騎士アイリスは容姿端麗な侯爵令嬢でありながら、殿方を寄せ付けない“氷の花”と呼ばれていた。ある日、幼馴染である国の第二王子・リアンから縁談を持ちかけられるが、相手は女癖が悪いと評判のラングラジュ王国第一王子・レナード。困惑するアイリスにリアンは、彼女の剣の師であるロイと恋人を演じる策を提案する。無理のない偽装をするため、ロイが熱烈に惚れている設定に決まるのだが……。溺愛と純愛が錯綜するラブコメディ！

シャルロッテは感情が昂ぶると手にしたものを破壊してしまう体質で、“怪力令嬢”と噂されている。ある日、スワード王太子と出会った彼女は極度の緊張から、手にしていたショコラケーキを箱ごとぶっ潰してスワードをチョコレートまみれにしてしまった。しかしスワードは激怒することなく、シャルロッテに「王宮に住め」と命じる。彼女の怪力の謎を解明し、“か弱く”すると言うのだが――。溺愛する王子と怪力令嬢の恋愛ファンタジー。

スポーツ推薦で高校に入学した、バスケ部スタメンかつイケメンの蓮は、同級生の悠花に恋をした。だが彼女はお嬢様な上、父の後継者となる8歳年上の野宮と婚約している。悠花を“姫”と呼び、デートのアプローチを続ける蓮。そんな様子を知りながら、「学生の時分は好きにしていい」と言う野宮。書道家でもある悠花の心に「姫の武器は言葉」と指摘してくれた蓮の台詞が刺さる。ついに彼女は闘う覚悟を決めた――。火花散る三角関係の恋愛ストーリー。

姉と同居していた澤村莉菜は、彼氏と同棲することになった姉から、代わりに木嶋美妃という女性とルームシェアを勧められ承諾する。システムエンジニアの莉菜は上司の久藤尚志と付き合っており、同期の大橋拓海から何かとフォローを受けていた。そんなある日、新たなプロジェクトを手がける莉菜たちに新メンバーとして美妃が加入。しかも彼女は尚志と旧知の仲で、4人の関係に変化が起きて……。不穏な空気を漂わせた恋愛ストーリー！

大手食品会社の開発部主任・吉田進は恋愛に無頓着に生きていた。そんな彼だが、会議で出会った年下で優秀な若狭廸のことは気になる。帰り道が一緒になった時、「僕は恋愛に向いていない」と吐露した進に、なんと廸は「私と恋愛ごっこしてみませんか」と提案してきた。本気でないからお互いに気が楽だと言われ、進は了承する。果たして“ごっこ”に対する2人の線引きはどこまでなのか!?　恋愛が次第に深まっていくオフィスラブストーリー！

電脳世界『CC』では老若男女問わず、誰もが“アバター”と呼ばれる分身の姿で過ごしている。このバーチャル空間でのトラブルに対処する、警察的な役目を果たす電脳セキュリティに、女子高生の亜由はスカウトされたメンバーとして働いている。今日も『CC』にダイブしてパトロールしている途中、違法アバターと遭遇。早速拘束し、強制解除の手続きを取ると、次は救助要請が入りと大忙しで――。電脳世界の青春お仕事系ストーリー。

失恋で泣いていた親友・千秋が突然吹っ切れた。沙都子が理由を訊いてみると、「あいつと別れた時の記憶を預けたんだ」と言う。その話から『さようならの預かり所』という、お別れの記憶を預けられる場所の存在を知った沙都子。半信半疑ながら千秋から聞いた住所を訪ねると、雨無という男性が対応し、自分は“人の感情の色”が見えるのだと言った。そうして沙都子を“深緑色”と評し、「怖いお別れがあったのかな」と質問してきて――。心の重荷を取り除いてくれるお店の物語。

高2の天音と邪馬斗は、さまよえる魂を黄泉の国へ送る巫神楽の、現代の継承者だった。邪馬斗が魂送りの笛を吹き、天音が舞を舞うことで、魂は安らかに送られる。しかし青春を謳歌したい2人は、巫神楽の練習をおろそかにしがち。案の定、年に1度の例祭で未熟な奉納をしたために、神鏡が割れてしまう。このままでは大切な人たちがあの世に行けない。ようやく2人は真剣に巫神楽と向き合い始め――。せつない現代ファンタジー。

きーちゃんのパパはシングルファーザーで、ちょっと変わっている。演劇部の彼女は文化祭の舞台で台詞ありの役をもらったが、パパには絶対に来てほしくなかった。なぜならパパは力士並の巨漢な上、日常生活で歌って踊ってターンを決めるのだ。娘として恥ずかしいきーちゃんはパパに、「100㎏痩せること」を文化祭に来る条件として課した。努力するパパだが食事を我慢できず、ついにきーちゃんは爆発する――！　父と娘のほのぼのコメディ！

アイドル出身で新人俳優の久住明世は、有名芸能人の娘という呪縛から逃れようと必死だった。そんな彼女は、子役時代から名が知られている俳優の水野裕太と近所付き合いがある。3歳でデビューした彼は、明世の母・やよいともドラマで共演していた。年下ではあるものの、演技に関しては一日の長がある彼から、明世は演技の個人レッスンを受けている。少しずつ成長する2人は芸能界の闇の中で、輝きを増していく――。夢を目指す2人のお仕事系青春ドラマ。

