つぶやき一覧

 行きつけの美容室がある──といっても、もちろんカリスマどうのこうのとかいったそんなたいそうなものなどではなく、髪型にまったくこだわりをもってない人間なのでたんに手頃な値段で気軽にカットしてもらえるのがそこのお店ぐらいしか近所にないからという理由のみの「行きつけ」なのですが、そのぶん予約制でもないため時にはまあまあ待たなきゃいけない場合もあって、いつも見るともなく眺めて相変わらず表紙を飾るのは男性アイドルか皇室ファミリーばっかだなあとか、真偽もふたしかな芸能ゴシップや金にまつわるトピや美容健康ネタ、とりわけダイエットのありとあらゆるあやしげな方法がほとんどだなあとか、そういう感慨を懐かせる女性
 King Crimsonの大傑作アルバム『Red』、僕にとっても大大大と大をいくつもつけたいくらい特別に大好きな作品なんですけど、発売50周年記念版がつい先日リリースされ、そのスペシャル・エディションのなかに収録されているエレメンタル・ミックスがサブスク解禁ということで、エレメンタル・ミックスとはなんぞや? というのはとりあえずおいとくとして、いま、まさにそのエレメンタルなミックスの音源を聴きながらこれを書いているんですが、いやはや、やっぱり凄まじくすばらしい、おそろしいほどの音圧、音粒、音塊、音数、音像の美しさ。変拍子やポリリズムをとことん追求しているという面では80年代のメンバー編成時の
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 ふと、実際に撮った写真の人物や背景の一部分を自由に、かつ自然に消したり付け足したりできることを当然だとアピールするGoogle Pixelの編集マジックとやらのCMを目にしておもったのが、いやはや、いよいよ、いやいや、つくづくというべきか、現実の変容(編集ともいう)もここまできたか、と。たしか、もう何年も前に批評で僕はもうひとつの、べつの、異なる世界をリアライズする「仮想現実(Virtual Reality)」とか「代替現実(Substitutional Reality)」とかいった技術革新や認識変更より、いくつもの世界が複雑に繋がり、重なり、混ざりあうことになる「拡張現実(Augmente
 大阪に住む方ならご存じだと、いや僕も長年わりと住んでいるわりに最近まで知らなかったのでそうはいいきれないとこありますね、その存在じたいはちょこちょこライヴを観に行く機会があるたび気づいてはいたんです、はい、たしかにそこにあるってことには気づいてというか知っては、で去年だったかな、積ん読してあった叶紙器の『伽羅の橋』を読んだら、まあこれがめっちゃおもしろくて、ひさしぶりに社会派エンターテインメントを存分に味わえたし戦争と震災について勉強なったしで一気読みしまして、で作中に京橋から森ノ宮、玉造、桃谷あたりまで大空襲があった話が出てきて、さすがにそれは何度か耳にはしていたとはいえその辺一帯が大規模
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 復習と確認のため整理しておくと、イスラームの開祖ムハンマドが生まれ育ち布教をスタートさせたカアバ聖殿のある町マッカ、迫害を受けて闘争と避難をくりかえしながら移住したのち初めて礼拝所のモスクを建設、部族の別を越えた共同体のウンマ成立から教団国家の礎を築いたムナウワラ(光り輝く)マディーナ、それらふたつの聖都につぐ第三の聖地としてのエルサレム、正確にいうと新市街である西側ではなく旧市街の東エルサレムに世界三大宗教の聖域が集中しているわけですが、というより旧約聖書に記された内容をもとにアダムとイヴからノアを経由し共通の祖先セムの子孫としてユダヤ教のモーセ、キリスト教のイエス、そしてイスラームのムハ
 奇遇にも、この半年あまりのあいだにたまたま今年刊行された批評関連の書籍でいいものを連続して読みまして、とても意義深いというか価値高いというか、見ようや人それぞれのとらえようによっちゃ中途半端な内容にも不完全燃焼の未完物にもおもわれちゃうでしょうけどけっしてそうではなくて、おそらくその先へつながってゆく、伝えられて次の形になるための、意味ある現在地の再確認とか助走の準備体操ではないかと、より具体的にはその人だけが知りえる思索しつづけたからこその、稀少な知識だとか貴重な見解、気づかなかった観点だとか可能性を秘めた手法だとかですね、とにかく豊富豊作、触発的このうえない、ということでだいたい刊行順(
