帝都の高級遊郭“黄宝館”の最上階には、美しき花魁アザミが住んでいる。彼女は統王ジンによって左手首に封花印の紋を刻まれ、20年間閉じ込められていた。その元凶であるジンが邪獣に襲われて傷を負い、アザミの部屋に担ぎ込まれたため、彼女が手当を任されることに。しかし手の施しようがなく困った末、遊郭を仕切るゴマ婆に相談すると、花魁であるアザミが統王と交われば傷を癒せると言われて――。逆ハーレムの恋愛ファンタジー。

“雑草”と呼ばれる少女は、公爵家の次男アルマンドとの婚約を破棄する夢をよく見ていた。しかし現実の彼女は屋根裏部屋に暮らし、屋敷にいるあらゆる人間から虐げられる毎日……。ついには屋敷に出入りする商人からブローチを盗んだ濡れ衣を着せられた上、仲良しの猫まで始末されかけ、我慢が限界を超えてしまう。それと同時に、本当の自分が何者であるのかを思い出した彼女は――。婚約破棄から本当の自分を取り戻す恋愛ファンタジー。

フィルディ王国の姫クローディアは13歳になり、死霊術の能力が開花した。しかし死者と交霊し味方にしてしまう力は、“死を纏う穢れた姫”と呼ばれ恐れられることに。自分がいない方がいいと悟ったクローディアは、死の森へと旅立った。森で暮らしていれば、誰の目も気にせずに死者との交流を楽しめる。だが死の森はエーノルメ王国との国境でもあり、今まさにフィルディ侵略を目指し敵兵が進軍していた――。白骨騎士との恋愛ファンタジー！

公爵令嬢パトリツィアは生まれてすぐ、7歳の王太子ルイトポルトとの婚約が決められた。彼女の父である宰相ベネディクトは、権力を思いのままに振るう野望を胸に秘めていたのだ。そんな周囲の思惑とは無関係に、パトリツィアとルイトポルトは実の兄妹のように仲良く育っていった。対照的に、国王と王妃の関係は冷え切り治安は悪化し、宰相の権力はますます盛んになっていく――。政争に巻き込まれる幼馴染のせつない恋愛ファンタジー。

松雪総多は己の可能性を諦め、人生に絶望して、楽な死を願いながら毎日を送っていた。そんな彼の前に、死への案内人を名乗る病的なまでに白い肌の美女・サハツキが現れ、松雪が“執行人”に選ばれたと伝える。彼女は死を望む人間である“待ち人”を5人を殺すことで、松雪自身が苦しみのない死を迎えられると約束した。ただし殺す前に、彼らが死を望む原因と死への捉え方を聞き出す必要があるという――。生と死を問うヒューマンドラマ。

結月紬は幼稚園の頃、魔法使いを名乗る隣家の“お姉ちゃん”に不思議なモノが見える体質にされてしまった。成長した紬の高校入学前日の夜、突如鳴り出した鈴の音が彼女に近付いてくる。家を飛び出した紬の前に現れたのは、ベルを鳴らす謎の動物・ドーラともう一人。翌日再会したドーラは少女に擬態していて、「このままだと物の怪に取り憑かれる」と紬に警告する。なぜなら紬は、呪いをかけられているというのだ――。ノスタルジックな現代ファンタジー。

ある朝“僕”の胴体に、生身の頭の代わりに水槽が載っていた。出勤のために外に出ると、同様に大多数の人間が、黒い物体で満たされた“水槽頭”に変わっている。そんな状態でも会話や食事ができるため、“僕”は異常な事態を段々と日常として受け入れていく。しかしあるきっかけで、“僕”は他人の水槽頭からその人物の思考や記憶、感情を読み取ることができるようになった。変わりゆく世界で主人公が選ぶ道は――。現代ファンタジー。

26歳の売れないピアニスト・高園いろ巴は、同い年で国内屈指のスタジオミュージシャン、かつ人気ベーシストの九内晴廉(セレン)と仲が良い。それゆえ恋人と誤解され、セレンを狙う女性たちから無用の嫉妬を買ってしまっていた。セレンに苦情を申し立てたいろ巴に、彼は一緒に住むことを提案。女癖の悪いセレンと関係した女性から危害を加えられないため、1ヶ月の期間限定で共同生活を始めるのだが――。恋愛ストーリー。

