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三行から参加できる 超・妄想コンテスト 第157回「怒る」
 テーマである「怒る」をはじめ、喜怒哀楽という人間の感情に焦点を当てた作品が多く寄せられた回でした。怒りをネガティブな感情として受け止める作品もあれば、大きな原動力として何かを変えるきっかけにする作品もあり、向き合い方も千差万別。怒りという平常とは違う状態からどこに向かうのか、終わらせるのかにそれぞれの個性が光っていたように思います。  大人になるほど感情を露わにすることが難しくなりますが、怒りにつけ、笑いにつけ、しっかりと感情を表現することも大切であると考えさせられた気がします。 <11月11日 追記>  発表したピックアップルーキーの内容に誤りがあり、優秀作品に該当する作品が掲載されておりました。現在は正しい作品が表示されております。  混乱を招いてしまい、大変申し訳ございませんでした。

大賞(賞金3万円+選評)

怒りを抑えることができず、親友とケンカした主人公。その感情の動きを、心の正軍、負軍による合戦で表現した斬新な読み応えのある一作。武器のネーミングセンス、少しずつ追い詰められていく正軍の絶望感、もう一人の親友による助け舟など、怒涛の勢いで進むエンターテイメントで最後まで目が離せない作品です。圧倒されてしまいました。

準大賞(賞金2万円+選評)

過去に自分たちの生活を一変させた空き巣への復讐心を取り戻すため、その「怒り」を盗んだ男を主人公は探す。感情を盗むという不思議な設定と、ほどよく盛り込まれた恋愛要素が心地よく、素敵な読後感を味わわせてくれます。主人公が最後に男に抱いた感情はなんなのか? 2人の今後が気になります。

入賞(賞金1万円+選評)

幼い頃からの親友は、何をされても怒らない優しい人物。そんな彼女と長年友人として接してきた主人公がある出来事に巻き込まれていき……。普通の日常を描いた序盤から一転、中盤からの不穏な空気感に、少しずつ恐怖が侵食して物語が加速していきます。予感が現実になったラストシーンは壮絶で、しばらく放心してしまいました。

佳作

いじめを苦にして学内の有名人に助けを求めた主人公は、自らへの怒りを忘れない「イカリング」の精神を教わります。主人公が他者へではなく、自身の不甲斐なさに怒りを向けるようになり、世界が変わっていく様子が見事に描かれています。不思議な語感の良さといい、イカリングという単語自体に力を感じました。語感の良さと一緒にテンポよく進むのもよかったです。
人の悪意に敏感な主人公は、王太子である兄を救うために突飛な行動に出る。古典文学をオマージュしつつコミカルなテイストを盛り込んだテキストは読みやすくも躍動感があり、スッと物語に入り込めました。最後に明かされる主人公の正体には一本取られました。
有形無形の声を聴く能力で占いを営む主人公は、とある霊能者に難癖をつけられる。運命の戦いが始まるのかと思いきや、主人公のとばっちりを受ける形で事件に絡む祖母、そして兄の登の能力は桁違いだった。二人の活躍がとにかく痛快で圧巻。一族それぞれが個性的なので長編で読んでみたくなりました。
どんな仕打ちを受けても、決して怒りを見せない妻。主人公である夫は、本当に自分は愛されているのか自信を失くしていく。そんな中、妻から聞かされた意外な過去の出来事。予想外のどんでん返しと、妻からの大きな愛情。過去の傷と罪に対する思いが濃密に描かれており、読んでいて苦しくなるほどでした。
神の如き右手で様々な手術を成功させる同僚の存在に、焦燥感を募らせる主人公。しかしその同僚が事故で負傷し、主人公が執刀医としてオペをすることになり――。中盤から終盤にかけての、怒涛のホラー展開に魅入られました。「右手の怒りを買う」という予想外の驚くべき展開が秀逸です。

