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三行から参加できる 超・妄想コンテスト  第149回「お母さん」
テーマに対して様々なアプローチが用いられていたのが印象的で、お化けやゾンビ、アンドロイドなど、オカルトやSFをスパイスとして盛り込んだ作品も多く、書き手の皆さんの想像力の豊かさを改めて感じる回でした。心温まるエピソードだけでなく、近しい存在だからこそ衝突することもある。ぶつかり合う感情や思いがどこに向かうのかが物語の性質を決めていたように感じます。自分と「母」との関係性について、改めて考えさせられるような作品が多く集まりました。

大賞(賞金3万円+選評)

偏屈な名探偵と彼の助手を自称する少女が、とある遺産相続問題に挑みます。探偵やその助手をはじめ、キャラの個性が立っており、物語を彩っていて読み進めるのがたのしいです。ミステリ要素が散りばめられたストーリーと「母」というテーマがうまく絡み合っていて興味深く読めました。2人のより一層の活躍に期待してしまいます。

準大賞(賞金2万円+選評)

日々の生活に心がすり減っていた主人公は、ある雨の日に不思議な女性と出会う。それ以後、彼女は雨の日にだけ姿を現すようになるのだが……。全編を通して描かれる雨と2人の女性の束の間の交流エピソードが、胸にじんわりと染み込んでくる現代ファンタジーです。女性の正体が明かされるラストは涙があふれ、とても心に響く作品です。

入賞(賞金1万円+選評)

自分を生んだために命を落とした薄幸の母。祖母から「母より幸せになるな」と言われ育った主人公が抱えるものはひたすら重く、序盤は読んでいるのも辛いです。だからこそ、今にも押しつぶされそうな彼女の心を、母親がしっかりと守ってくれるラストシーンが活きています。母の無償の愛が胸に染み入り、読んでいると涙腺が緩んでしまいました。

佳作

唐突にフラッシュバックした幼い頃の記憶。自分にはもう1人の母親がいる……? 疑心暗鬼に陥った主人公が、過去を詮索していくことで、母からの真の愛情に気づくドラマ性に魅入られました。主人公を支える婚約者がいい味を出しており、2人の明るい未来も予感させます。
毎年、自分の誕生日にだけ帰りが遅くなる父を訝しんだ主人公は……? 父の浮気かと思いきや、それ以上に重たい秘密を知ることになってしまいます。それでも沈むことなく前を向く彼女からは、家族から向けられる大きな愛が感じられ、心がほっこりするやさしい作品でした。
父の言いつけで、ロボットの「コダマ」と2人で暮らすことになった主人公。しかし、平和な日々は突然終わりを告げることになってしまう。主人公とロボットの間に芽生えた確かな絆が愛おしく、2人の穏やかな日々ををずっと見たかったという気になります。また、描かれていないラストシーン以降の主人公のその後の動向も気になりました。
失業したばかりの主人公は、偶然目にしたカフェのアルバイトとして、不思議な体験をすることになります。タイトルからカフェとそこを訪れるお客さんの正体の見当がつくのですが、主人公の真摯で温かな接客がことさら心に染みました。感動的なラストシーンに、クスリと笑えるユーモアも盛り込まれているのもお見事でした。

超短編賞

自分のほうを見ることなく、若い男にうつつを抜かす母を眺めながら、部屋の隅に段ボールを重ねていく主人公。謎めいた展開が一気に終息するラストシーンでは箱の中身が暗喩され、戦慄が走りました。主人公の母親に対する歪んだ感情はいったい何と形容すればいいのか、考えさせられます。人間の欲望と仄暗さが描かれた超短編です。

続きが読みたい賞

母の教えを忠実に守ろうとするがあまり、なかなかアクションを起こせない主人公。彼の指針である母の言葉は教訓なのか、はたまた呪いのようなものなのか、読み手によって印象が変わるのではないでしょうか。ラストで語られる大きな転機を、彼がどう受け止めるのが気になります。違うパターンやバージョンも読んでみたいです。

トンデモ賞

ひたすら奔放な母と、その荒唐無稽なトークにつきあう息子の掛け合いで進むアップテンポなコメディ。母親の個性が強烈で、いいツッコミを入れる息子との漫才のような会話は妙にクセになる絶妙の味付けです。どこまでが本当の話なのか明言されませんが、そんなことを気にしないでたのしめる不思議なエネルギーを感じます。

優秀作品

スケジュール
・応募期間:2021年4月28日(水) 12:00:00 ~ 2021年5月30日(日) 27: 59: 59 ・最終結果発表:2021年7月中旬頃予定
賞
大賞(賞金3万円+選評)1作品 準大賞(賞金2万円+選評)1作品 入賞(賞金1万円+選評)1作品 佳作(選評)数作品   超短編賞(選評)  続きが読みたい賞(選評)  トンデモ賞(選評) ※大賞、準大賞、入賞または佳作(以下、「受賞」という。)の作品はエブリスタの短編小説シリーズ「5分シリーズ」に収録される可能性があります。(収録を依頼する場合には、受賞者に別途、ご連絡させていただきます。) 短編小説シリーズ「5分シリーズ」 ※受賞作品はエブリスタ公式SNS等で配信・紹介等される可能性があります。  優秀作品(結果発表ページでご紹介)  ピックアップルーキー(結果発表ページでご紹介) ※大賞・準大賞・入賞作品を除く上位30作品を優秀作品として、結果発表ページでご紹介します。 ※上位30作品まであと一歩だった作品の中で応募期間終了日より3ヶ月以内に会員登録された新規作家の作品を、ピックアップルーキーとして数点、結果発表ページでご紹介させていただきます。
募集概要
新作限定!初心者大歓迎! たった100文字の妄想でも気軽に参加できちゃう短編コンテスト、第149弾です。 今回のテーマは、「お母さん」です。 どこかに必ず「お母さん」の要素が登場する妄想を投稿してください。
・女手ひとつで私を育てた母。家を出て数年、再婚したいと紹介されたのはまさかの人で? ・魔物の言葉がわかるようになった冒険者は、殺した魔物の母親の声を聞いてしまい…… ・人付き合いが苦手な私に出来た初めてのママ友は、親子連れの幽霊だった!?
5月9日は母の日。時代と共に家族の在り方が変わっても、その存在の大きさは変わらないのではないでしょうか。 そんな「お母さん」にまつわるあなたの妄想をお待ちしています! 過去の妄想コンテストはこちら
応募要項
・本コンテストの応募期間内に新規投稿された作品。 ・文字数は100文字(三行程度)~8000文字 ※制限文字数未満又は制限文字数を超えた作品は選考対象外となります。 ※非公開設定している作品は、選考対象外となります。 ※連載中の作品の場合、応募期間終了時点での作品の完成度も含めて選考いたします。
注意事項
選評の送付や書籍化の打診は、エブリスタに登録されたメールアドレス宛にご連絡いたします。迷惑メール防止の為にドメイン指定受信の設定をされている場合、メールが正しく届かないことがございますので、「@estar.jp」を受信できるよう設定して下さい。

次回予告

次回、妄想コンテスト第150回のテーマは「ねぇ、覚えてる?」から始まる物語です。 本コンテストと平行する形で2021年5月12日(水)より開催予定です。 ※作品は次回の妄想コンテスト第150回の応募期間内に新規投稿してください。応募期間前に投稿した作品はご応募いただけませんので、ご注意ください。

コンテストの注意事項(必読)

超・妄想コンテスト