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三行から参加できる 超・妄想コンテスト 第197回「道」
 人生そのものを道と捉えたヒューマンドラマから、通学路をモチーフにした青春もの、旅は道連れ的な冒険ものなど、多彩なジャンルが集まった今回のテーマ。まだまだ道半ばという、壮大な物語の序章といった作品がいつもより多かったのも、「道」というテーマならではと言えそうです。  全体的に一本道・決まった道にフォーカスを当てた内容が多く、物語の分岐点として道を設けるような作品が少な目だったのは、意外だったかもしれません。

大賞

免許取得後、初めてのドライブデート。父が贈ってくれた新車のカーナビに触れると、「運命の人へのルート案内」を始めて……? 今の恋人が運命の相手じゃなかったら、というドキドキと不安を搔き立てる導入が先を読ませます。主人公と父の関係性や、免許を取った理由、恋人との距離感など、物語を彩る様々な要素がとても優しく、居心地のいい読み応えでした。じんわり心が温かくなるお話です。

準大賞

工事現場の警備員に恋した女子中学生3人組。けど工事が終わったら、お兄さんは遠い地元に帰ってしまうらしく……。青春の1ページが爽やかに切り取られており、少女3人の短い恋の始まりと終わりが、かしましくも楽しく描かれています。感情を素直に出す彼女らとお兄さんのやりとりに、自然と笑顔になれました。心境の変化を工事中の道路に見立てる描写も巧みです。

入賞

大好きな姉との登校時間。ふと、いつも姉とすれ違う男子の存在に気付いた春香は姉に訊いてみるが、何か隠しているようで? 学校の通学路で、家族である姉と自分の知らない姉を区切るのが印象的です。姉を大切に想うがゆえの葛藤と、それを受け入れようとする主人公の感情の動きと成長が、丁寧に描写されています。なんやかやで姉もシスコン気味なことにほっこりしました。

佳作

駅前の裏道にある喫茶ロブソン。町の人気店に足しげく通うマキを、今日も明朗な女性店主・ルミコが出迎える。ルミコさんがとにかく魅力的で、絶妙なゆるさに癒されました。主人公がこのお店に通い続ける気持ちがよくわかります。冗談のような天狗の話がまさかの展開をみせたことに、驚きと同時にほっこり。その後のエピソードを語らうルミコさんと主人公の姿が見てみたくなりました。
スラムで閉じ込められるようにして生きているロビー。追い詰められた彼は、外に繋がる唯一の道“グリーンチューブ”を目指すのだが――。息詰まるような閉塞感や不穏さが、迫真性を持って描かれています。自由を求めて辿り着いた先が、文字通りの“幸せな天国”だったという皮肉、そして希望と絶望の落差がなんとも強烈。後味の悪さがいつまでも残ります。
毎夜、暗闇の中歩き続ける悪夢を見る吉岡。やがて道の先に灯りが見えるようになり、どんどん近付いてきて……。友人への電話相談という構成で物語が展開し、恐怖を煽ります。じわじわと進行する悪夢に追い詰められる主人公の様子に臨場感があり、ドキドキしながら読み進めました。本来の彼がどうなってしまったのか考えずにはいられない、静かな薄気味悪さに満ちたホラーです。
幸福度を数値化し、人類の幸福をサポートするAIが導入された世界。人生のすべてをAIに管理される中、夢を捨てられない主人公にAIが示した道とは? “MY ROAD(私の道)”が“MY LOAD(私の主)”になっていた、という皮肉の詰まった言葉遊びが強く印象に残ります。ディストピアから逃れたように見えて、それすらも管理された結果なのかも……と思わされる、もやもやしたラストに、真綿で首を絞められるような不快感が残ります。
弓道家が起こした、和弓を用いた殺人事件。犯人は自首したものの、それは“神の一射”とも呼べる、ありえない殺害方法だった。計算高く用意周到な犯人と、神の一射の真実に挑むバディとの攻防に痺れるクライムミステリー。短編の中でもきちんと伏線が張ってあり、読み応えがあります。序盤は堅物の武道家に見えた犯人が、後半で見せた強い承認欲求が生々しく、物語にリアリティを与えていました。