高3の早苗雪は、クラスの中心人物で人気者の清森天と付き合っている。雪は、自由奔放で自分のやりたいことをマイペースにやる天に振り回されながらも、そんな彼がちょっぴりうらやましい。天は雪の家にも気軽に出入りし、彼女の母親と談笑し、キッチンで料理まで作る。もっと天から恋人として求められたいと願いながら、雪は彼と高校生として最後の1年間を過ごしていく――。恋する高校生たちのほのぼの連作ストーリー。

翠和大学医学部附属病院の4A病棟で働く3年目の看護師・花村ゆうりは、飲み会で酔っ払った郡司里々佳を家に送って驚いた。美人で病棟一の仕事の鬼である彼女の自宅は、無惨な汚部屋だったのだ。後日、建て替えで寮を出なければならず途方に暮れていたゆうりに、里々佳は「家事を請け負う」という条件で一緒に住むことに同意してくれた。秘密の共同生活を始めた二人だが――。先輩×後輩のガールズラブストーリー。

夫のDVにより、植物状態で眠っている柏木早苗。彼女は16歳の子爵令嬢サンドリーヌとして異世界で目覚める。家庭教師・カミーユとの勉強中に屋敷を抜け出した彼女は、容姿端麗な紳士とぶつかった。この紳士こそが次期宰相と目される国一番の出世頭・シャイン伯爵だった。そしてサンドリーヌに淡い想いを寄せるベルタン侯爵や、彼女を見初めた王太子まで加わり、サンドリーヌを中心に恋が入り乱れる――。スパダリとの異世界恋愛物語。

埼玉県熊谷市で暮らす高校生の明里は、小学校の頃は陸上が得意だったが、今は部活に入らず勉強に力を注いでいた。ある日彼女は、クラスメイトでラグビー部の門脇稜太とたまたま一緒に帰ることになり、翌週の花火大会に誘われる。以前から明里のことを意識していた彼が、好機を逃さず勇気を出したのだ。しかし目の前で老婆がひったくり犯に襲われたのを見た二人は、犯人確保に協力することに――。不器用な2人が悩みながら進む青春ストーリー。

恋愛小説『10年ラブ　～両片思い、10年目～』をこよなく愛する高2の笹山美緒。恋愛は物語の中だけで充分と考えていた彼女は、校内で『10年ラブ』の推しキャラ・永瀬にそっくりな水無瀬維紗と出会い驚く。美緒が落とした10円を、拾ったのに返してくれない維紗。そこで彼女は、10円の代わりに『10年ラブ』でお気に入りのシーンを再現して欲しいと頼む。美緒の心は、少しずつ変わり始めていた――。胸キュンの青春学園モノ。

自室で寝たはずの“僕”は見知らぬ教室で目覚めた。小学校時代の同級生・桐谷陽菜子は、ここが國澤中学3年1組の教室だと言い、“僕”が生きていることに驚く。室内には他にも何人もの人がいて、“僕”に見覚えはなかったが、彼らは僕の中学時代の同級生だという。どうやら“僕”は交通事故によって記憶喪失になったらしい。そして教室の黒板に書かれた「すずめを殺したのは誰だ」というメッセージ。元クラスメイトの死の真相は明らかになるのか――!?　学園ミステリー。

37歳の須藤史子は、パンクバンド『ザ・中の人』が公演中のライブハウスに足を踏み入れた。ステージ上の4人のミュージシャンは全身を動物の着ぐるみで覆っていて、観客も紙製の動物の面を被っている。今日は夫婦であるウサギとパンダの2人のメンバーがバンドを卒業し、結婚指輪を打ち壊すという。その砕かれる予定の指輪こそ、史子にとっては思い出の詰まった大切な母親の指輪だった……。奇妙な味のエキセントリック・ミステリー。

