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三行から参加できる 超・妄想コンテスト おかげさまで第100回! 感謝のスペシャル回 「100」

記念の100回目に本当にたくさんのご応募をありがとうございました。100年、百物語、100歳など、普段よりも更にバラエティに富んだ楽しい回となりました。幅のあるお題だったために、工夫もたくさん見受けられて選考者も楽しみました。 お陰様で超・妄想コンテストは初回から数えて4年以上、100回を超える長寿コンテストとなりました。途中からは「5分シリーズ」としての書籍化も実現しました。これもこれまでご応募いただいた皆さま、応募作を楽しんでくださった皆さまのお陰です。心より感謝を申し上げます。 これからも気軽に楽しめる企画をご提供できるよう尽力してまいります。 ※非常にたくさんのご応募をいただいたため、選考が長引きましたことを心よりお詫び申し上げます。

エブリスタ賞(賞金5万円+選評)

渋谷のハチ公前。百の嫌な顔を見たら死ぬ。もし嫌な顔が百未満だったら、パンプスを買って帰る、と決めた女子高生。ネットで見つけた、自分を殺してくれる死神と待ち合わせて……。ハラハラさせられる生々しい設定と瑞々しい感性、そして切ない展開に心を打たれました。嫌な顔の100人目が**だった場面が印象的でした。世界には辛いことが多く、それでも生きていこうという気持ちにさせてくれる奥行きのある作品です。

河出書房新社賞(賞金5万円+選評)

仕事を辞めた男が身辺整理をする物語。主人公の一人称で語られるストーリーは、地の文を極力排し、やさぐれた男の独白で進行します。今時な口調、投げやりな言葉から、切羽詰った男が苦しい状況を笑い飛ばそうという、微妙な悲哀に溢れています。ところが、ラストの展開でそのとげとげしさがすべて反転していき……短編は、長編とはまた違った難しさ、面白さに満ちていますが、数ページの中にイキイキとした感情を閉じ込められています。(河出書房新社「5分シリーズ」編集担当)

超短編賞(賞金1万円+選評)

寓話です。童話的な語り口でほのぼのと読んでいると思わぬ暗闇に落とされます。これを淡々と説教臭くなく露悪的でもなく書けるのが上手いです。100匹くらいのありんこ、という小さいようで大きな主語がうまく活かされていました。

続きが読みたい賞(賞金1万円+選評)

長編の前日譚であり、作中で提示された謎は何もあきらかにはなりません。しかしながら、桜の木の下に本当に埋まっている死体の語りという衝撃的なイントロ、主人公の記憶にある犯人の台詞の巧みさと恐ろしさに、この後に始まる物語への期待感を強く煽られました。ぜひ続きを書いてみていただきたいと思います。

トンデモ賞(賞金1万円+選評)

謎のリアリティがあるトンデモ怪談です。文章にスピード感があって、笑いと怖さが緩急をつけてやってくるので、読んだ後も後を引きます。インパクトにトンデモ賞を差し上げたいと思います。

入賞(賞金1万円+選評)

百年生きた語り部が、百話目の物語を王に捧げる。隙なく、無駄のない展開で充実の読後感をくれる作品です。和風とも洋風ともアラビアン・ナイトののような不思議な世界観にも心惹かれます。
死んだ彼を生き返らせたいという望みを、百鬼夜行にかけた主人公は……。先の読めない展開に目が離せなくなりました。ハッピーエンドともビターエンドとも言える独特の後味が心に残ります。
動画投稿サイト【幽チューブ】に投稿され続けている【100人に言ってみた】シリーズ。道行く人100人に無理難題をふっかけていくそのシリーズを、ファンとして見続けていた主人公。危なげな動画、それをファンとして見続けるギャラリーの構図は共感度が高く、いつかとんでもないことが起きそうだというゾワゾワ感を抱かされます。そこから二転三転と恐ろしいオチに転落していく、サスペンスの力を存分に発揮した作品です。
お仕事小説は入社数年の若者ががんばる物語が多いですが、この作品は管理職になり子供もいるお父さんが主人公。大人ならではの苦悩や悩み、若い社員に対して苛立つ気持ちとまぶしく思う気持ちが両立して描かれており、苦みがありながらも最後にはスカッと爽やかに突き抜けていく味わい深さがありました。
丁寧で優しいのに、危うい語り口。柔らかいのにヒリヒリする言葉遣い。非常に繊細な文章で、100通手紙を書く女性の孤独と切なさが語られます。どちらに転ぶのか、バッドエンドなのかハッピーエンドなのか、どちらに転ぶのかわからずに最後まで張り詰めた気持ちで読み、それらが解放されるエンディングがやってきます。スリルと解放感を味わうことができました。