エランドルク王国の司祭は人に取り憑いた悪霊を祓うことができるが、彼らの手に負えない場合は祓魔師を呼ぶ。司祭ベルマンから魔族の処刑依頼を受けた祓魔師ファーレインだが、彼の身体の中に棲む魔族オルグレウスは、ベルマンは何かを隠していると指摘する。人を傷つけずに生きる魔族もいれば、獣のような心根の人間もいる。ファーレインは人と魔族の狭間で生きていく――。人間と魔族が混在する異世界ファンタジー。

伯爵家の長女ミリアは冒険者として名を馳せており、魔物を狩る腕は一流だが、美しい妹のクリスを可愛がる両親からは疎まれている。ある日、邪神への生贄としてクリスが選ばれたことに仰天した両親は、姉であるミリアを身代わりに差し出した。しかし彼女に死を受け入れるつもりはなく、邪神と戦う覚悟を決める。そんなミリアに対し、邪神は意外な提案をしてきた――。異界の少女たちの成り上がり逆転ファンタジー！

伊賀の若き忍・東雲が目覚めると、足元に鬼の死体が転がっていた。彼はその直前、同じ里の仲間から見捨てられ、命を失うほどの大立ち回りをしたばかり。別の世界で新たな生命を得たと悟った東雲は、忍びの技と知識を駆使して地獄から抜け出そうと試みる。道中、いじめられていたネズミが鬼たちへ反旗を翻して立ち向かう場面に出くわした東雲は、考える前に助太刀に飛び出していき――。戦国の忍が異世界転生して暴れる痛快ファンタジー！

西暦3341年。記憶監理委員会の三級記憶採掘官であるミハルは、人類の記憶を掘り起こし、復元し、選別する日々を送っていた。約800年前に起きた世界的な食糧危機により、人類は凄惨な歴史を刻んでしまっている。その悲劇に伴い大量に失われた文明や技術を発掘し、改めて後世に残すのがミハルの仕事だった。いま彼が見ているのは、西暦2500年。食料を求めて故郷イタリアから旅立つ、2人の姉妹の記録だった……。オムニバスで語られる近未来SF。

酸素濃度が15％を切ってしまい、その星のほとんどが人が住める場所ではなくなっていた。そこで東の島国は、人々が安全で幸福に暮らすことができる『緑ヶ丘ニューシティ』を建設する。楽園に見えるその都市には、酸素を生み出すために葉緑体を付与された、“プラント”と呼ばれる人工児たちがいた。アザミとヨモギもプラントであり、その副反応として特殊能力を得ていたが……。人と新たな人類との共存が緊迫する近未来SF。

悪霊と化した霊体“ゴースト”の襲来を受けるセンシアでは、インフィニティ・ハイスクールに“特例班”を結成している。特殊能力を持つ学生を集めて、ゴースト討伐を担わせているのだ。その1人となった白波瀬雪乃は、まだ何の能力にも目覚めていない。にも関わらず、入学した翌日に8体のゴーストの討伐チームに入れられてしまう。その上、予想以上の強敵と遭遇してしまい……。仲間と成長していく美少女バトルホラー！

建築系の事務所で働く玉井真実は結婚が決まり、周囲が慌ただしくなる中、精神も不安定だった。ある朝、担当する取引先に緊急で向かわなければならなくなった彼女は、強力な助っ人を得て現地に到着。すると担当者が入れ替わるように車で出かけてしまった。担当者は気難しい取引先として認識されている宇野……。違和感を抱く真実だが、それはただのマリッジブルーなのか？　この世の境界線がぼやけるお仕事系ホラー！

信州御影町の中学に転校してきた3年生の早乙女千尋は、いじめのターゲットにされてしまう。卒業までの期間を我慢するつもりだった千尋だが、駅のホームから突き落とされた。間一髪命拾いしたものの、いじめはエスカレートするばかり。そんな中、優しく接してくれる中野広樹とデートの約束をした千尋。嬉しさ一杯で当日を迎えた彼女が玄関を出ると、待っていたのはいじめグループのメンバーだった――。怨念渦巻く昭和の学園ホラー！

女扱いされるのが大っ嫌いな小3の旭葵は引っ越した先で、同い年の少年・一生から「俺の姫にする」と言われ喧嘩した末に、親友になった。そして時は流れ、高校生になっても2人の関係は変わらない。しかし旭葵は、一生が過去何度も優勝していたトライアスロンをやめてしまった理由が気になっていた。その上、女子からの告白や、お互いへの秘めた想いに悶々とする2人の心の距離は時折、ギクシャクしてしまい――。高校生同士のピュアなBLストーリー。

家が隣同士の中西穂高と野村皐月は家族ぐるみで仲が良い。穂高は美形の皐月に対して、幼い頃からコンプレックスを感じていた。ところが中学卒業時、なんと皐月から「付き合ってください」と告白されたのだ。そうして交際し始めた彼らは幸せな関係を続けていた。ところが進路を決める時期になり、穂高の志望大学に皐月が追随したことで、2人は口論に発展してしまい……。美形×平凡の同級生BLストーリー。

三宮与は新聞部の部長・千木良千秋に強硬に誘われ、渋々“学校の七不思議”の調査に付き合うことになった。まずは定番のトイレに向かい、ドアを決められた回数ノックすると、中から「どうぞ」と返事が聞こえドアが開き出す。危険と判断した千秋はドアを押し返し、すばやく撤退した。もしあの呼びかけに応じていたら、何が起きていたのだろうか。他にも呪われた部屋や、過去を映す鏡、未来スプーンなどの七不思議に挑んでいく2人だが――。学校の怪談テイストの微ホラーBL。

こちらを覗く顔から目が離せない――。光の当たった少年のイラスト！

ぷくりと膨らむピンクの風船ガム。紅い瞳のチャイナ風少女イラスト！