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 ドストエフスキー、とくにその後期長篇群を論じるにあたってバフチンの提起した、現在ではあまりにも有名な(はずであろう)術語概念「ポリフォニー(多声)性」がいかに小説にとって大切かというのはもはや説明するまでもないとおもう、おもうけどもドストエフスキー作品をたったの一冊も読んだことのない物書きや物語好きが増えたといわれてひさしく、いまどきそれもあたりまえということらしいから何ともいいがたいとこもあるのですが、僕はやっぱりすごく大切だとおもうし、昨今かしましい「ダイヴァーシティ(多様性)」という安直なキャッチフレーズの短絡的な理解と利用を破り覆し更新しなおすためにも重要なキーワードだとあらためて考
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 しかし、なのに、だが、けど、でも、ものの、とはいえ、にもかかわらずetc.って言葉あるじゃないですか、つい最近SNS上での知らない人とのやりとりについて知人から話を聞いたところ、僕、ある新発見しちゃいましたって個人的に、まあ、あくまで個人的な発見というか見解なので、事実、世界初かどうかはわかりませんし保証はなんらできませんってことを前提にいうと、なんか、相手からのコメントでおかしなというか面倒な、社会人としてマナーや見識を疑う文面ってあるんだよねーってケースがあると、他人のつぶやきに対して、共感や賛同して「いいね」押すなりコメントするなりしたくなってするのは理解できるしまあいいとしても、逆に
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 しかし、と戸惑う。しかし、なんだ、この閉塞感? 行き詰まり煮詰まりとは以前いったものの、ほんとうになんなんだ、この思考のアイロニー、隘路に入った感じ、暗礁にのりあげちゃった微妙な逡巡、躊躇、優柔不断。完全に詰んだって感覚か、これが。ま、詰んだはいいすぎとしても、うまくいかないっていうか、やる気が起こらないってモチヴェーションの問題はある確実にある。1000文字つぶやきのこの場ではいつも、できるかぎり自作の裏話や宣伝などはほんの付け足し程度で、もやっと曖昧にしてあまり積極的にしないようにしてるのですが……今日はすみません、盛大に愚痴らせてください! そして、壮大な言い訳させてください! んでん
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 十何年ぶりだってぐらいひさしぶりに、なんか最近こういうのばっかな気がしますが、まあとにかくひさかたぶりにRadioheadの『Let down』を無性に聴きたくなって聴きました。ギターアルペジオとコーラスのアンサンブルがむちゃくちゃ流麗で、うーんもうたまんない。歌詞も最高──って内容はむちゃくちゃヘヴィでまんまダウナーな、最低最悪の気分を歌った鬱まるだしなんですけどね、これがいい。気分いいっていうか、気持ちがよくなる、調子よくなるっていうか。やっぱ、アルバム『OK Computer』は名盤。その三枚目までしか熱心に聴いてないもんで、少年A以降は知らんのですよワイ、はい。たしか、『Parano
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 この「つぶやき」っていう露骨に旧Twitter(現X)──この旧(現)ないしは現(旧)ってのよく目にするから一度いってみたかった意味なく──に似せたやつ、フットワーク軽くフレキシブルにやってみようのコンセプトのもと、ひとつきにいっぺんと自分のなかで決め、もうかれこれ二年ほど途中数ヶ月の過密スケジュール(というより煮つまり行きづまり)により中断をよぎなくされた以外コンスタントにはたまたあるときはストイックにと、いろいろあれこれ実験的にチャレンジしつつこっそりひっそり地道につづけてきたもんなんですが、たまに、ほんとごくごくたまーに、もはや奇蹟的ともいっていいほどごくまれに、ほかの創作者の方とレヴ
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 “Rue Delambre Courtyard in Snow”『ドランブル街の中庭、雪の印象』という、藤田嗣治の絵が好きで。まだ例の「乳白色」も確立してない1918年頃のパリ周辺の景色を切りとった小品といった感じの、どちらかというと習作に近い地味な風景画にすぎないのですが、一目見て惚れましたね。椹木野衣の美術批評で『アッツ島玉砕』を知って以来フジタのファンで、画集などに掲載された写真ではなく、いつかは本物をじかに見たい見たいとおもってたというのもあって、もう五年以上も前ですけど2018年に京都国立美術館で回顧展が開かれていた際ふらっと鑑賞しに行ったわけです。偶然、駅の冊子か電車の中吊り広告