佳作

帰ってきた答案用紙は100点だった。100点だったんだが…。さりげないネタですが、オチで主人公の思考が切り替わって前向きになったことですっきりした読後感をくれる掌編です。
中学の文化祭でコンビ漫才をやろうと言ってきたあいつ。俺にはできないことをやれてしまうあいつ。ほんとはあいつに憧れてたんだ。親友のようなそうでもないような思春期から大人になる途中の友情です。人生の決断のきっかけはこんなとこにあったりするよね、と、自分に重ねて読める人もいるのではないでしょうか。
「親友だもんね」とあっけらかんと言う彼女。彼女が好きなのは俺のライバル。あいつに振られて俺のシャツで涙を拭く彼女を抱きしめることもできずにただ頭を撫でていた臆病な俺。少し大人になって再開した二人…。読みやすい。感情の書き方も関係性の変化も自然で、もだもだ可愛い恋愛ものでした。じれったいすれ違いが読ませます。
「記念物」に認定されたものは特別に管理され後世に遺されなければならない。そんな世界で、人魚の妹を守って逃げる兄は……。切なく、悲しいながらも文章で描かれた絵が美しく、純粋な愛に胸を打たれました。ディストピアとも呼べる世界と二人の純粋さのコントラストが感情を揺さぶります。
大学入学を機に入居したアパートの隣人は、品のある容貌と振る舞いで周りから「王子」と呼ばれるのにふさわしい男だった。彼は、車椅子に乗っていた。ともすればありがちな美しいという設定を最初で魅力的に見せてしまう時点で上手さが際立っています。それぞれのキャラクターがきちんと立っており、関係性の変化も納得できる話運び。環境描写も多すぎず少なすぎず、言葉選びも雰囲気を作るものを要所にのみ入れている完成度の高さです。このキャラクターで長編も読みたくなりました。
学校で眠り姫と呼ばれていた彼女は「夢の方が優しくて好きだ」と言っていた。私の知らない彼女の現実…。キャラクターに厚みがあります。導入のきっかけから盛り上げて、関係性の説明、次の登場人物、次の展開から話の核心へ、と起承転結の波がとても気持ちよく飽きません。人物が各々悩みを抱え、可愛さもあり、恋愛ものの要素もありと展開がスピーディーなのに急ぎ足だと感じずに楽しく読めます。せせらぎの環境だけはリアリティが薄かったのが惜しいです。
本数で変わる薔薇の花言葉。100本の薔薇でプロポーズをする!と意気込んだ私の想い人は一筋縄ではいかない人だった……。クスっとできて、オチもしっかりしており、読者の感情を見事にコントロールして、「ちゃんちゃん♪」と効果音が出そうなラストに持っていきます。手練れのギャグセンスを感じました。
娘の百個の願いを叶えてくれるという鎌鼬。キャラクターが魅力的です。中盤で明かされた思いもよらぬ鎌鼬の正体に驚かされ、二転三転してエンドに向かうハラハラ感があり、エンタメ性の高い物語でした。
ひとりで100人を保育したお話。現実味はないですが、ギリギリのところでありそうかもと思わせるリアリティを、保育の知識などをふんだんに使って成立させた力業にお見事と言いたいです。
公園で少年が描いていた絵は満開の桜。その絵には秘密があり……。テーマがしっかりしており、作者の伝えたいことがストレートに伝わってくる点を評価しました。人物像も物語にしっくり馴染むよう描かれています。
ショートホラーです。明治の近代化を背景にすることで、土着信仰や妖怪の超自然的恐怖を際立たせる効果がありました。文章力が高く、山奥の一軒家の侘しさや薄暗さがありありと目に浮かぶようで、それも相まって息を詰めるほどの恐ろしさが醸成されています。
喜兵衛の渡し舟は他よりちっとばかし値が高いが、使う人は少なくはない。少々高い金を払えば訳有りの客も運ぶ。ほら、今夜も訳有りの客がきた…。時代物。小難しい書き方でなく読みやすいです。それぞれの客の抱えた事情やそれを運ぶ喜兵衛のひととなりが山あり谷ありでドラマティックでした。
