯を

ラストのどんでん返しに驚いてほしいので、ネタバレはしません。 冴えない40男である主人公は、娘を惨殺された復讐のために奇行を繰り返します。少年法が壁になり刑罰を免れた犯人を罰するためであり、なお
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森本

何だかんだで幸せなチャッキー

犯罪者として電気椅子で処刑されたのち、人形に転生してしまったチャッキーの物語です。 格闘技に通じている人はもちろん、そうでない人にも十分楽しめるように語られているので、読み手はチャッキーと共にハラハ
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森本

奇妙な味わい

奇妙な味のどんでん返しを味わっていただきたいのでネタバレはしません。           修一の人生が誰かに監視されていること、「特異点」という言葉が出てくることから、「板倉さん、SFに進出か」という
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森本

秘技・同時食/プリンは飲み物

★どんでん返しに驚いてほしいので、ネタばれはしません★ 一方的に「奴」に給食の早食いを競う中学生の剛志。 勝つための努力が涙ぐましいです。休み時間にプロ顔負けの運動(本格的な運動メニューまで組んじ
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