超短編賞

「怒り」をガソリン代わりに走る「怒車」の開発に成功した社長。しかし、怒りをずっと持ち続けるのは至難の業だったようで? 感情のエネルギー化というワンアイデアが秀逸でテンポよく進みます。虚脱感あるラストも独特の余韻があり、落語のようなおもしろさがありました。

続きが読みたい賞

子どもも成人し、2人きりになった熟年夫婦は、互いに対して長年のわだかまりを抱えていた。互いに殺意を抱き合う夫婦が、知らぬ間に想いをシンクロさせている展開がおもしろくもあり、恐ろしくもあり。余韻の残るラストが秀逸で、2人が破滅するのか否か、この先が気になりました。

トンデモ賞

該当なし

優秀作品

ホラー 完結
14分 (7,988文字)

青春 完結
4分 (2,108文字)
スケジュール
・応募期間:2021年8月25日(水) 12:00:00 ~ 2021年9月26日(日) 27: 59: 59 ・最終結果発表:2021年11月中旬頃予定
賞
大賞(賞金3万円+選評)1作品 準大賞(賞金2万円+選評)1作品 入賞(賞金1万円+選評)1作品 佳作(選評)数作品   超短編賞(選評)  続きが読みたい賞(選評)  トンデモ賞(選評) ※大賞、準大賞、入賞または佳作(以下、「受賞」という。)の作品はエブリスタの短編小説シリーズ「5分シリーズ」に収録される可能性があります。(収録を依頼する場合には、受賞者に別途、ご連絡させていただきます。) 短編小説シリーズ「5分シリーズ」 ※受賞作品はエブリスタ公式SNS等で配信・紹介等される可能性があります。  優秀作品(結果発表ページでご紹介)  ピックアップルーキー(結果発表ページでご紹介) ※大賞・準大賞・入賞作品を除く上位30作品を優秀作品として、結果発表ページでご紹介します。 ※上位30作品まであと一歩だった作品の中で応募期間終了日より3ヶ月以内に会員登録された新規作家の作品を、ピックアップルーキーとして数点、結果発表ページでご紹介させていただきます。
募集概要
新作限定!初心者大歓迎! たった100文字の妄想でも気軽に参加できちゃう短編コンテスト、第157弾です。 今回のテーマは、「怒る」です。 どこかに必ず「怒る」の要素が登場する妄想を投稿してください。
・アンガーマネジメントのセミナー中に謎の人物が現れ、講師と口論を始めて!? ・怒ったところを見たことがない友人を怒らせてみようと、友人一同で画策。結果は? ・山奥にある触れてはいけない大岩に、旅人が触れてしまった。実は山は龍の身体、大岩はその逆鱗で……。
怒りは強い感情だけに、エネルギーを使うもの。できることなら怒らず生きていきたいですが、なかなかそうもいきませんよね。 そんな「怒る」にまつわるあなたの妄想をお待ちしています! 過去の妄想コンテストはこちら
応募要項
・本コンテストの応募期間内に新規投稿された作品。 ・文字数は100文字(三行程度)~8000文字 ※制限文字数未満又は制限文字数を超えた作品は選考対象外となります。 ※非公開設定している作品は、選考対象外となります。 ※連載中の作品の場合、応募期間終了時点での作品の完成度も含めて選考いたします。 ※エブリスタ内の公式コンテストや他サービス等に応募中の作品はご応募いただけません。
注意事項
選評の送付や書籍化の打診は、エブリスタに登録されたメールアドレス宛にご連絡いたします。迷惑メール防止の為にドメイン指定受信の設定をされている場合、メールが正しく届かないことがございますので、「@estar.jp」を受信できるよう設定して下さい。

次回予告

次回、妄想コンテスト第158回のテーマは「私を待っていたもの」です。 本コンテストと平行する形で2021年9月8日(水)より開催予定です。 ※作品は次回の妄想コンテスト第158回の応募期間内に新規投稿してください。応募期間前に投稿した作品はご応募いただけませんので、ご注意ください。

コンテストの注意事項(必読)

超・妄想コンテスト