引きこもりの銀次に、幼なじみが語りかけてくる「銀は純度100%じゃ柔らかくて崩れやすい。少量の不純物を混ぜて硬度を出す。人もひとりじゃ生きていけないんだよ」。何を伝えようとして、伝えたくて書いたのかという軸のような部分がしっかりと伝わってきます。いびつな二人の姿を応援したくなりました。
鬼の少女と人の少女。一緒に満開の桜を見ようと言ったその約束は果たされなかったが……。人と鬼との関わり方が優しく描かれており、ほんわかした気持ちになれました。人間、鬼、陰陽師。立場や考え方の違いを経て友達になれるラストが素敵です。
100歳になるひいばあちゃんをおぶって登る金比羅山の100段の階段。登りながら背中で語られるひいばあちゃんの人生を聞きながら一段一段踏みしめた。家族のそれぞれの想いが優しい目線で書かれており、階段の段数と人生をシンクロさせておばあちゃんの人生に思いをめぐらせる読書時間を過ごすことで、読者も優しくなれるような作品です。
「百人村」はその名のとおりの村だった。それを維持するための掟は村人にとって絶対の生きる術であったから…。隔離された箱庭と外の世界の関係も交えて、完成度高くまとめています。寓話的にも読めると思いました。
猫の擬人化自体はよくある設定ですが、この作品は人本位の解釈になっていないのが新鮮でした。猫から眺めた人の人生と、それを眺めて猫が考えていることはこんな感じかもしれないと思える雰囲気があります。
とても文章が上手く、文章でしか表現できない種類の飯テロに成功しています。とても美味しそうなポテトチップス。読んだ人はポテトチップスを手に大切な人とのひとときを持ちたくなるでしょう。そんな優しさに満ちています。
一本の桜の下で繰り広げられるさまざまなドラマ。出会いや別れの儚さが桜によって際立っています。ショートムービーを観たような印象を残してくれる作品でした。
無口でぶっきらぼうだった父親との唯一の絆がバイクだった……。疾走感のある端正な文章で、静かにぐっと胸を持ち上げるような悲しみを描いています。言葉では表現しえない憧れや親子の愛情が確かに伝わってきました。
最後に幽霊が出てくる恐怖だけでなく、直接的でない間違いや噛み合わなさによって最悪の展開になるのが面白い怪談でした。幽霊を直接見せずにギリギリのところで匂わせるのもいいです。
財布を忘れてしまい、駐輪場から取り出せなくなった私に差し出された優しさ。暖かい気持ちがたくさん詰まっていて、読後感がとてもいいです。自転車や手紙、花などのディティールがうまく生きていて、優しい世界感を造り出しています。
「俺と結婚してくれませんか」と何回も告白する彼、氷のように振る彼女。何回振られてもめげない彼に対する彼女の思いは……。緩急をつけて甘酸っぱさがやってくる素敵なラブコメです。氷とお湯に自分の気持ちを重ねる彼女の姿が可愛らしく、読者も心を解かされます。
多少足が速ければなんとかなるだろうと。それほど深く考えずにはじめた高校からの陸上部。ところが県大会1位の人物と同じ名前であることから重圧にさらされることになった主人公は……。興味深い設定で冒頭から惹き付けられました。主人公の葛藤のリアリティと個性的な仲間たちとのやり取りに、読み手も高校生活を送っているような楽しさで読みました。県大会1位の真山についても知りたいので、ぜひ続きを書いてみてください。
お前を食べるぞと言う怪物に、娘がつきつけた条件は。余計な部分を極限まで削ぎ落としたかのような全文の潔さが好印象でした。バンプオブチキンの歌のようなイメージで楽しめます。
豆腐にまつわる妖怪話。設定が絶妙で、怖いだけでもなく、コミカルなだけでもなく、食欲を刺激する飯テロ感もあり、エンタメとして楽しめる構成です。知っているようで知らない豆腐の作り方も詳しく学べて、知的好奇心も刺激されます。
学校のカーストに縛られた「僕」の苦難の日々。苦難を中心に描かれていますが、その描写がとても上手いだけに、ここから登場人物の成長や変化がフィーチャーされたところも読みたくなりました。