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 むちゃくちゃ荒れてますね。いろいろ年明けから大変だっていうのに、暮れから大荒れに荒れて混乱しているみたいです。ちらほら一連の騒動を窺っていてどうも首をひねらざるをえないのは、世間の反応やマスメディアの報道。ファーストリアクションが本人のコメントも所属事務所の声明も相当まずかったですが、それに輪をかけてひどかったのが業界の対応。  一般素人であろうと報道機関であろうと、とにかくまず当該事実じたいの確証をある程度は得るなり最低限は数そろえたりするなりしてから発信すべきでしょう。相も変わらず知るばかりで考えないというか、情報を大量かつスピーディに感受する一方で、慎重に時間をかけて自分で精査すること
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 2023年もあと二週間で終わり、今年は小説の創作よりも批評のほうに力を入れましたし、柄にもなくTVドラマもよく観たほうです、がインプット強化はここまで、来年はこの調子で評論活動を継続しつつ創作活動に集中してやるぞ、ということでいちおう僕はこれでも活字中毒を自認している人間、本年もけっこうそれなりに本を読みました、いや、ま、といっても一週間に平均だいたい二、三冊読了する程度なので本物の本好きからすればたいしたことないかもしれません、が試しに順不同でベスト5ぐらい勝手に発表してみましょうか、とちなみに、いわゆる積ん読していた本もあったり、とうに発売していたのを知らなかった、興味をもって購入したの
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 どうでもいいっちゃどうでもいいんですが、というのも学校なんて行きたくない人はsuicideしてしまうくらい苦にしてまでむりして行く必要なんかないし、学歴で人の一生がほとんど決まるって強制されるのもそういう社会的な制度や価値観ごとまちがっているので、としても学習する場が現にいまも存在してある程度それに従わなきゃならないっていうなら、せっかくだから義務教育の必須教科に「哲学」はあったほうがいいと個人的にずっと前からおもっているんですよね。哲学ってギリシャのイメージが強いでしょうけど、じつは古今東西あらゆる学問の大本も大本、基本のキ、いわばスタート地点なんです。イデオロギーとか思想とか系統的なもの
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 今年はめずらしくテレビドラマをなぜか、わりあい熱心によく観ています。個人的な感触としては当たり年なんじゃないかなあと。実際くしくも、安達奈緒子脚本の『100万回 言えばよかった』ではじまり『きのう何食べた?』で暮れていくという。とはいっても今期もいくつか、ひとクールっていうんですか、毎週せいぜい二、三作ほど観てるにすぎないですが。で先日、最終話が放送された『何曜日に生まれたの』、いやあ凄くいいじゃないですか、刺さるとかエモいとかじゃなくて広がるっていうか連れていってくれるっていうかね、とはいえ〝いま〟ふうにうまくアップデートしようと工夫してはいてもちょっと現代ドラマにしては主要キャラである若
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 ゾーンに入るっていうんですか、覚醒とかいうあれ、あの状態じゃないかとまさしく、マカロニえんぴつのニューアルバム『大人の涙』、まちがいなくまごうことなきマスターピースじゃんと、ハードロック色抜群のギター奏法も自由に風味ゆたかにフィーチャーされたキーボードアレンジも機微のあるベースのタイト感とフレーズも全曲たのしくてすばらしいのはもちろん、雑種天国たる日本文化の本質ごった煮のでたらめ性ともいうべき独自性、日本のロック、日本語ロック、日本のロックンロールバンドに脈々と継承されるパロディ精神であるとか諧謔性であるとかいったようなようするにユーモア、ユニークな音のマジックがそこには確実に核心にあります
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 われながらよくもまあ、ずいぶんおかしな、こんなとんでもなく奇妙な話を考えついたものだ。奇天烈、といってもいいのかも、直截に。自画自賛じゃないですけど、いやそうかもしれないにしても、とにかく自分で構想しているときも執筆しているあいだも終始あきれるほど、それくらいヘンテコリンな物語をつくっちゃいました。  ほんとうはショートめの短篇より少なくとも中篇くらいのヴォリュームに、アイディアも描写もふくらんでいたんですけどね、例によって毎度のことながら文字数制限のため、本来なら三、四倍の分量にはなるところ、しょあなし泣く泣くカット。同時におもいついたみっつほどの大ネタは盛りこむのを直前でとりやめ、設定も
