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未完結でも参加できる 執筆応援キャンペーン「侍/剣客/武士道」

大賞

腕のたつ剣客が次から次へ登場し、読み手に高揚感を与える作品です。柳生兵庫助に宮本武蔵の名だたる剣豪に加えて、野十郎という野性味あふれる少年剣士が活躍します。冒頭で示される、果たし合いで相打ちになったように見えながら距離の離れた2体の死体の謎。緊張感のあるキャラ同士の絡み合いで、ストーリーもグングンとうねりを増していきます。背後にうごめく陰謀も徐々に明らかになり、今後の展開が楽しみな作品です。

準大賞

読み進むほどにエモーショナルな復讐譚です。日頃可愛がってくれていた従者が、母である皇后を暗殺する場面に出くわす幼いヒロイン。センセーショナルな幕開けから緊張感を孕んだままストーリーは展開していきます。端正な文章が読みやすく、キャラの心情が伝わってきます。死を理解できない主人公が「石になる」という独特の表現も胸を打ちます。巨大な陰謀に挑む口火を切ったばかりですが、彼女の行く末を見守りたくなりました。

入賞

小さなサムライ妖精と、悪しき言霊を斬るという設定がうまく噛み合っています。言葉は使い方によって誰かを傷つける凶器になるという現代社会のテーマにも合致します。たとえ悪意のない言葉でもシチュエーション次第で取り返しのつかないことになります。人間同士の関係が変わったり、終わったりするたったひと言を誰かが発する前に斬る場面にカタルシスかありました。妖精の真琴と愛刀ビーズの相棒同士の軽妙な会話も愉しいです。
鬼退治を終えた後の桃太郎の100年後を描くという着想が魅力的です。いわば魔王を倒してからの勇者の後日譚でもあります。神にちかい力を持ちながら、自分は本当に正義を行ったのかと悩む桃太郎の人間味に共感できます。再び鬼ヶ島に向かう展開にワクワクできました。独自の解釈でキャラ化された犬、キジ、猿も面白い造形です。鬼ヶ島の空白の百年が次々に埋まっていくストーリーがダイナミックで今後が楽しみになりました。
江戸時代の侍の魂が現代のOLの体に転移してくるプロットが秀逸です。侍とOLという両極端ともいえる存在が同居した結果のギャップがほほえましいです。その彼女を慕う料理男子がお弁当のおかずで“彼”の胃袋を鷲掴みにする展開も面白いです。ランチ中心に交流を深めつつ、彼が自分の正体を明かしてから、2人の関係がさらに一段階深化していきます。しかし、その先に悲しい別れを匂わせているため、ほのぼのした物語に厚みを感じました。