一生に一度願いを叶えてくれるという桜のお百度参りに勤しむ母の姿を見て育った娘は……。何もせず願掛けに頼る母への苛立ちと、それでも母の願いが叶ってほしいと願う気持ちが娘の中で両立している描写が上手かったです。喪失感を叩きつけた後にほんの少しの愛情が残るような最後も印象深いです。
天使に会いたいと願う少女のために町中の大人が協力して……。登場人物がみな善意に満ちていて、素敵な物語でした。優しい物語としてだけではなく、クライマックスにさらに展開があるのも良かったです。
人が100回練習しないとできないことが3回でできてしまう天才少年。彼が唯一できなかったことは……。キャラクターが楽しく、この登場人物でいろいろな話を読んでみたいと思わせる魅力がありました。
共感覚を持ち、音が色で見える主人公の淡い恋。作中で表現される色彩がとても美しいです。淡い恋を音と色で彩った表現が素敵で印象に残ります。
売れないお笑い芸人に手を出されそうになるヒロイン。危ないところを助けてくれた幼馴染みが、ある提案をしてくれて……。表現できないけれど確かにそこにある痛みと、等身大の解決方法に共感を覚えます。表現のひとつひとつに個性的なきらめきがあり、誰か大切な人に教えてあげたくなるような物語に仕上がっています。
天才ピアニストの彼と天才ではない自分。冒頭の拍手だけで特別な響きとつよい思いを描き出す繊細な表現にまず魅力を感じました。称賛を浴びる者とそうではない者を鮮やかに対比させつつ、それだけで終わらない可能性を描く物語として続きが読みたいと感じさせる力強い作品です。
「昴」という自分の名前が大嫌いな女子が出会ったのは……。綺麗な夜空が目に浮かび、爽やかな気持ちになれる短編です。星座の知識も面白くわかりやすく描かれており興味深いです。
事故物件ものホラーです。怪異の描写が非常に恐ろしかったです。怪異に応対する解決策が見つかったところでさらなる秘密が判明したときの絶望感はすさまじいものがありました。
突然始まったデスゲーム。100人殺せば生き返れるというが……。短い中で緊迫感を持たせながらデスゲームをまとめる手腕がお見事です。最後のオチも想像が膨らむゾッとさせるオチになっていました
下に行くと過去に戻れる不思議なエレベーター。自分の将来が気になって、上に行くようにエレベーターガールにせがんだ主人公の運命は……。危険が待ち受けていることを読者に予感させながら、最後までオチを見せずに引っ張るリーダビリティの高い作品でした。
先生と生徒の間で交わされた100日日記。読み進めていくうちに徐々に違和感が出てきて、恐ろしい結末が待っています。人間の怖さや狂気を味わえます。
虐待されている4人の子供たちが公園に集まって……。諦念すら感じる淡々とした文章に、最後に見えるほのかな希望。子供たちの姿がビビッドで、手に汗を握って彼らを応援しながら読みました。
先生と生徒の微妙な関係。甘くなりすぎないくすぐったいような台詞回しの加減が絶妙です。二人とも魅力的なキャラクターで、二人の会話にはずっと読んでいたいようなくすぐったさとかっこよさがありました。
自我を持った人形と、人形師の家系。耽美な雰囲気に満ちていて、レースやドレスなどのガジェットの効果も相まって作者の造り出す世界感に惹き込まれました。100年間を描いたドラマチックな展開も無理なく入ってきます。
生まれてすぐに寿命が判明してしまう世界。誰よりも長い100年の寿命を持った主人公は……。寿命を消費期限という言葉で表現することで、命の価値が有用性のみで測られる社会の恐ろしさを読者に伝えます。
長縄が苦手な子供。クラスを率いる先生が考えた作戦は……。先生が子供達を懸命に信じて引っ張っていこうとする姿に爽やかさを感じました。こんな先生がいたらいいなと感じる読者も多いのではないでしょうか。
本来の名前を忘れ、妖怪たちの病院で働く「モモユキ」の物語が端正な文章で綴られます。世界感についての説明が少ないにもかかわらず、文体や台詞の端々から空気感が伝わってきました。さらに続きを読みたくなります。
