新作セレクション[23/04/27]

3月後半に投稿された作品の中から、残酷な巨人の世界で命を語る現代ファンタジーや、江戸を舞台に様々な人々の生き様が描かれた短編集、蛙の国に嫁がされた皇女の溺愛ファンタジーなど、幅広くご紹介させていただいています。最後までじっくりとお楽しみください♪

イチオシ作品

伯爵令嬢のマリアは、厳しい母の存在や、自分より太陽のように明るい友人・ミアを愛しているのではないだろうか、と思わせる婚約者のアスターから逃れたいと思い一計を案じた。マリアは古代の魔法を使ってミアと入れ替わり、ミアの身体で自由を謳歌した上で罰せられて婚約を解消されよう、と考えたのだ。そしてマリアは魔法を使うと、なぜかミアではなく全く知らない娘になっており――。自由を夢見た令嬢の入れ替わりファンタジー。

現代ファンタジー

華蓮は将来を誓い合っていた彼氏に裏切られ、同居している部屋を飛び出した。雨が降る中、行き場がなく彷徨う中で雨宿りできそうな神社を見つける。拝殿に向かう階段に腰を下ろすと、和装姿で犬のような黒毛の耳と尻尾を生やした犬神の男性・春雷に話しかけられた。奥の土間に通され、男が風邪を引かないようにと暖をとらせようとした時に身体が混じり合ったことで、華蓮は春雷の子を身ごもってしまい……。切ない現代恋愛幻想物語。
精霊は肉体を持たない最古の生命体であり、人には見えないが、現在も世界の至る所に存在している。その中でも人を見守る〝守護霊〟と呼ばれる存在は、元となる生き物の〝集合的無意識〟から生まれ落ちた存在であった。守護霊たちは〝監視者〟と呼ばれる者の元で、主人と決められた人を一定の期間守護している。ひたむきで努力家で主人が大好きな彼らが、人を見守る中で知っていくものとは――。現代守護霊ファンタジー。

歴史・時代

織日は「女の地獄」と姉女郎がいう遊郭の世界で生きていたが、自分が生まれた村に比べればここは極楽だと感じている。そんな彼女と、材木問屋のご隠居の酔狂に付き合わされてやって来る火消しの銀二との物語が語られる。また別の物語では、13歳から水茶屋で働いている少女・おはつが出来心から簪を盗んだことから生まれた出会いから始まる物語が綴られていく――。江戸を舞台に、様々な人々の生きる姿が描かれる短編集。

ファンタジー

かつて文明大国と褒めそやされたボッチャリ国は没落し、国を保つための援助を求めて3人の皇女は嫁に出された。美しい長女と次女はすぐに嫁ぎ先がみつかったものの、働き者でたくましいが、器量が悪い三女のアヤメは、ガマ獣人たちの国である蛙国しか引取先がなかった。それでもアヤメは馴染もうと奮闘するが、婚姻相手のガマ王太子は彼女に真の姿を見せようとしない、一体なぜなのか――。甘々溺愛ファンタジー。
伯爵令嬢のマリアは、厳しい母の存在や、自分より太陽のように明るい友人・ミアを愛しているのではないだろうか、と思わせる婚約者のアスターから逃れたいと思い一計を案じた。マリアは古代の魔法を使ってミアと入れ替わり、ミアの身体で自由を謳歌した上で罰せられて婚約を解消されよう、と考えたのだ。そしてマリアは魔法を使うと、なぜかミアではなく全く知らない娘になっており――。自由を夢見た令嬢の入れ替わりファンタジー。
貴族の少女・藤咲メイシアは、囚われた父と異母弟を助けるため、「凶賊」と呼ばれるマフィアの一族である鷹刀一族の助力を求め、一族の総帥・イーレオの元を訪ねた。その場で彼女はイーレオの息子である、鷹刀ルイフォンと運命の出会いをする。そしてメイシアは、自分の身を対価として差し出すことで、鷹刀一族の武力を求めた。イーレオがそれを受け入れ、一族が動き始めるとその先には巨大な陰謀があった――。近未来東洋ファンタジー。

恋愛

縁結びの加護を与える聖女・セレス。しかし彼女は、縁が結ばれる前に起きる悪縁を切るということに対して、迅速に強力な効果が発揮される場面が目立つことから、役割とは逆の“縁切り聖女”といわれている。そのことを警邏隊の青年・シークに日夜煽られ、からかわれていた。2人が喧嘩しながら仲良く過ごす日が続く中で、大きな陰謀が動き始める。それはセレスに深く関係があるものだった――。ケンカップルが織りなすラブコメファンタジー。

ヒューマンドラマ

路地裏にある「食堂おもひで」では、客が心に強く思い浮かべた“想い出の料理”といった、今は食べられないがどうしても食べたい味を再現してくれる。故郷の料理である、いかなごのくぎ煮、母のハンバーグ、高校時代に通っていた店のホットケーキ……そこで想い出の料理に出会った人々は、忘れかけていた大切なことを取り戻し、明日に向かってまた一歩踏み出していく――。料理を巡って繰り広げられる、オムニバス形式のヒューマンドラマ。
仕事に疲れ失恋した真紘がヤケ酒に呑まれて記憶を失い、目を覚ますと“オランジェット”という店のバックヤードで介抱されていた。そこは王子様チックな店主と人たらしなシェフが営む、カフェのようなビストロのような居酒屋のような店だった。オランジェットにはメニュー表がなく、食べたいものを注文するシステムで、材料が許す限りなんでも作ってくれるという――。温かい店で繰り広げられる美味しい日常を描くヒューマンドラマ。
腕はいいが変な精神科医がいると噂の初田ハートクリニック。そこに勤める初田医師は、英国紳士を思わせる様なスーツに身を包み、患者の前でもウサギ頭の被り物をしている。その理由は「ウサギならみんな大好きでしょう?」ということだった。患者に何をいわれても「私の顔を見るのはご法度だ」とそれを拒絶する。今日も彼の元に、猫を解体したことに罪の意識を抱かない少年をはじめとして、様々な悩みを持った人がやってくる――。サイコパス系医療ドラマ。
海瀬は、1年前から味覚障害に悩まされていた。何を食べても味も匂いもしないのだ。彼は故郷である北海道に帰り、麦歌という女性と会う。彼女は亡くなった海瀬の恋人・紬の妹だった。麦歌は海瀬に、ふくふくと膨れたロールパンを差し出す。麦歌は「それは紬ねえのパンです」と言うが……。彼女は死んでパンになった。そこに至るまでの、紬らの物語が語られていく――。食と愛のヒューマンドラマ。