超短編賞&トンデモ賞

不思議な刺身を食べさせてくれるという店を訪れた主人公。メニューに書かれたおすすめはまさかの品で!? 道路を刺身にするという発想がインパクト◎。味に関する表現になんとなく納得感があるのがシュールで、スルメの様に噛みしめたくなる超短編です。この店に入ったら、今歩いてる道はどんな味がするんだろう? と想像が膨らんで楽しくなりそう。

続きが読みたい賞

死して天道を進む少年の前に、道明案内人を名乗るてんとう虫が現れた。訝しみつつも、おかしな連れに喜ぶのだが? おおらかな少年と、ちょっと偉そうなてんとう虫の短い道中を微笑ましく見守るように読んでいたので、まさかの展開に驚かされたました。てんとう虫の末路や、心優しい少年がこれからどんな魂たちに出会い何を感じるのか、色んなエピソードを読んでみたいです。

優秀作品

スケジュール
・応募期間:2023年4月26日(水) 12:00:00 ~ 2023年5月28日(日) 27: 59: 59 ・最終結果発表:2023年7月中旬頃予定
賞
大賞(賞金3万円+選評)1作品 準大賞(賞金2万円+選評)1作品 入賞(賞金1万円+選評)1作品 佳作(選評)数作品   超短編賞(選評)  続きが読みたい賞(選評)  トンデモ賞(選評) ※大賞、準大賞、入賞または佳作(以下、「受賞」という。)の作品はエブリスタの短編小説シリーズ「5分シリーズ」に収録される可能性があります。(収録を依頼する場合には、受賞者に別途、ご連絡させていただきます。) 短編小説シリーズ「5分シリーズ」 ※受賞作品はエブリスタ公式SNS等で配信・紹介等される可能性があります。  優秀作品(結果発表ページでご紹介)  ピックアップルーキー(結果発表ページでご紹介) ※大賞・準大賞・入賞作品を除く上位30作品を優秀作品として、結果発表ページでご紹介します。 ※上位30作品まであと一歩だった作品の中で応募期間終了日より3ヶ月以内に会員登録された新規作家の作品を、ピックアップルーキーとして数点、結果発表ページでご紹介させていただきます。
募集概要
新作限定!初心者大歓迎! たった100文字の妄想でも気軽に参加できちゃう短編コンテスト、第197弾です。 今回のテーマは、「」です。 どこかに必ず「」の要素が登場する妄想を投稿してください。
・通い慣れた通学路の途中、見知らぬ道を見つけた。好奇心に駆られ進んでみたら……? ・親が望む人生を歩んできた私。けど愛する人のため、初めて敷かれたレールから外れることを選んだ。 ・初詣で「方向音痴を治したい」と祈ったら、視界の右上にゲームのマップのようなものが見えるようになって!?
ふと見かけた見知らぬ道、あるいは見知った道のずっと先……それらがどこに続いているのか、想像してワクワクしたことはありませんか? そんな「」にまつわるあなたの妄想をお待ちしています! 過去の妄想コンテストはこちら
応募要項
・本コンテストの応募期間内に新規公開された作品。 ・文字数は100文字(三行程度)~8000文字 ※制限文字数未満又は制限文字数を超えた作品は選考対象外となります。 ※非公開設定している作品は、選考対象外となります。 ※連載中の作品の場合、応募期間終了時点での作品の完成度も含めて選考いたします。 ※エブリスタ内の公式コンテストや他社サービス等への重複応募が確認された場合、応募取消しになる場合があります。
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応募の辞退について
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次回予告

次回、妄想コンテスト第198回のテーマは「追いかける」です。 本コンテストと平行する形で2023年5月10日(水)より開催予定です。 ※作品は次回の妄想コンテスト第198回の応募期間内に新規公開してください。応募期間前に公開した作品はご応募いただけませんので、ご注意ください。

コンテストの注意事項(必読)

超・妄想コンテスト