百足坂を進んで百階段を登り、お百堂で百度参りすると呪いが成就する。背筋が震えるほど怖いホラーです。耳元でささやかれているような文章も、幼少期に百足に噛まれたエピソードも効果的です。文章ならではの怖さがめいっぱい発揮されています。
突然100万円を差し出してきたクラスメイトの真意は? ヒロインがとにかく可愛いです。それぞれのキャラクターが個性的で愛すべき造形をしており、同じキャラで長編を読みたいと思わされました。
ヒロインが絶対にひどい目に遭いそうだと確信しながら読むサスペンスです。オチは読めますが、だからこそのスリルを感じさせてくれました。エロティックな描写も怖さを引き立てています。
つらいことばかり、すべて忘れてしまいたいと思っている彼女のところに、願いが叶う石が届き……。過酷な運命にある少女が捨て鉢になり、そこから再生への道を歩んでいくさまは涙なしには読めませんでした。普遍性のあるテーマを、無理なく読者の心に響かせる力を持った作品です。
祖母が残してくれた駄菓子屋さん。100円ぴったりでの買い物に込める想い……。100円におさめて駄菓子を買う行動がとても大切なんだよという祖母の教えに、読者もはっとさせられ、暖かい気持ちになれます。大切な宝物をそっと差し出してくれるような作品で、心に残ります。
百度参りでの願い事は本当に叶ったが……。読みやすく世界感に読者を引き込める文章です。民話ホラーとして完成度が高く、こういうオチが読みたかった、という部分に綺麗におさめてくれる王道のブラックホラーです。
神様から、何でも100倍にしてあげようと言われた主人公。これは100倍になると困る、これは100倍になってもたいしたことがない、と思いをめぐらせる主人公の思考過程が面白く、テンポよく読めた作品です。最後のオチもさらりと前向きで読後感がとても良かったです。
絶対に音楽のテストで歌わない彼。友達を助けられない苦しさと、それを乗り越えていく姿に涙がこぼれます。作者の伝えたいものが明確で、読み手にも気持ちよく伝わってくるために、とても爽やかな読後感が待っています。
クラシカルな怪談ですが、噺家の語りがまるで耳元でささやかれているかのように再現される怖さにオリジナリティがあります。怪談における文章、文体の効果が存分に生かされた良作です。
90歳を迎える主人公。周囲は祝ってくれるだろうが憂鬱で……。優しく寄り添うような作風が素敵でした。派手さや驚きはなくとも、ほっこりと前向きな気持ちにさせてくれる作品です。
人のものばかり欲しがるヒロイン。本当に欲しかったのは……。大切な人の死と、切ないすれ違いにただただ涙してしまいます。どこか捨て鉢だったヒロインが前向きになれたことが救いでした。
死んだはずなのに死にきれない存在を救う神様がいる神社。死んだ少年と、少年に会いたかった少女。ジュブナイルと呼ぶにふさわしい、爽やかで切ない物語です。子供のころにしか感じられない独特の痛みを鮮やかに思い出させてくれました。
自殺してしまった姉。彼女が残した手紙には……。淡々とした文章が読ませます。姉と妹の微妙な心の距離と、優秀でまぶしく思っていた姉の知らなかった一面。主人公の衝撃が読み手にもがつんと伝わってきました。
坊主との法力勝負に負けて、子供に百の手を貸さねばならなくなった鬼。読みながらだんだん鬼が可愛く思えてきて、好きになってしまいます。そして最後ももう一段階オチがあるのも心憎いです。
猛勉強してテストで100点を取る私には秘密がある。同じように100点を取っているクラスメイトは……。テストの点をめぐるコンプレックスに共感と面白さを覚える作品です。恋の予感を感じさせながらも明確には始まらないので、このあと二人がどうなるのかいろいろと想像が膨らみました。
エリートなのに100点を取れない主人公と、100点を取っているのに蔑まれるヒロインの物語。それぞれの立場でそれぞれの葛藤を持つ二人が支え合う姿に、共感と応援の気持ちを覚えます。事態が一気に好転することはなくても、きっとこの二人が一緒にいれば大丈夫だと思わせてくれました。