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 小説を読んでよかったってほんとうに心底実感することがあって、それは「この」小説と出会えてよかったっていう稀有で貴重な経験から生じた素直な感想そのまんまかもしれないし、小説を読んで「いて」よかったっていう継続に導かれた反復の偶発的な確証の積み重ねかもしれない、それこそ前回コメントしたように小説にかぎらず音楽でも美術でも映画でも表現されたもの、創作された何かであればジャンル問わず何でもいいわけで、おそらくそれは僕だけじゃなく誰でもそうなんでしょうけど、これ傑作じゃんと、途轍もない作品じゃんと、吃驚仰天、感慨無量、どんなふうにいっても自由ですがとにかく、おおげさにいうと人生が変わるような未知の新し
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 どんな創作者でもけっこうそれぞれにこだわっているというか、とらわれているというか、意図してあるいは意図せずとも、作品のなかでくりかえし描くモティーフというものがあって、たとえば画家の藤田嗣治でいえばそれは「猫」で、『自画像』『横たわる裸婦と猫』『争闘(猫)』『猫のいる静物』等々と生涯にわたってほんとうにたくさんある。小説家の島田荘司なら『異邦の騎士』『眩暈』『エデンの命題』『ネジ式ザゼツキー』といった一連の傑作群に共通しているのが「記憶」、その生成過程が現実と幻想を対立的にではなく融合的に生みだすという認識や構造の物語。THE YELLOW MONKEYには『LOVERS ON BACKST
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 音楽を好きでよかった。  世界的コロナ禍で「不要不急」という抑圧により、さまざまなアート領域が実利とモティベーションの両面で厳しい状況に追いつめられ苦境に陥ったのですが、その逆境は逆に、あらゆる表現する者が物理的にも精神的にも閉じ籠ったがゆえの、孤独な、どん底の底のそこから、いまこそ何を生みだすのか発するのか、まさに試されたのではないでしょうか。見つめなおしや覚悟を要求されたというか。簡単にいえばようするに試練、鍛練の時期だったというわけで、たんなる流行りものにのっかった半端なものはサヴァイヴできる余地などなく、淘汰という環境の選択圧は人間の存在意義を、欲望を根本的に問いなおし、ほんとうに大
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 新しい連載批評の予定を急遽変更し、二回つづけてファランクスさんの本格作品を論じました。すでに以前発表された当時すぐ拝見していましたから頭にだいたい内容はインプットされているはず、ということで、あとはあらためて再読してから紹介と評論をおこなうだけでしたが……うーん、やっぱり基本ネタバレのない批評ってのはむずかしい。ことにミステリー/推理小説の場合、肝心要の部分っていやあ、まあ、ほぼほぼ真相解明にかかわるじゃないですか、巷では暴露系ってのが何かと話題らしいですが、こちとらそのあたりをちょくせつは明かさないようにうまく解説しなけりゃならない。否、解説っていうより分析や議論をするのが目的ですからね、
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 戦場へ行け、兵士として敵と戦え、と自国から命令されたら、あなたはいったいどうしますか──?  僕はぜったいやりません。百田尚樹の小説家デビュー作にしてロングセラー作品『永遠の0』はようするに、その問いに対して巧妙かつ狡猾な解決策を用意したといえます。戦時中に喧伝されたお国のためにという忠義心と、戦後に民主主義とセットで浸透した個人主義の価値観という、拗れ、ねじれ、相互に断絶しながらも奇妙に同居する二極化した集団心理を、有事には愛する家族や仲間や郷土を護るため自衛のために戦わなければならないという国民の義務と、もう二度と戦争という過ちはくりかえすべきでない誰の命もみな大事という反戦の倫理との、
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 ずいぶん長いことあたためているアイディアのいくつかに小学生の作文という形をとるものがあって、もちろんそれはただ作文形式にしたらテクスト的におもしろいだろうというだけの、奇をてらった短絡的な発想ではけっしてなくて、ちゃんと本格ミステリー/推理小説としてねらいや理由が確固としてあるわけなのですが、今回ひさしぶりに短期間で書きあげた単発ものの短篇も、とはいえ公式コンテスト参加作品なので急遽そのテーマにそって考えだした内容で、かつしかも個人的なコンセプトとしては叙述〝ロジック〟実験シリーズにもするため、作中作として小学校の卒業文集に掲載された作文が挿入されています。作中作、といっても今作は厳密には主
