9ヶ月間の留学を終えた大学4年生の「わたし」は、帰国中の機内で女子高生だったときのことを振り返っていく。そこには「高見くん」らと過ごした日々と今も抱えているいくつかの後悔があった。一方で社会人生活6年目、様々なことがうまくいかない「おれ」は小説家を必死に目指していた高校の頃を思い出していく。また別の「俺」はコロナ禍の成人式で、「あの子」の姿を探していた……。様々な若者の、今と過去が語られる青春ドラマ。

高校3年生の澤田は、父から突然「実はお前には許嫁がいる」と聞かされる。その事実に戸惑っている中、澤田は図書委員長の役割として、仕事をサボっている樹里という皆に距離を置かれている生徒に注意しなければいけなくなった。澤田が樹里に注意をすると樹里は「嫌がらせ」の告白をし二人は付き合うことに。二人の距離は次第に縮まっていくが、本当に許嫁がやってきて――。澤田の最後の選択は？トライアングルラブコメディー。

27歳のOL・芦田ゆりかは、5年通っているカフェで彼氏がほしい、とぼやいているところを部長の大江に見られてしまう。大江に「清楚なイメージの芦田さんがそんなことを言うなんて会社のみんなの前で話そうかな」と脅され、それを言わない条件として「何度か俺の彼女役をやること」と要求してきた。渋々その提案に乗って、数回で終わると彼女役をやっていると、ゆりかの心に変化が起こり始めた――。嘘から始まる純愛物語。

リュウは雨の中深夜の路地裏で、儚さを湛えた女性を見つける。彼女は彼に「あなたが新しいご主人様？」と尋ねてきた。それを放っておくことができず、とりあえず保護することに決めた。次の日、改めて尋ねると、名前もなく、これまでの経歴も話さず、世間についてあまりにも無知だった。リュウは彼女にとりあえずタマという名前をつけ、奇妙な同居生活を始めた。その先にあったのは――。気まぐれが起こした、切ない愛の物語。

チート系ラノベを読みながら、卑屈になって過ごしている高校生・俊輔がある時、異世界に転生した。そこにはユリウスという武官を務める美女達が待っており、自分はイケメンの高身長マッチョになっていた。展開の流れから、転生して凄まじく強くなったと思い込んでいたら、ユリウスに土まみれにされ、全然強くなっていないと気付かされる。それでも彼は異世界転生した意味を探していく――。少年の成長と冒険が語られる、異世界ロマン。

竜騎士発祥の地であるフェリス王国で、セリスティアは竜騎士を夢見て育っていた。彼女は、意地悪な継母にいじめられながらもまっすぐ育ち、黒い飛竜・カイエルに認められ、女性として初めての竜騎士となった。しかしある時、飛竜のカイエルが人の姿になった！カイエルには封印が施されており、それを解くために彼女はカイエルの番（つがい）となるのを求められる……。異種族恋愛ファンタジー。

『三国志』の英雄、関羽の誕生譚から、彼が義弟・張飛と共に、漢の王族に連なる武将・劉備の義兄弟となり、武将として華々しい活躍を行う姿が語られていく。最強の武将・呂布の元にいた傾国の美女・貂蝉は、主が曹操・劉備連合軍に討たれ行き場をなくしていたところ、劉備らの元に身を寄せることになる。関羽は彼女が、劉備三兄弟の絆を壊す人成らざるなにかであると怪しむのだった――。三国志世界を舞台にして描かれる、伝奇浪漫。

巨大な隕石が地球に落ちると確定した世界で、それでも人々は日々を生きていく。平凡な結婚をし、世界の終わりを前にして、子供を授かろうとしている夫婦、世界の終わりまで笑っていようとする少女たち、動物たちさえ自分の生きた証を求めていた。それでも隕石は落下し、全てが滅ぶ――。世界の終わりが決まった時、人々は何を考えてどう過ごし、如何なる選択をするのか？終末を生きる様々な命の在り方、生き様を描いた短編集。

寛太と交際していた希美が前触れなく病に倒れた。彼女が入院して何ヶ月か経った時、その命が長くないと聞かされる。クリスマスを前にしたある日、寛太は希美に優しい嘘をついた。だがそれが悲しい結末を招いてしまう。その時の嘘を強く後悔する寛太の前に「WB LIE」という事務所が現れ、所員に「ウソをなかったことにできる」と言われる。それを信じた寛太は過ちを正すため過去に向かう――。ウソを巡る人間ドラマ。