優秀作品

100の問い

恋愛 完結
9分 (4,868文字)
まるでストーカーとしか思えない行動で僕に告白し続ける彼女を可愛いと思う日がくるとは思わなかった…。手を変え品を変え繰り出される告白にクスクスできます。ヒロインの魅力を別角度から見たくもありました。
不条理SFです。あり得なさそうであり得そうなディストピアの恐怖がじわじわと迫ってきました。この作風であれば現代社会への風刺がもう少しあっても良いかもしれませんが、構成力がとても高かったので、ぜひ次回は風刺的な作品にもトライしてみていただきたいなと思います。
隣に住む同級生の誕生日プレゼントをねだられた。でもそれを買ってやるには僕の所持金が100円足りない。さてどうしたものか……。コミカルに進む可愛いラブストーリーです。ほほえましいけれど本人には深刻なハプニングが続く様子は楽しく読めます。
ホラーサスペンスです。動画を撮るために山奥に足を踏み入れた四人の若者。緊迫感に満ちたシチュエーションがどんどん転がっていくので一気読みさせられました。
おじいちゃんの白髪を抜いて50円とか100円のお駄賃をもらったあの頃の記憶。郷愁を誘う作品です。5円、50円、100円と、小銭が大きな存在だった幼少期が蘇ってきます。子供から見た景色の再現性が高いと感じました。
カレーを作りながら聞こえたTVのニュース。聞こえてきたのは小学生の頃の同級生の名前だった。何気なくカレーを作りながら昔を思い出していると思ったら……。非常にきれいな文章で読ませます。案外身近なところに恐ろしい犯罪の種があるのかも、と思わせてくれる、現代的な作品です。
街で足蹴にされていた女性型ロボットを哀れみ、助けた男が最後には……。ブラックSFショートです。短編としての完成度は高いです。ただ、風刺短編としての体裁を取りながら風刺の対象が判然としなかったのが惜しいです。
幼馴染みの二人の恋。軽快に進んでいく文章と、果たして成就するのかドキドキさせられる絶妙な緊迫感で楽しくほっこりと読めました。
蔵の中で見つけた本には遥か未来の日付だけが書かれていた。そこから俺の人生を変える1ヶ月が始まった。タイムマシンで行った未来で出会った女性が、実は、という仕掛けが、ただのタイムリープものとは一線を画していて面白かったです。
教育ママと息子のすれ違い。理解されずに死んでしまった息子がとても悲しく、主人公である母親が真実を知ったうえでもなお釈然としていないのでは、と思わせるところにゾッとさせられました。
親友の男二人に女の子一人。三人が一緒に居られなくなった理由、それは……。読者をうまくミスリードさせつつの書き方が心憎く、なんともいえない切なさが残る作品です。
安楽椅子探偵がなんとライオン。設定や数字を駆使した謎解き部分は興味深く読みました。多角的に見ても正解だと確信できる要素が少し弱いかもしれませんが、お題からここまで思考を膨らませた工夫を評価したいです。
冒頭からの神社の階段の風景や思い出語り的な描写と不気味さで非日常的・ホラー的なニュアンスを醸し出しつつ、読後には爽やかさを感じさせる不思議な味わいの短編。雰囲気のある文体で、数々の曖昧な点が曖昧なままで語られたうえで、作者本人がこの作品を「恋愛」とカテゴライズしている点が味わい深いです。
100個の願いを叶えるランプを手に入れると、人はどうなってしまうのか? 思考実験のようでもある、ブラックなショートストーリーです。普通は願い事が数個なのに、100個にするとまるで違うストーリー展開になるのが意外性もあって興味深かったです。