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 何を表現したいのか、誰へ伝達したいのか。  気づけばひたすら黙考をしいられたというか、みずからに徹底した熟考を要求させられたというか、この半年間ほど、とにかく思考力も体力もやたら削られ無為に消耗し、これからの結果しだいではあるいは溜めこみ鍛え上げられたともいえるかもしれない不毛の日々、まあでも体感的にはあっという間の毎日でした。  総じておもうのは、現行のシステムにおける機能不全や構造的不備が、もはや誰の目にも覆い隠せも看過もできなくなってしまったくらい悪化し、いよいよ末期症状を見せはじめたのではないかという疑念とともに、SNSやマスメディアを介した情報発信者というおなじスタンスでも、リベラ
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 少し長めの休止期間があって結果よかったかもしれません。自作の「再建されたバベルの塔の密室」、致命的欠陥が見つかりました。あぶなかった。そのまま突き進んでいれば、危うく解答編途中で破綻するところでした。フィクション、しかも虚構性も人工性もとくに高い本格ミステリー/推理小説なので、多少のむり矛盾はかならずしも瑕疵になるわけではないとはいえ。まあでも、一部を構想しなおしたことで、一作目と同様に複雑な、ひねりというより歪みをくわえられそうです。  だいたい前作でも、主題が革命or暗殺だからと参考のためサルトルの戯曲まで目を通したのに、ほんとうはカミュを参照すべきだったことにあとで気づくという……うっ
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 僕の知るかぎりでは、にあくまですぎませんが、こんサイト今年度最注目作品二作が偶然おなじタイミングで完結しました。  春野わかさんのいわゆる異世界転生チート物のベタな設定パターンを逆手にとったというか逆転させた発想と表現力がみごとな、アンリアルでリアルなアンチ現代ファンタジー https://estar.jp/novels/25928958  題名からしてそれっぽくありながら皮肉とひねりが効いてて、現代的な風潮や小説の流行傾向を踏まえつつ故意
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 ときおり偶発的に出逢う、というか、衝動的に惹かれるという体験があって、それは作品タイトルからしてすでにあらわれている言葉のセンス、作中自由に縦横無尽にあふれでる独特な単語のチョイスや文章の組み立て組み合わせの羅列だったりするわけですが、直近の出来事でいえば、屋島司さんの https://estar.jp/novels/25957903がまさにそう。「耳を狩る」って、しかもそれが「少女」って──初見で射たれましたね。一読してさらに衝撃。言の葉
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 メタ批評&メタフィクションの拙作、先日ようやく第一の事件(?)がめでたく解決を迎えました。やっとこさ一段落終え、第二部へ突入する前に必要な前段階の作中作を少しずつ挿入し、毎日アップデートしていっているというところです。この挿入作の短編じたいは、もうずいぶん以前から公開している完結作品を多少、ほんとうにちょこちょこっとちょっぴりだけ、せっかくの機会だからと加筆修正しながら長篇にインストールじゃないですけど、作品内にとりこんでいます。これが、次に展開するディスカッションの前提にも、ストーリー全体と作品テーマを象徴する要素にもなる。けっしてサボっているというわけではありません。  で、しばしラク
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 やっぱり熱がでるじゃないか熱が、ワクチン三回め。そしてついにでました、ここではめったにほかに類を見ない非常にテクニカルなというか、プロット構成的に複雑な作品が。https://estar.jp/novels/25907166  複数の語りを駆使した日常系ノワールとでもいうべきユニークで画期的な作品、一読の価値ありです。技巧的にすぎて、一読しただけではわかりにくい点も多々あるかもしれませんが。  作者のらるむさんとは例によって例のごとく何の
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