ゲームマニアの慎哉が戦国シュミレーションをプレイしていると織田信長が現れる。それは慎哉がデータ改造で作り出したチート能力を持った信長の怨霊であり、人に憑依することができた。信長は何度も裏切られた経験から、なぜ人は裏切るのか、人の本質を見極めたいと言って慎哉の体に憑依する。すると彼は超人的な力を発揮できるようになり、更に信長の意志に振り回され、大学生活に波乱が起き始める――。オカルト歴史ヒューマンドラマ。

北原懺は刑期を終え、生身の人間と『機人』と呼ばれる精巧な機械人間が半々で共存する街に帰ってきた。懺は少女に絡んでいた機人を打ちのめしたことで、マシンファイトという、人間と機人が戦う競技のファイターとしてスカウトされる。懺には妹がおり、二人は懺がかつて犯したある罪を隠していた。その明かせない秘密を隠すために、そして金を稼いで妹を幸せにするために、懺は戦いの運命に身を投じていく――。SF格闘バトル。

昭和43年、横浜野毛にある「都橋興信所」の所長・徳田の元に、行方不明の長男を探して欲しいと言う依頼があり、彼は早速捜査を始める。一方、伊勢佐木中央署の刑事・中西と布川はスリ集団を抑えるために捜査をしていた。追われているスリ集団は、仲間の一人が殺されたことでそれについて調べ始めていた――。様々な人々がそれぞれの思惑で動く中、一つの大きな事件が見え始める……。昭和の息吹の中で語られる社会派ミステリー。

カナはラノベの『チェリゴの占星医術師』略して『チェリ占』が大好きな高校2年生。彼女がある日、バスで目を覚ますと、見たことのない場所にいた。空を見ると、そこは地球ですらない異世界であることがわかった。もちろんスマホの電波も通じず何もできない中で、荷物に残されたシャーペンで『チェリ占』の主人公・ペトルスを描くと、彼がその世界にやってきた！？二人は見知らぬ世界から帰還するために旅を始める――。異世界恋愛冒険物語。

気弱な歩武は、名前が男みたいだとからかわれる事が多く、これから始まる中学生活を憂鬱に感じていた。しかし新しい環境で、誰も彼女の名前をからかってこなかった。それは双子の妹のミコが何かをしたかららしい。その頃から歩武に「オレはお前が見捨てた捨て猫だ」という美少年や、半透明の鳥のようなものなど、他の人に見えないものが見え始める。ミコは一体何をしたのか、そもそも彼女は本当に妹なのか？姉妹を巡る不思議な物語。

前座修業も終わりにさしかかった、落語家の卵・三楽亭みや吉。彼は初高座の日に頭を打ってから「寄席の妖精」と自称する、座敷わらしのような見た目の「みゃーこ」が見えるようになった。昭和の名人「今々亭桃輔」に憧れるあまり、師匠の真似という壁を超えられず、同期へのコンプレックスに悩まされる毎日の中、彼はみゃーこに、時に邪魔され時に励まされながら、夢を求めて今日も高座にのぼる――。お仕事歴史ヒューマンドラマ。

盲目の友哉と半妖のあきらは、幼い頃から怪異を見ることができた。それが故に彼らが『あれ』という怪異に襲われ続けていた。自分たちにしか分からない、非日常がもたらす恐怖と命の危機と戦うため、共に身を寄せ合って、生き抜いてきたのだった。そして18歳になった二人は、車に乗って各地を転々としながら、怪事件を解決する便利屋として生活をしている――。過酷な運命と戦う二人の青春を描く、ブロマンス現代ホラー。

国王・ロシュフォールは成人していたが、とある理由で見た目が10歳前後のままだった。彼の愛妾として入城して来たレティシアは、国王の前で不貞を訴えられるも、彼女は自分が男だと明かす。その時ロシュフォールの叔父ギイが乗り込み、反逆の意志を顕にした。皆が王を見捨てるようにして保身に走る中、レティシアは身を挺してロシュフォールを守る。それを見たロシュフォールは覚醒するのだった――。獣人世界の主従BLファンタジー。

建築士として働いている高橋は、担当している現場に中学まで一緒だった安田がいることに気づいた。高橋は学生時代の気持ちを思い出し安田を飲みに誘うと、酒は飲まないし予算はないが一緒にご飯を食べないか、と部屋に招待をしてくれた。安田の部屋は心地よい空間で料理は美味しく、楽しい時間を過ごすことができ、それ以後、彼は高橋のよき支えとなってくれるようになる。そして様々な出来事と共に、年月が過ぎていく――。再会から始まる建築現場日常ボーイズラブ。

夜目でこちらを見つめる舌出し青年。ドキッとするイラスト。

優しい目で蛍を迎える少年。夏の夜と美少年を描いた美麗イラスト。