じわじわと迫るようなサスペンスです。何かあるぞと思わせる怪しい女がもたらしたものは、まさかの……。読者を引っ張る強い力がありぐいぐいと読まされました。もう少し要素を整理されるとより読者に恐ろしさが伝わるかもしれません。
友達を100人作れるかというテレビ番組を担当したディレクター。ご都合主義といえばご都合主義ですが、こういったハッピーな展開に癒されたい気持ちのときに読むにはぴったりの作品です。可愛く、前向きで、素敵な作品でした。
バイト先に来た新しい店長。冴えない彼が、実は前の店でやり手だったとわかり…?コンビニの売上を構成する要素が散りばめられ、お仕事ものとしてワクワク読めました。
100円のこども食堂の店主は、人ならざる存在で……。子供の貧困や虐待を題材に、スカッとする勧善懲悪の気持ちよさが描かれた作品です。意外な展開はありませんが王道のストーリー運びが心地いいです。
ネットで気に入らない相手を叩いていた主人公が、転生したら桃太郎の鬼になってしまい……。ストレートなテーマで読み易く、興味深く読めました。このテーマならさらに掘り下げが可能では、と思う部分もありましたので、ぜひ追求してみていただければと思います。
ロボットへの命令が思わぬ結果に……。主人公の語りが読みやすく、きっと斜め上のオチになるんだろうなと思わせながらギリギリ読めないオチで面白かったです。
女の子の服装や漫画が好きな男子。生きづらい彼を変えたひとつの出会い……。息苦しい日常を突破するのは、こんな小さな、でも突飛なちょっとした行動なのかもしれません。前向きなラストも相まって読後感が良かったです。
可愛く、楽しく読める現代ファンタジーです。主人公が明るくて茶目っ気があるので、ぶっ飛んだ展開も楽しく読ませる力に満ちていました。ほっこりと楽しいひとときを過ごせる作品です。
百物語からの帰りに、不吉な百舌の鳴き声を聞いた浪人は……。しっとりと読ませる時代小説です。ホラーかと思いきや、何度かの意外な展開を経て綺麗なラストに着地します。
どこかコミカルな文章で綴られるあまあまBLです。一人称の突っ込みの可愛さと、恋が成就した喜びが溢れていて、読み手の顔もほころぶほど糖度が高いです。
故障と闘いながらの100試合目の出場。あまりに過酷すぎるのでは、と思わせる改源の状況に目が離せませんでした。それでも試合に出たいひたむきさに胸を掴まれます。
百円ちょうだい、と声をかけてきた謎の少女。百円玉を題材に、女の子の繰り出す数学的切り口が斬新で面白く読めました。最後はハッピーエンドでほっこりさせられます。
異世界の百科事典を作る主人公。設定が面白く、ここから更に広げていけそうです。物語としての起承転結を意識されると短編としては完成度が高まるかと思いますが、この作品は逆に百科事典に何を掲載するかをどんどん広げていただいた方が興味深いものになるかもしれません。続きが読んでみたいです。
ディストピアを生き延びた二人の子供を主人公とした、壮大な物語です。短編で長い時間軸を描いている関係で、どうしてもダイジェスト的に駆け足で進んでしまっている側面はありますが、筆者が描きたかった二人の間の強い愛情は確かに伝わってきました。
バッティングセンターのバイト店員の僕と、ホームランを打ちたい彼女。可愛く爽やかな青春恋愛小説です。悪役として出てくる二人の同級生のセリフに妙なリアリティがあり、より物語に読者を惹き込む効果を果たしています。
百歳の寿命を持つ女の子の運命は……。シンプルな物語ながら、主人公の純粋さに、絶対に幸せになってほしいと願いながら読まずにはいられませんでした。