王立魔法学院マトリア校に入学した16歳のユキハは、毎年2名だけ選抜される特待生の1人だった。しかし生まれつき魔力を有する人間だらけのこの世界において、ユキハは魔法全体が苦手で、自分の魔力の属性すらわからない。しかも自分に近づく人間に、無差別にトラブルを生む呪いまで持っている。そんなユキハの前に現れた各学年の特待生たちは、“世界を壊した救世主”である彼女を守護する獣騎士だと名乗った――。トラブル生成ファンタジー！

ドラゴン討伐に参加したい16歳の剣士トビーと、双子の妹で魔法使いのリリーナは、パーティの人数不足で困っていた。仕方なく、女性冒険者に声をかけまくっていたナンパ男を仲間として勧誘するが、彼は役立たずとしてパーティから追放されたばかりの吟遊詩人シュリだった。名高いテイマーのアシルを含めた4人で、なんとか即席のパーティを結成したものの、ドラゴン討伐までの道のりは前途多難で――。冒険とバトルの成り上がりファンタジー。

社宅に入居予定の新入社員・南田純平は会社側のミスにより、年期の入った一軒家で暮らすことになった。しかも前の住人で、首吊り自殺をした幽霊・雪絵と遭遇し、奇妙な共同生活まで余儀なくされる。ある日、純平が帰宅すると、雪絵は事故死した犬の幽霊シロを紹介した。シロが成仏するために生前の心残りを解消してやってほしいと頼まれ、困惑する純平だったが、力を貸してやることに――。ホラーテイストコメディ。

人類が“悪魔”と呼ばれる謎の宇宙生命体と戦い続けて千年以上。アークス高等専門学園パイロット科一年生のシンラ・イグニスは、人型軍用兵器ヴァルキリーの訓練に励むが、成績は伸び悩んでいたが、イグニスは人や物に宿る想いを読み取る能力を持っていた。ある日、彼の父である英雄シンラ・ヒビキが行方不明になったデブリベルトへ向かったイグニス。その運命が大きく回り始める――。困難に親子で立ち向かう近未来SF。

霊感持ちの高校生・日田技宗也は、他人には視えないものが視える。喫茶店で隣の席に座っていた若い男が店を出た途端、目の前で交通事故に遭うが、その原因が他の誰にも見えない水色のワンピースの女性にあると、彼だけが気付いていた。そんな宗也のクールな友人・弓守満寛はオカルトについて半信半疑だが、宗也といると時々、怪異に遭遇してしまう。幽霊、呪い、物の怪がある日常を、二人は生きていく――。ホラー連作短編集。

原因不明の体調不良に悩まされていたサッカー部副部長・諏訪大輝。ある日、サッカー部員の1人の“第二の性”であるSub性が、Dom性の部員の影響で暴走してしまう。そんな彼を救ったのは、たまたま諏訪が連れてきていた1年の甘井呂翔だった。甘井呂がケアとしてのPlayをする場面を見た諏訪は、強烈に彼に惹かれていく。自分はNormalだと思っていた諏訪だったが……。Dom/Subユニバースの世界観によるBLストーリー。

交通事故で一年休学し、大学に進級した藍谷浬は、教室を間違えていた羽場恵介に声をかけた。礼を言った彼はしかし、浬の名前を知った途端、態度を一変させる。何か恨みがあるようだが、事故で記憶を失っている浬には見当もつかない。様々な状況から、事故前の自分は“不良”だったのではと悩む浬。ボランティアサークルの新歓コンパに参加するが、その居酒屋でも羽場と出会ってしまう。翌朝、慣れないお酒に酩酊した浬が目覚めたのは、なぜか羽場の家で――。すれ違いBLストーリー。

男性でも子を授かることができるオメガ性の由比麻琴は毎朝、森島蒼人と一緒に登校すると、彼の膝の上に座る。蒼人は優秀なアルファ性で麻琴とは幼馴染だが、恋人として付き合っているわけではない。二人の中学からの友人でベータ性の天間太陽は、その関係が不思議で仕方がなかった。麻琴は一番の理解者である蒼人との、今の距離感が心地よい。果たして幼馴染以上恋人未満な彼らの関係は進展するのか――!?　オメガバースの溺愛BL。

まじょがあらわれた！次のコマンドは…？キュートなRPG風イラスト！

シャボン玉に想いをのせて――。儚げで美しいイラスト！