佳作

魅力あるヒロインを軸にした愉快なオリジナル歴史小説です。不甲斐ない織田信長を双子の姉・美月がビシビシ導く展開に独特の世界観がありました。信長に関しても、無能ではなく、姉に対して見せない一面があるキャラにしたのはほどよいバランスです。彼らに振り回される織田家の家臣たちも個性的で、やりとりを楽しく見守ることができました。実際の歴史上でも信長の快進撃の裏に頼もしい身内がいたかもと思わせてくれる作品です。
戦国時代に転生する歴史ファンタジーです。立派な人物だと聞かされて育った先祖の直江兼続が失敗した戦いの瞬間に転生するのは、物語としてダイナミズムを感じました。本来なら長生きして偉業をなすはずの兼続が、自分が転生した影響で短命に終わる可能性もあるという懸念は納得力が高いです。乱世の男たちにはない感性と発想でフォローするのは面白かったです。歴史上の人物も多数登場し、虚実のミックスが巧みな作品でした。
平安時代最強を謳われた源為朝を主人公にした痛快なクロニクルです。自分を蔑む兄たちの乗る屋形船を強弓で射る場面から始まるのは、まさに快男児登場で胸がすきます。豪快かつ大胆で、周囲からは異端に見られる行動であっても、為朝の心情を丁寧に描くので、彼に共感できました。曲がったことが嫌いで、男にも女にも強い英雄の波乱万丈の人生は読み心地よく感じました。硬質な文体も過ぎ去った激動の時代を語るのにふさわしかったです。
忍者、大蛇、地下の王国とファンタスティックな要素が満載です。主人公は姫でありながら忍者として戦いにも参加する桜丸。地上に出た大蛇ヒンデが、自分を打ち負かした桜丸に主君の警護を依頼するユニークな展開です。人間の世界では厄介な存在だった桜丸が、異種族の世界で自らの存在価値を見出すのは素敵でした。彼女の目を通して、巨大な蛇だらけの国の文化や風習、そして戦いなども楽しめる旅行記でもある戦国ファンタジーです。
洗練された文章が人物や状況を的確に描写しています。凄惨な殺戮劇から幕を開けますが、藤と浄の主役2人の戦い方、性格、価値観の違いが巧みに表現されています。秘密の暮らしを始めた2人の会話や所作が細かい部分まで丁寧に書き込まれていました。古い権力と、台頭する新興勢力で世の中が激しく動いているのも魅力的です。愛に溢れた関係に見えた両者の間には血塗られた過去があるのも、ストーリーに深みを与えていました。
歴史上の人物で人気の坂本龍馬ですが、彼の身辺を見守る忍びの視点がフレッシュです。他にも龍馬の姉・乙女や岡田以蔵、武市半平太など幕末の土佐に生きた人々が実在感をもって描かれています。第三者の目だからこそ彼らの魅力も際立ちました。大きくうねっていく歴史の流れの中で必死に抗う史実の人物たちと、消えゆく忍びの一族が重なって見えます。キャラクター造形の部分では、台詞回しが絶妙で、言葉に各キャラの感情が宿っていました。
まず土方歳三の魅力が詰まっています。喧嘩に強くて頭がキレるので統率力があり、商売もうまく、おまけに女性にもモテる。何重にも土方のカリスマを組み立てているからこそ、彼と並び立つ天才剣士の沖田総司も引き立たせています。道場で汗を流し、剣術の工夫をする場面を読者に可視化しているので、試衛館の面々の強さに説得力がありました。まだ新選組結成前の段階ですが、今後のストーリーに秘められた大きな可能性を感じます。
人の心を食らう「兇魂」が跋扈する幕末の京都。その兇魂を喰って祓う「魂喰」と新選組が手を組んで治安を守る。胸が高鳴る設定の時代ロマン小説です。土方歳三、沖田総司、永倉新八らの隊士たちの“らしさ”満点の台詞回しが素敵です。芹沢鴨の粛清から話が始まるのも血生臭い狂乱の日々のはじまりを象徴しているように感じます。藤堂平助に特別ななにかを感じる魂喰たちが一緒にどんな大暴れをしてくれるのか期待が膨らみました。
読んでいて楽しさが湧き立つ和風バトルファンタジーです。女剣士のユキジ、愉快な香具師のツクネ、そして鬼と人間の力を持つカリンの三者三様の個性が重なり合って物語を盛り立てています。霊力、霊脈、宝珠などの設定や、妖怪との戦いなど独自の世界観が構築されていました。アクションシーンの描写は、スピードと重力の表現が多彩で攻防の重みがわかりやすく伝わってきます。3人の関係性がどう変化していくのかを期待しています。
対魔法というテーマは、剣一筋に生きるキャラが最高に活躍できそうです。異世界に行くことで、キャラの価値観や人物像が輝きやすくなりますが、今作の芝原源之助は、まさにその典型です。弱き者を助ける優しさや、強敵にも立ち向かう勇敢さが存分に発揮されていました。まだ物語は序盤なので、魔法の使い手と華々しく戦う場面はほとんどありませんが、これから不利な立場の源之助がどう工夫して勝利を切り開いていくのかが楽しみです。
時代小説でありながら、キャラや事件に令和の読者が自分ゴトとして思い入れできる作品です。主人公は河川氾濫や土砂崩れなどから地域住民を守る役目の土砂留め役人。理想の防災を抱いても、自分の裁量ではできる範囲が限定される葛藤はリアルでした。家庭においては生まれてくる子に対して父親になれるのかの不安など普遍的な悩みです。防災という仕事や名家に婿入りしたことへの引け目など現代に通じるテーマが没入度を高めています。
