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真夜中のラジオ文芸部×執筆応援キャンペーン 「痛い/切ない青春」

大賞

リズムよく繰り出される文章が小気味よい作品です。仕事にサヨナラした主人公と、ロックンロールな女子高生が出会う夜。音楽を通して一瞬でわかりあえる男女。物語の進行ペースにもビートが効いています。カッコよさとドジっぽさがミックスされて、人間の魅力になると実感できました。2人がどちらもお互いに影響を与え合う理想的な関係に描けています。ワイルドで、エネルギッシュで、フリーダムな青春を見せてくれました。

準大賞

ヒロインを取り巻く日常の息苦しさの表現が巧みです。精神が不安定なうえ、娘に過干渉する母親。逃げ場のない状態は、酸欠状態のボラのたとえがピッタリです。ところが、気になる優等生も、家庭の事情を抱えていました。彼と過ごす時間が、心地よく呼吸できる居場所になっていく。2人の距離感の縮め方が自然で、爽やかで、微笑ましい。徐々に強めのエピソードに移行していく構成も見事でした。

入賞

ポップな文体で非常に読みやすい作品です。多幸感に溢れた夏の海岸で、ヒロインは別れ話を胸に秘めている。そこから10歳年上の男性と交際に至るまでの回想シーンに入る。情報公開の手際がいいです。この後も、キャラの属性や関係性を、場面に合った適切な分量だけ提示していく。読者はストレスなく読み進められます。これほどピュアでラブリーな2人を待ち受ける運命について、今後の展開に目が離せません。
ヒロインはシスコン気味の女子高生。旅に出た姉の存在が、彼女の中で大きな位置を占めています。ところが、姉とのやりとりにはつねに緊張感と、不穏な空気が漂う。喪失感を埋めるツールがありすぎるデジタル社会への警鐘も感じます。中盤で真相が明かされ、前半で描かれた風景が別の意味をもつとわかる。ストーリーがくっきりと輪郭を浮かび上がらせた時、各人の止まっていた時間が動き出す。秀逸な作品でした。
「浅桐くんにフラれると、彼氏ができる」理論が、絶妙のアイデアです。連続して告白されても、相手の本命は別にいる以上、ハーレム状態ではない。不本意なキューピッドを演じさせられるせつなさが漂います。理論の提唱者である女子との因縁が軸になるので、ストーリーも一貫性があります。自分が好きな相手からの告白さえ、ガチなのか疑心暗鬼になるのもリアリティがある。ペーソスのある笑いで、現代落語を思わせる1作でした。
「白い肌に針で痕を残したい」。従弟から禁断の欲望を示されるヒロイン。異常な要求に対しても、複雑な心理を抱く理由が克明に描写されています。異端者ゆえに、理解者を見つけるとこのうえなく嬉しい。整った文章でキャラクターの内面が共感しやすく伝わってきます。終盤、読者の予想を裏切るヒロインの覚悟が潔く、鮮やかです。自分の心をとらえている“針”から自らを解放するメッセージは胸に響きました。
タイトル通りに冒頭から容赦のない展開です。意中の女子が傷つくように、遊び人の男子との仲を取りもつ主人公。最初に彼に送るメールの文面まで指南します。案の定、彼女がフラレると、すすんで慰める。歪んでいるけれど、純粋ともとれる恋愛心理です。登場人物の性格を説明するのではなく、台詞や行動で伝えるのが上手い。愛にはエゴの一面があることを教えてくれる前半部分でした。

