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三行から参加できる 超・妄想コンテスト 第127回「やまない雨」
世界観に雰囲気がある作品が多く集まった回でした。リリカルだったり退廃的だったりと雰囲気の切り口はさまざま。また、「雨がやまずに水没した世界」を題材にした作品がいくつかあったのも印象的でした。中でも、雰囲気を出しながらもストーリーやテーマ性をバチッと打ち出した作品が強烈な印象を残しました。

大賞(賞金3万円+選評)

廃墟の遊園地に座る、字を書ける機械人形のもとに技師がやってきて……。時の流れの無常さと終末観を漂わせつつ、それだけでは終わりません。コミュニケーションが不可能なはずの青年と人形が、ただ共感するわけではなく、互いを認め合い幸福を与える関係のあり方。その自立したあり方が非常に素敵で、背筋が伸びる思いをさせられました。

準大賞(賞金2万円+選評)

鬼と呼ばれた男が山奥で暮らしている。その男のもとにやってきた一人の女。二人の会話が心地よく、さらりとしながら心の奥では繋がっているような頼もしさを感じさせます。クライマックスのひとひねりも効いています。二人の幸せを願わずにはいられません。

入賞(賞金1万円+選評)

火星の「僕」と地球の「彼女」の遠距離恋愛。あまりにも優しくて悲しいストーリーに感情を揺さぶられます。降り続ける雨のようにひたひたと押し寄せるような筆致が読者の胸をいっぱいにしていきます。最後の一行がずしりと重く、読後、脳内に反響するようです。

佳作

喫茶店で、目に涙を溜めた見知らぬ女性が傘を差しだしてきて……。ドラマティックで、おしゃれでちょっぴりビターなラブストーリーです。二人が出会って幸せになる王道展開とはまた異なる良さがありました。
失恋の悲しさと切なさを巧みにつづった印象的な作品です。「ダメ。泣いたら、パンダ。」切なくも前に進むための呪文に心がキュッとなりました。とても悲しい失恋でありながら、すがりつくような失恋はしないという彼女の矜持が伝わってきて応援したくなりました。
重厚でハードボイルドなワンシーンのドラマ性に引き込まれます。やまない雨とある男の復讐、その顛末。徐々に明かされていく真相にドキドキさせられ、ページをめくるのがとても楽しかったです。
閉ざされた村で因習の中に生きる主人公。湿った空気感とインモラルな展開に引き込まれました。遠い思い出として終わるのかと思いきや、最後の1ページで……という構成もお見事。
ベタベタ、それは雨の湿気であり、そして展開であり……。会話が可愛く、ベタなラブストーリー展開に自分たちから突っ込んでいく気恥ずかしさにキュンキュンさせられました。

超短編賞

とてもおしゃれな542文字のワンシーン。優しくも愛しいひとときがぎゅっとドラマティックに詰まっていて、短編ストーリーのCM映像にもなりそうです。

続きが読みたい賞

くすぐったいような、ガールズラブ未満の青春ストーリーです。赤いブラジャーの描写に不思議ななまめかしさと瑞々しさがありました。やまない雨のように綴られる描写、心情、いずれも巧みでとても引き込まれます。この作者の筆力で、こういった少女の風景を連作短編でいろいろ読んでみたい気持ちにさせられたため、この賞を差し上げたいと思います。

トンデモ賞

「風が吹けば桶屋が儲かる」をファンタジー版にするとどうなるか、という実験作。それに留まらずもう一工夫もあり、楽しめました。短いですがよく練られていて、「どんな展開になるんだろう?」というワクワクがありました。

優秀作品

SF 完結
13分 (7,342文字)
スケジュール
・募集期間: 2020年5月27日(水) 12:00:00 ~ 2020年6月28日(日) 27: 59: 59 ・最終結果発表:2020年8月中旬頃予定
賞
大賞(賞金3万円+選評)1作品 準大賞(賞金2万円+選評)1作品 入賞(賞金1万円+選評)1作品 佳作(選評)数作品   超短編賞(選評)  続きが読みたい賞(選評)  トンデモ賞(選評) ※大賞、準大賞、入賞または佳作(以下、「受賞」という。)の作品はエブリスタの短編小説シリーズ「5分シリーズ」に収録される可能性があります。(収録を依頼する場合には、受賞者に別途、ご連絡させていただきます。) 短編小説シリーズ「5分シリーズ」 ※受賞作品はエブリスタ公式SNS等で配信・紹介等される可能性があります。  優秀作品(結果発表ページでご紹介)  ピックアップルーキー(結果発表ページでご紹介) ※大賞・準大賞・入賞作品を除く上位30作品を優秀作品として、結果発表ページでご紹介します。 ※上位30作品まであと一歩だった作品の中で募集期間終了日より3ヶ月以内に会員登録された新規作家の作品を、ピックアップルーキーとして数点、結果発表ページでご紹介させていただきます。
募集概要
新作限定!初心者大歓迎! たった100文字の妄想でも気軽に参加できちゃう短編コンテスト、第127弾です。 今回のテーマは、「やまない雨」です。 どこかに必ず「やまない雨」のシチュエーションが登場する妄想を投稿してください。
・急な雨に雨宿りしたら、交流のないクラスメイトの先客。なかなかやまないから、会話を振ってみることにした。 ・連日の雨に子どもが作ったてるてる坊主が、夜中にベランダで怪しい儀式をしていて!? ・雨の日にだけ現れる妖怪に恋をした男。ずっと雨がやまないようにと願掛けをすると……?
雨が降り続くと憂鬱な気分になりがちですが、雨だからこその出会いやきっかけもきっとあるはず。 そんな「やまない雨」にまつわるあなたの妄想をお待ちしています! 過去の妄想コンテストはこちら
応募要項
・本コンテストの募集期間内に新規投稿された作品。 ・文字数は100文字(三行程度)~8000文字 ※制限文字数未満又は制限文字数を超えた作品は選考対象外となります。 ※非公開設定している作品は、選考対象外となります。 ※連載中の作品の場合、募集期間終了時点での作品の完成度も含めて選考いたします。
注意事項
選評の送付や書籍化の打診は、エブリスタに登録されたメールアドレス宛にご連絡いたします。迷惑メール防止の為にドメイン指定受信の設定をされている場合、メールが正しく届かないことがございますので、「@estar.jp」を受信できるよう設定して下さい。

次回予告

次回、妄想コンテスト第128回のテーマは「お父さん」です。 本コンテストと平行する形で2020年6月10日(水)より開催予定です。 ※作品は次回の妄想コンテスト第128回の募集期間内に新規投稿してください。募集期間前に投稿した作品はご応募いただけませんので、ご注意ください。

コンテストの注意事項(必読)

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