計算のない主人公の立ち振舞いに心が温かくなる作品です。無邪気で無垢な野生児の平太郎が、周囲の人物たちの心をほどいていく様子は心が洗われました。大食漢で飾り気のない性格であり、弱い者を守って戦う平太郎はある意味、古典的なヒーローです。しかし、時代劇の世界では普遍的な主役としてのカッコよさがありました。とくに若殿たちのお守り役の侍と最初は価値観が合わないのに、やがて心が触れ合っていく流れは素敵です。
歴史の英雄に転生できたとしても「本能寺の変」の直前の織田信長では話が別です。まるでデスゲームのような状況ですが、3日間の猶予があるという設定が今作の面白さを際立たせていました。主人公が歴史を変えてでも生き残りを図るあの手この手が愉しいです。また本能寺から生き延びても、その後の戦国時代もサバイバルしなければならないと考えるのも自然でした。明智光秀と直接交渉する場面には緊張感とユーモアの両方を感じます。
主人公の桜太郎の不思議な個性に魅了されました。武士の子らしからぬ考え方、ふるまいをしているのに共感できます。父親を殺されても安易に同調圧力に屈せぬ自分の意志を持っています。乾いた視点で綴られている文章は、ときに桜太郎自身の内面でさえも客観的に見つめている部分にとぼけた味を感じます。覇気を感じられなくても決して愚鈍ではなく、剣の腕はピカイチというキャラクター像は、劇中の誰と絡んでも楽しませてくれました。
剣豪vs忍者軍団のスペクタクルなバトルを堪能しました。実在の剣豪・荒木又右衛門の歴史上で語られていない部分に光を当てる趣向には胸が躍ります。本多正純を陥れるための陰謀に真っ向から立ち向かう又右衛門の活躍に胸がすきます。しかも、鉄砲や忍術を駆使してくる敵に対して、刀一本で勝負を挑む構図は、まさにヒーローそのものでした。壮大で骨太なストーリーにふさわしく、隅々まで美しい筆致で気持ちよく読みやすかったです。
スケジュール
・応募期間:2024年6月3日(月) 12:00:00 ~ 2024年8月4日(日) 27:59:59 ・最終結果発表:2024年10月中旬頃予定
募集概要
良い作品を執筆したい!というあなたの気持ちをエブリスタが応援します! 「未完結でも参加できる 執筆応援キャンペーン」!! 【コンテストの特徴】 執筆意欲を応援するために、3つの特典をご用意しました! ・優秀15作品以上に、作品へのアドバイス ・大賞受賞者には、キングジム社の「pomera DM250」をプレゼント ・準大賞作品以上は完結後に、「完結作品特集」へ掲載 【こんな方にオススメ!】 書きかけの作品、眠っていませんか?  書きかけの作品も積極的に応援します!  眠っている作品、構想段階の作品でも、どしどしご応募ください! 昔書いた作品、アイディアはいいと思うんだけどなあ……  このコンテストに応募すれば、さらに良い作品にできるかも!?  ぜひ昔の作品にもう一度光を当ててみてください! どんな風に続きを書くか迷ったときは、こちらの記事を参考にしてみてください。 書きたい気持ちに火がつくメディア monokaki(創作ハウツー)
募集テーマ
第46回目のテーマは「侍/剣客/武士道」です。
・顔を隠し、誰も素性を知らぬ流浪の剣客。その正体は、侍として生きようとする女だった――。 ・幕末の志士が現代にタイムスリップ!現代社会の中、己の武士道を貫こうとするけれど……? ・剣豪の霊に憑りつかれた剣道少年が、霊の力で全国大会制覇を目指すことに!?
など、「侍/剣客/武士道」の要素が登場する小説を募集します。 次から次へとページをめくってしまうような、続きが気になるお話をお待ちしております!
賞
大賞 1作品 ・賞金3万円 ・作品へのアドバイス ・キングジム社「pomera DM250」をプレゼント ・完結後に特集掲載※ 準大賞 1作品 ・賞金2万円 ・作品へのアドバイス ・完結後に特集掲載※ 入賞 3~5作品 ・賞金1万円 ・作品へのアドバイス 佳作 10作品程度 ・作品へのアドバイス
大賞の方にプレゼント!
※ 特集掲載は、受賞から半年以内に完結した作品を対象とさせていただきます(投稿時に完結している作品も含まれます)。完結後、受賞連絡時にお伝えする宛先へご連絡ください。ご連絡を頂けなかった場合は、特集掲載できない場合がございます。 ※ 大賞、準大賞、入賞または佳作(以下、「受賞」という。)の作品はエブリスタ公式SNS等で配信、紹介等される可能性があります。
応募要項
・文字数は20,000文字以上 ・20,000文字まで読んで選考、作品へのアドバイスをいたします。 ・連載中の作品も応募OK! ・すでに完結している作品 並びに エブリスタ内の公式コンテスト及び他サービス等の投稿コンテストで落選した作品を、募集内容に沿うように再構成してご応募いただくことも可能です。 ※非公開設定している作品は、選考対象外となります。 ※エブリスタ内の公式コンテストや他社サービス等への重複応募が確認された場合、応募取消しになる場合があります。
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コンテストの注意事項(必読)