スケジュール

・募集期間: 2019年4月3日(水)11:00:00 ~ 2019年5月12日(日)23: 59: 59 ・最終結果発表:2019年7月予定 ⇒ 2019年8月予定

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ■エブリスタ賞(賞金5万円+選評)1作品 ■河出書房新社賞(賞金5万円+選評)1作品 ■超短編賞(賞金1万円+選評)1作品 ■続きが読みたい賞(賞金1万円+選評)1作品 ■トンデモ賞(賞金1万円+選評)1作品 ■入賞(賞金1万円+選評)5作品 ■佳作(選評)60作品 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ・優秀作品(選評)30作品 ・ピックアップルーキー(結果発表ページでご紹介) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ※受賞または佳作(以下、「受賞」という。)の作品はエブリスタの短編小説シリーズ「5分シリーズ」に収録される可能性があります。(収録を依頼する場合には、受賞者に別途、ご連絡させていただきます。) 短編小説シリーズ「5分シリーズ」 ※受賞作品はエブリスタ公式SNS等で配信・紹介等される可能性があります。 ※受賞まであと一歩だった作品の中で募集期間終了日より3ヶ月以内に会員登録された新規作家の作品を、ピックアップルーキーとして数点、結果発表ページでご紹介させていただきます。

募集内容

新作限定!初心者大歓迎! 三行だけでも、中編小説でも、妄想を炸裂させた文章ならなんでも応募できるコンテスト、ついに第100弾です。感謝の気持ちを込めて、今回は特別に受賞枠を大幅に拡大!更に受賞~優秀作品まで、計100作品に選評をおつけします! そんな第100回のテーマは、ズバリ「100」 です。 どこかに必ず「100」が登場する妄想を投稿してください。 ・100歳の誕生日を迎えた女性の元に妖精が現れた。え、今日から魔法少女!? ・カンニングで100点をとったテスト。それを知ったクラスメイトに脅されて…。 ・遊びで百物語をやったら、鬼が出てきた…と思いきや、物語の批評を始めて? 祝・妄コン100回目!あなただけの「100」にまつわる妄想がこのお祭りの主役です。ぜひ一緒にお祭りを盛り上げてください!皆様の投稿をお待ちしています!

応募要項

・本イベントの募集期間内に新規投稿された作品。 ・文字数は100文字(三行程度)~8000文字 ※制限文字数未満又は制限文字数を超えた作品は選考対象外となります。 ※非公開設定している作品は、選考対象外となります。 ※連載中で未完結の作品の場合、更新頻度の高さや募集期間終了時点での作品の完成度も含めて選考いたします。

次回予告

次回、妄想コンテスト第101回のテーマは「金」です。 本イベントと平行する形で2019年4月24日(水)より開催予定です。 ※作品は次回の妄想コンテスト第101回の募集期間内に新規投稿してください。募集期間前に投稿した作品はご応募いただけませんので、ご注意ください。

コンテストの注意事項(必読)

超・妄想コンテスト