佳作

胸を締めつけられる想いを振り返る主人公。中3の少年と少女の純真が交錯したかけがえのない時間を描いています。木の上で夕日を眺めながら秘密の話をするのは、ノスタルジックで素敵な場面です。的確な表現で組まれた文章なので、読者は頭に情景を浮かべやすい。背伸びしながらも、あどけなさの残るメンタルのままに思われた主人公が、ようやく前を向くのは感動的です。エモーションが揺さぶられる作品でした。
見事に本家を換骨奪胎した作品です。萩原よしのは、高校時代の恋人である露木と再会します。職場での彼女を不審な目で見る課長は、穢れを祓う能力者。時系列に沿ってストーリーが滑らかに流れていくため、キャラの心情とシンクロしながら読み進められます。もちろん、怪談版を知る者なら、よしのが露木と逢瀬を重ねるごとに、不吉さを察するでしょう。ホラーテイストに悲恋や仕事への取り組み方など複数の要素が詰まっていました。
「ぽわりとあたたかく」「ぎゅって横隔膜が~」など独特の表現が散りばめられています。だから、コンビニの店内や授業中の教室の描写が、ありきたりではない風景に見える。ストーリーの語り口も達者です。中盤でヒロインに絡む青年は猟奇殺人犯なのか。どちらともとれる演出が上手いので、とてもハラハラしました。また前半と後半で物語のテイストがガラッと変わるのも驚きがあります。ホラーと青春が巧みにミックスされていました。
キャラ、ストーリーともに青春真っ盛りの1本です。ヒロインの成長にともなう“せつない苦み”を感じられました。野球を続けられず、目標を見失いかけていた彼女は、ライバルに負けたくないと未経験ながら陸上部を選びます。挑戦、敗北、落胆、覚醒、復活とスポーツ物の王道を押さえつつ、恋愛要素も絡めている。走り幅跳びを選手と競技のどちらも美しく描いています。奇をてらわない文章を丁寧に編んでいるから読みやすかったです。
「痛い」とは何かを多角的に考えさせられる作品です。肉体的には痛みを感じない由香里。病気を知られないために「痛い」という演技をする必要がある。そんな彼女を取り巻く中二病の男子と、超能力おじさん。面白さの化学反応が起きるのは必至のキャラ配置です。まったく先が読めないストーリー展開はページをめくらせる力があります。ただ最後のエピローグはないままで終わってもいいかなとも思いました。
抜群のストーリーテリングがある作品です。「なんとなく、バカそうだな」がヒロインに対する主人公の第一印象。隣の席同士になっても、辛辣な視線を浴びせ続けます。イジりに、強気で返す彼女とのやりとりで温まったかと思いきや、すぐに冷却。2人の関係が磁石のように近づきすぎると、反発して離れる。繊細で、矛盾する男女の心理を見事に表現しています。デレずに、どこまで「ツン」が続くのかハラハラさせられっ放しでした。
転校してきた美少女を口説けるかの賭けが、早々に本人にバレる幕開けは愉快です。逆に勝負を申し込まれる主人公。狙っていた有効な手を全部、相手に使われるなど、バトル面から見ても興味深い。近づけたと思えば離れていく。恋愛のせつなさが伝わってきます。それでも、全編を通して明るいノリとテンポを維持できているのは素晴らしい。チャラい男子だった主人公を、中盤からは読み手が応援したくなる秀逸な作品でした。
幕開けの場面の密度が濃くて圧巻です。屋上で義兄である教師が、義妹のヒロインに告白するという胸躍る設定。美しい情景。ムダのない会話。そして引き起こされるタイトル通りの出来事……。同様の対話シーンは、本編で何度もくり返されますが、見せ方を工夫しているため、官能的にさえ感じたほどです。巧みな文章力により、ヒロイン同様、読者も耽美な世界に誘われる。雰囲気だけでなく、ストーリーにも芯が通っていました。
死体を再利用する架空の日本。生前の人格はそのままだが、主人にほぼ絶対服従。自分の死後、誰のゾンビになるかまで決める社会。いわゆる怖いゾンビの要素を排しています。親友の彼女が、自分の妹の専属ゾンビになって驚く主人公。人間関係を表すエピソードのまとめ方が上手い。カオス状態の同居生活に、血生臭い回想シーンが挿入され、物語を加速していきます。ゾンビ作品が溢れる中、オリジナル設定で勝負を挑んだ意欲作です。
精神科のデイケアサービスが舞台ですが、施設やシステムなど緻密な描写です。主人公は油絵のアドバイスをする大学生。気になる患者の穂積が自分の名前を呼んで驚く場面は、最初の交流場面として完ぺきです。“見られる側”の患者の内面も克明に書きこまれていました。お互いを意識し始める2人。本来、距離を置かなければならない禁断の関係を自然に接近させています。さらに続きを読みたくなる作品でした。