恋愛ファンタジー

ジュリアンが目を覚ますと、硝子ケースのようなものの中に横たわっていた。死刑が廃止されたその世界では、殺人の罪を犯した者は、はるか地下で冷凍保存されることになっており、彼は冤罪で眠らされていたのだ。なんとかケースから脱出すると、世界に異変が起きたことで事故が発生し、深い地の果てに閉じ込められたということを悟る。そして彼は地上へ脱出しようとする過程で様々な驚愕の事実を知っていく――。SF恋愛ファンタジー。
その星には理想郷のようなシステムができていたが、人口の50%が精神疾患を抱えている社会問題が発生している。そんな世界で、エンジュは精神疾患の末期患者が行く【施設】に入れられていた。彼はそこでの暮らしの中で、髪に夥しく白髪が混じり、右目しか見えないくらい頭に包帯が巻かれ、廃人の様になっている少女・センに出会う。エンジュはセンのことを知ろうとすると、彼女の周りで異常なことが起こり始める――。少年少女のSF物語。

青春

人気バンドのボーカル・桐生純也が、樫村美咲という女優の自宅で謎を残す自死を遂げる。彼は2人の子供を遺していた。20数年が経過し、美咲と彼の子供・樫村陽人はトップアイドルへの階段を昇っており、純也と内縁の妻である江崎詩織との子・江崎伶はバンド活動に熱中する大学生となっていた。血の繋がりがありながら、様々なものが合わせ鏡のように対象的な2人と伶の妹・結は、音楽という絆を介して思いを伝え合っていく――。青春ロックオペラ。
都内一の規模を誇る芸術学校・聖桃中学1年の真維は、生徒会役員に立候補した。希望者が多いのではと思っていたが、手を挙げたのは彼女一人だった。この学校の生徒会は「やばい」という噂が立っており、避けられているらしい。真維は隣のクラスの立候補者・柚花と共に生徒会室へ向かうと、会長の千鶴ら3人の先輩に出迎えられる。そして早速“芸術発表会”を巡る、過去の因縁も関わる事件に巻き込まれていく――。スラップスティック青春物語。

ホラー

女だが女好き、男装を好む麗人・桐生ミサキは、自分の持つ特殊な能力を活かし、久津へらすという名で心霊ライターをやっている。彼女のところに持ち込まれる心霊話は、オチがつかないようなものばかりだが、オチを捏造することから“インチキライター”を自称している。女性の生首が見える心霊スポットに行ってから霊障に困っているといった事件に首をつっこんだミサキは、暴いた真実をエンタメにしていく――。感動と捏造のオカルトホラー。

ミステリー

歴史教師・金田一華の授業を取っていた女子大生・山森佳湖がビルから飛び降り死亡する事件が起きた。自殺に見えるこの件を担当する2人の刑事・立川と青田らが捜査を進めていき、一華の立会いの元で話を訊く。すると、それぞれから見た山森佳湖の人となりが語られ、異口同音に「彼女は自殺などしそうにない」という。はたして佳湖の死は自殺なのか、それとも何かが起きているのか――。現代の闇が作り出す病みを描き出すミステリー。

BL

「俺」こと笹野冬彦は、同性愛者であることを必死に隠し、息を潜めるようにして生きていた。彼は学生の頃から11年、森田霞という両性愛者の男と付き合っていた。しかし何度身体を重ねてもうまく噛み合わない。冬彦は霞の気持ちを知って、彼を許せる自分になりたいと思い女性を抱いてみたが、何一つ理解できない。心が裂けるような痛みを感じ、霞に会いたいとそう願うのだった――。ちぐはぐになってしまう心と体を描く、BL物語。
世界は“世界樹”によって支えられており、さらに世界樹と繋がる“森”とよばれる場所から、人々は恩恵を受けている。桂樹は“森”の調査と保護、或いは治癒をする役割をもつ、世界に数人しかいない“樹術師”の一人だ。彼はある時、森で樹木に食われかけていた美しい少年を見つける。喋ることができず、感情も定かではない少年は緋桐と名付けられ、共に暮らすうちに桂樹に心を許し始めるが――。幸せを求める2人のBLファンタジー。
始業式に参加する意味がないとフラフラ歩いていた神崎楓翔。そこを見回りをしていた浅倉真弥という教師に見つかり、窘められる。それから楓翔は「浅倉せんせー」のことがなぜか気になりはじめる。始業式が終わると、浅倉が今年の担任であることがわかり、浅倉が楓翔の家庭の話などを聞いたことから、週に数回、浅倉の準備室で昼飯を食べるようになった。そんな時間の中で楓翔は浅倉にいたずらを――。生徒と先生のBL物語。

イラスト

収穫したばかりのきゅうりをぱくり。眩く瑞々しいイラスト!
桜の間から顔を覗かせる少女――。儚げな和風イラスト!

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