10歳年上から告白される中1少女。衝撃的な出だしだが、本編は古きよき大家族ドラマのテイストで楽しい作品です。まず悪人キャラがいません。基本的に善男善女の繰り広げるてんやわんや。相手を思うがあまりの行き過ぎた言動。それは傍から見れば“痛さ”にも通じます。とはいえ、ユーモラスな味わい深さもある。冒頭の告白騒動もキレイに着地して、読了後、心が温まる1本でした。
音楽の道を諦め、大学進学に軌道修正する主人公の原動力は愛です。勉強、受験、浪人、バイトという日常を丹念に描く。だから、楽しい時間が一瞬で崩壊するショックも読者がリアルに体感できます。そして「れなこ」と出会い、彼女に惹かれる彼への共感値も高くなる。れなこのパートからは台詞が多用され、前半とテイストを変えるのもグッドな演出です。周囲が何を言おうと、自分に正直に生きる青春の清々しさを感じました。
女性の多面性にどこまで真摯に向き合えるか。そんなテーマを感じる作品でした。主人公は仕事や同棲生活に身が入らず、アンニュイな毎日を送っている。乾いた日常の中で、彼はピンサロ嬢との時間にのみ生の実感を得ます。でも、生きがいを見つけた彼が、客観的には空回りにも見えるのが今作の妙です。乾いたタッチが潤いのない生活の描写にマッチしていました。彼を待つのは幸せか、破局なのか。続きが楽しみです。
募集概要
良い作品を執筆したい!というあなたの気持ちをエブリスタが応援します! 「真夜中のラジオ文芸部×執筆応援キャンペーン」!! 【コンテストの特徴】 執筆意欲を応援するために、3つの特典をご用意しました! ・優秀15作品以上に、作品へのアドバイス ・大賞作品は、「真夜中のラジオ文芸部」にて一部朗読 ・準大賞作品以上は完結後に、「完結作品特集」へ掲載 あなたの小説を、有名声優に朗読してもらえる大チャンスです! 【こんな方にオススメ!】 書きかけの作品、眠っていませんか?  書きかけの作品も積極的に応援します!  眠っている作品、構想段階の作品でも、どしどしご応募ください! 昔書いた作品、アイディアはいいと思うんだけどなあ……  このコンテストに応募すれば、さらに良い作品にできるかも!?  ぜひ昔の作品にもう一度光を当ててみてください! どんな風に続きを書くか迷ったときは、こちらの記事を参考にしてみてください。 書きたい気持ちに火がつくメディア monokaki(創作ハウツー)
募集テーマ
第13回目のテーマは「痛い/切ない青春」です。
・写真部には、毎日顔を出す“幽霊部員”がいる。その姿が見えるのは、私一人だけれど。 ・好きな子が、クラスでいじめられている。けど臆病な僕には、助けるなんて出来ない…… ・「前世で恋人だった」と告白されて断った相手が、ストーカーにクラスチェンジした! ・急に口をきいてくれなくなった親友。卒業から数年後に語られたその理由は……
など、「痛い/切ない青春」のいずれかが出てくる小説を募集します。 次から次へとページをめくってしまうような、続きが気になるお話をお待ちしております!
スケジュール
・募集期間: 2019年8月19日(月)12:00:00 ~ 2019年10月20日(日)27: 59: 59 ・最終結果発表: 2019年12月下旬予定
賞
大賞 1作品 ・賞金3万円 ・作品へのアドバイス ・「真夜中のラジオ文芸部」にて、作品の一部朗読※1 ・「真夜中のラジオ文芸部」パーソナリティ3名のサイン色紙プレゼント ・完結後に特集掲載※2 準大賞 1作品 ・賞金2万円 ・作品へのアドバイス ・完結後に特集掲載※2 入賞 5作品 ・賞金1万円 ・作品へのアドバイス 佳作 10作品以上 ・作品へのアドバイス ※1 朗読対象部分の選定、及び編集は、エブリスタ編集部にて行います。 ※2 特集掲載は、受賞から半年以内に完結した作品を対象とさせていただきます(投稿時に完結している作品も含まれます)。完結後、受賞連絡時にお伝えする宛先へご連絡ください。ご連絡を頂けなかった場合は、特集掲載できない場合がございます。 ※大賞、準大賞、入賞または佳作(以下、「受賞」という。)の作品はエブリスタ公式SNS等で配信、紹介等される可能性があります。
応募要項
・文字数は20,000文字以上 ・20,000文字まで読んで選考、作品へのアドバイスをいたします。 ・連載中の作品も応募OK! ・すでに完結している作品 並びに エブリスタ内の公式コンテスト及び他サービス等の投稿コンテストで落選した作品を、募集内容に沿うように再構成してご応募いただくことも可能です。 ※非公開設定している作品は、選考対象外となります。
真夜中のラジオ文芸部とは?

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